オイルヒーターとは、電気で暖められたオイルの輻射熱を活用した暖房器具です。温風が発生しないため空気が乾燥しづらく、空間全体がムラなく暖まることから人気があります。しかし、つけっぱなしにすることで電気代が高くなることを不安視する人も少なくありません。
そこで今回は、オイルヒーターをつけっぱなしにした場合の一ヶ月の電気代について解説します。節約するための賢い使い方や買い替える際に押さえておきたいポイントもご紹介するので、電気代を抑えたい人はぜひ参考にしてみてください。
オイルヒーターを一ヶ月つけっぱなしにした際の電気代と計算方法
オイルヒーターを一ヶ月つけっぱなしにすると、どの程度の電気代が発生するのでしょうか。ここでは、電気代の目安や計算方法を解説します。
一ヶ月つけっぱなしにした際の電気代の目安
部屋の広さ | 部屋の用途 | 電気代 (一時間あたりの平均) |
電気代 (一ヶ月あたり) |
---|---|---|---|
~6畳 | リビング(20℃設定) | 9.9円 | 7,128円 |
勉強部屋(18℃設定) | 9.9円 | 7,128円 | |
寝室(16℃設定) | 8.9円 | 6,408円 | |
~8畳 | リビング(20℃設定) | 12.6円 | 9,072円 |
勉強部屋(18℃設定) | 12.1円 | 8,712円 | |
寝室(16℃設定) | 10.7円 | 7,704円 | |
~10畳 | リビング(20℃設定) | 16.1円 | 11,592円 |
勉強部屋(18℃設定) | 15.1円 | 10,872円 | |
寝室(16℃設定) | 12.9円 | 9,288円 | |
~13畳 | リビング(20℃設定) | 19.7円 | 14,184円 |
勉強部屋(18℃設定) | 18.2円 | 13,104円 | |
寝室(16℃設定) | 14.7円 | 10,584円 |
※デロンギオイルヒーター(ECO機能あり)を使用した場合
※一ヶ月あたりの電気代は一時間あたりの電気代×24時間×30日で計算
※参考:デロンギ公式サイト
上記の表は、オイルヒーターの代表的なメーカーである、デロンギの公式サイトで提示された「電気代かんたん計算」をもとに計算したものです。例えば、6畳の寝室で一時間あたり平均約8.9円のオイルヒーターを使用した場合、以下の計算式で一ヶ月間つけっぱなしにした場合の電気代が求められます。
8.9円×24時間×30日=6,408円
なお、オイルヒーターの電気代は同じメーカー、同じ種類の製品であっても、部屋の広さや用途で異なるため注意が必要です。
電気代の計算方法
消費電力ごとに一時間あたりの電気代を知りたい場合は、以下の計算式で計算できます。
「電気代=消費電力(W)÷1,000×電気料金の単価(円/kWh)」
ここでは、消費電力ごとの電気代を表にまとめました。
消費電力 | 一時間あたりの電気代 |
---|---|
360W | 11.1円 |
500W | 15.5円 |
1,000W | 31円 |
1,200W | 37.2円 |
1,500W | 46.5円 |
※一般的なオイルヒーターは360~1,500Wの消費電力が多いため段階的に計算
※電気代の目安単価は31円/kWh(2022年7月改定時点)
※参考:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会|よくある質問 Q&A
電気代は取扱説明書でも確認できる
オイルヒーターの電気代は、メーカーや機種によって異なります。メーカーによっては取扱説明書に一時間あたりの電気代を記載しているケースがあるため、確認しておくと安心です。電気代が不安という人は説明書に記載された内容をもとに、おおよその計算をしてから使用しましょう。
オイルヒーターとほかの暖房機器との電気代を比較
暖房器具は、オイルヒーターのほかにもエアコンやセラミックヒーターなどさまざまです。以下では暖房器具ごとの電気代を比較してみました。
暖房器具の種類 | 消費電力 (一例) | 一時間あたりの電気代 | 一ヶ月あたりの電気代 |
---|---|---|---|
オイルヒーター | 360~1,500W | 11.1~46.5円 | 7,992~33,480円 |
エアコン(暖房) | 105~3,500W | 3.2~108.5円 | 2,304~78,120円 |
セラミックファンヒーター | 640~1,170W | 19.8~36.2円 | 14,256~26,064円 |
電気ストーブ | 300~1,200W | 9.3~37.2円 | 6,696~26,784円 |
電気カーペット | 200~700W | 6.8~21.7円 | 4,896~15,624円 |
パネルヒーター | 600~1,200W | 18.6~37.2円 | 13,392~26,784円 |
※消費電力は標準的な機器と仮定
※一ヶ月あたりの電気代は一時間あたりの電気代×24時間×30日で計算
※電気代の目安単価は31円/kWh(2022年7月改定時点)
※参考:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会|よくある質問 Q&A
エアコン暖房の電気代の目安
エアコンは、製品によって消費電力量の差が大きく開きます。消費電力量が大きいタイプだと3,500W程度するものもあり、オイルヒーターと比べると倍以上のパワーです。
エアコンは部屋全体を暖める暖房器具であり、一部分を暖めるタイプの暖房器具と比べると電気代が高くなりがちです。部屋の広さや使用方法によって金額が異なるほか、エアコンの多くは運転中の消費電力が変動するため、一ヶ月の電気代は一概にはいえません。
セラミックファンヒーターの電気代の目安
一般的なセラミックファンヒーターは、オイルヒーターとほぼ同様の消費電力で、一ヶ月あたりの電気代は最大で26,064円程度となります。なお、セラミックファンヒーターは火を使わないため安全性が高いですが、広い空間を暖めるのには不向きです。
電気ストーブの電気代の目安
電気ストーブも製品によって消費電力に大きな差があります。パワーが強いタイプの電気ストーブは最大1,200W程度で、一ヶ月の電気代は26,784円です。
ただし電気ストーブと一括りにしても、ニクロム線電気ストーブやカーボンヒーターなどさまざまです。そのため詳しい電気代が知りたい場合は、製品に付属された説明書や公式ページを確認することをおすすめします。
なお、ヒーターとストーブの違いについては、以下の記事で解説しています。
電気カーペットの電気代の目安
電気カーペットは、ほかの暖房器具と比べると比較的消費電力が少ない点が特徴です。最大でも700W程度のタイプが一般的であり、一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は15,624円程度となります。
ただし、オイルヒーターのように空間全体を暖めるのには適していません。基本的にカーペットと接した部分のみを暖めるため、ほかの暖房器具と併用するケースが多いでしょう。
パネルヒーターの電気代の目安
パネルヒーターの消費電力は、オイルヒーターとさほど変わりません。最も消費電力が大きいタイプは1,200Wが一般的で、一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は26,784円です。
オイルヒーターと同様に温風が出ないため、部屋が乾燥しにくいといったメリットがあります。しかし、部屋全体を暖めるのには不向きであり、ほかの暖房器具と併用するケースが多いでしょう。
電気代は暖房器具に限らず、扇風機やエアコン(冷房)に関しても気になるところです。以下の記事では扇風機とエアコンの電気代について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
一ヶ月の電気代を節約したい!オイルヒーターの賢い使い方
つけっぱなしにすると電気代が高いことから、オイルヒーターの使用を躊躇してしまう人は多いでしょう。オイルヒーターは賢く使うことで電気代の節約が可能です。続いては、適切な使い方として7つをご紹介します。
温度設定は「中」や「弱」など低めにする
オイルヒーターをはじめとする暖房器具は、温度設定を高くしたりパワーを強くしたりすると電気代が上がります。そのため、温度設定をできるだけ低くするのがポイントです。
細かく温度設定ができるタイプのオイルヒーターの場合、リビングは20度前後、勉強部屋は18度、寝室は16度を目安にすることをおすすめします。
オイルヒーターは床や天井などを含めた部屋全体を、穏やかに暖める暖房器具です。そのため、いつもより少し低めの温度設定にしても十分暖かく感じられます。
ドアや窓付近に設置する
電気代を節約するには、オイルヒーターを設置する場所にも注意を払う必要があります。
例えば、窓際やドアの近くは温度が低くなかなか暖まりにくい場所です。こうした場所にオイルヒーターを設置すると冷たい空気の侵入を防ぐ役割も果たしてくれて、部屋全体を効率的に暖めることができます。
冷たい外気を入れない環境を作る
オイルヒーターを使用する際は、部屋自体の断熱性も高めておくことも大切です。例えば、窓やドアがきちんと閉まらない状態で隙間が空いていれば、いくら部屋を暖めても空気が逃げてしまいます。
冷たい外気を入れないようにするためには、窓ガラスに断熱フィルムを貼ったり厚手のカーテンを設置したりして暖房効果を高めましょう。その結果、電気代の節約にもつながります。
タイマーとエコ運転を活用する
オイルヒーターのタイマーやエコ運転を活用するのも、賢い使い方の一つです。一日中家にいてオイルヒーターをつけっぱなしにする場合は、暖め過ぎないように自動で運転をセーブしてくれるエコモードや省エネ機能を積極的に使うことをおすすめします。
また、就寝後二時間程度まで運転するようにタイマーをセットしておくと、快適な眠りを妨げずに電気代を節約できるでしょう。
ほかの暖房機器と併用する
オイルヒーターは部屋全体を暖められる点がメリットですが、エアコンやファンヒーターのような速暖効果はありません。そのため、帰宅直後や起床時は部屋がなかなか暖まらず、つい設定温度を上げてしまうという人も多いでしょう。
電気代の節約を考えるなら、ONタイマーを設定するか状況に合わせてほかの暖房器具と併用することをおすすめします。例えば、帰宅後は石油ファンヒーターとオイルヒーターを同時に使い、ある程度部屋が暖まったらオイルヒーターのみ使用するとよいでしょう。
また、暖かい空気は部屋の上に溜まる性質があるため、効率的に部屋全体を暖めるには扇風機やサーキュレーターを活用するのもポイントです。部屋の上側に向けて回し、空気を循環させると速やかに部屋が暖まります。
サーキュレーターの効果的な使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
手軽にできる防寒対策を行う
暖房器具に頼るだけでなく、衣服やカイロなどを使って手軽な防寒対策を行うことも大切です。例えばフリースを一枚羽織るだけでも、体感温度が上がります。
また首筋や手首、足首には太い動脈が走っているため、ネックウォーマーやレッグウォーマー、アームウォーマーを活用して冷やさないように意識しましょう。その他、足湯で足を温める方法もおすすめです。
電力会社や電気料金プランを見直す
オイルヒーターの使い方や防寒対策などを施しても、一ヶ月の電気代が思うように下がらないという人は、電気料金プランや電力会社を変更するのもよいでしょう。
2016年から始まった電力自由化に伴い、近年はさまざまな企業が電力サービスを提供しています。その中にはネット回線やガスの利用をセットにしたお得なプランもあり、うまく活用することで電気代の節約が可能です。
オイルヒーターの一ヶ月の電気代を節約するなら買い替えもおすすめ
オイルヒーターの内部にはオイルが入っています。密閉された状態のため交換が不要な上に劣化しにくい点が特徴です。こうした仕組みにより、ほかの暖房器具よりも比較的長持ちします。一般的には10年程度使えるとされており、買い替えのタイミングを逃してしまう人もいるでしょう。
注意点として古いモデルのオイルヒーターには、エコモードや省エネモードが搭載されていない可能性があります。電気代の節約を考えるなら、買い替えをしたほうが賢明です。特に暖まりにくい、異音がするなど問題がある場合は、早めに買い替えを検討しましょう。
オイルヒーターを買い替える際の選び方
オイルヒーターを効果的に使うには、使用する部屋やシチュエーションを考慮することが大切です。ここでは、オイルヒーターを買い替える際の選び方を解説します。
消費電力で選ぶ
オイルヒーターの消費電力は、360~1,500Wなど製品によって差があります。消費電力が上がれば電気代も比例して高くなりますが、パワーが弱いオイルヒーターは暖まるのに時間がかかるでしょう。
広いリビングで使用する際に、360Wのオイルヒーターを購入しても思うように暖まりません。使用する状況や部屋のサイズなどを踏まえながら、どの程度の消費電力が必要かを検討することが大切です。
機能性で選ぶ
機能性もオイルヒーターを選ぶ上で押さえておきたいポイントです。電気代の節約を考えるなら、「温度調節機能」「省エネ機能」「タイマー機能」は必要でしょう。
また、操作方法も製品によって異なります。例えば、ダイヤルで温度調整をするタイプは微調整をする際に役立ちますが、離れた場所から操作したい場合はリモコンが付属しているタイプが適しているでしょう。最近はタッチパネルタイプもあり、好みに合わせて選ぶことが可能です。
安全性で選ぶ
オイルヒーターは火を使わない暖房器具として比較的安全ですが、小さな子どもや赤ちゃん、ペットがいる家庭では思わぬ事故が発生する恐れがあります。そのため安全性で選ぶのも一つの方法です。
例えば、「転倒オフ機能」「チャイルドロック機能」などが備わっているかを確認するとよいでしょう。また、オイルヒーターの表面が極端に熱くなるのを防ぐ「過熱防止機能」があると、万が一手を触れた際でも安心です。
部屋の広さで選ぶ
オイルヒーターの消費電力を検討する際、部屋の広さを考慮するのも重要なポイントです。
例えば、一人暮らしの寝室や脱衣所など狭い空間であれば、消費電力が小さいものでも対応できるでしょう。一方で10畳を超えるリビングで使う場合は、パワーがあるタイプを選ぶことをおすすめします。商品ごとに対応畳数が記載されているケースが多いため、選ぶ際は必ず確認するようにしましょう。
なお、購入してみたら意外とパワーが足りなかったというケースも少なくありません。こうした事態を回避するためにも、設置を予定している部屋のサイズよりも少し広めの部屋に対応したオイルヒーターを選ぶとより安心です。
保障やサポートで選ぶ
オイルヒーターにも保証期間がありますが、メーカーによって期間が異なるため事前に確認することが大切です。ほかの暖房器具より寿命が長いとはいえ、いつオイル漏れや断線などの不具合が発生するかわかりません。
保証がない場合、修理に多額の費用がかかる可能性もあるでしょう。オイルヒーターを買い替える際は保証期間が長く、手厚いサポートが受けられる製品を選ぶのも一つの方法です。
まとめ
電気代を節約するためには、オイルヒーターの特性を踏まえて効率的に使うことが大切です。使用する部屋のサイズに見合った消費電力のオイルヒーターを選んだり、ほかの暖房器具と併用したりしながらうまく活用しましょう。また、古いオイルヒーターを利用している人は、省エネ機能やエコ機能がついたタイプに買い替えると節約につながります。
全国に800店舗を超える実店舗とオンラインストアを運営する〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、オイルヒーターを含む暖房器具を多数取り揃えています。新品よりもリーズナブルな価格で購入できるので、買い替えを検討中の人はぜひご利用ください。
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