「脱水に進まず運転が止まってしまう」「すすぎ運転に戻ってしまう」など、洗濯機の脱水に関して不具合が生じるケースがあります。
正常に脱水できなかった洗濯物は水分を多く含んでいるため、そのまま干すと周辺が濡れたり、乾くまでに長い時間を要したりしてしまうでしょう。
この記事では、洗濯機で脱水できないときの原因と対処法を解説するとともに、洗濯機本体の故障のサインや故障してしまった場合の対応についても紹介します。「洗濯機の状態を改善させたい」「洗濯機を少しでも長持ちさせたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
なお、リユースショップ〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、さまざまなメーカーの洗濯機を取り揃えています。洗濯機を安く買い替えたいとお考えの方は、ぜひセカンドストリートをご利用ください。
洗濯機で脱水できないときに考えられる原因と対処法
洗濯機で脱水できない場合、大きく分けて5つの原因が考えられます。ここでは、それぞれの原因と対処法を説明します。
原因1:洗濯物に片寄りがある
洗濯機の脱水は、洗濯槽を高速回転させることで、遠心力により洗濯物の水気を切るという仕組みになっています。そのため、脱水が始まると、洗濯槽内で洗濯物が片寄りやすくなります。
洗濯物が片寄ると、洗濯機に過剰な負担が掛かり故障の原因となるほか、洗濯機が異常に揺れて倒れるといった事故にもつながりかねません。洗濯機にはこれらを防ぐためのセンサーがあり、洗濯物の片寄りを検知すると運転が止まり脱水できない状態になります。
洗濯機の機種によっては、脱水エラーのコードが表示されるでしょう。
対処法:洗濯物を入れ直す
洗濯機の運転が止まったのを確認してから電源を切り、洗濯槽内を見てみましょう。洗濯物が片寄っていたら、いったん取り出します。
洗濯物を取り出す際は、周囲が濡れないようにタオルなどを敷くとよいでしょう。取り出した洗濯物をほぐした後、洗濯槽内に均一に入れ直すことで、脱水運転に移行しやすくなります。
また、洗濯ネットが片寄りの原因になることもあります。一度に複数の洗濯ネットを使用しない、ひとつの洗濯ネットに入れる洗濯物の量を減らすといった工夫も有効です。
原因2:洗濯物の量や重さが適切でない
洗濯物の量が多すぎる・重さが重すぎる場合は、洗濯槽の底に設置されている「パルセーター(回転翼)」がうまく回らなくなってしまい、脱水できないことがあります。
反対に、洗濯物の量が少なすぎる・重さが軽すぎると洗濯槽内で片寄って遠心力が過剰になり、運転が停止する場合があります。
対処法:洗濯機ごとの適量を守る
1度に洗濯する量は、洗濯機ごとの適量までにします。洗濯物の量が多いときは、複数回に分けて洗いましょう。
とくに、大きなシーツやフリース素材などの厚手のものは、できるだけ分散させて洗うようにします。
一方、洗濯物が少なすぎて洗濯機の運転が止まったと考えられる場合は、洗濯物の片寄りを直して様子を見てください。それでも脱水できないようなら、洗濯物をいくつか足すのがおすすめです。
原因3:洗濯機の蓋や扉が閉まっていない
ほとんどの洗濯機には、運転中に蓋や扉をロックする機能が付いています。蓋や扉がきちんと閉まっていないと、ロックセンサーが作動せず運転が停止する仕組みです。
脱水前や脱水中に何らかの理由で洗濯機の蓋や扉を開けた場合は、この理由で脱水ができない可能性があります。
対処法:蓋や扉が閉まっているか確認する
洗濯機の蓋や扉が完全に閉まっているか、あらためて確認しましょう。見た限りでは問題ないように思えても、実際には蓋や扉に洗濯物が挟まっていたり、ゴミやホコリが付着していたりするケースもあります。
また、古い洗濯機では、蓋や扉の開閉を感知する部分が破損してセンサーが作動しなくなっていることも考えられます。その場合は、記事後半の「洗濯機の故障で脱水できないときはどうする?」を参考に、洗濯機の修理や買い替えを検討してみてください。
原因4:洗濯機が傾いている
洗濯機は長年使い続けていると、運転中の振動によって徐々に傾いていきます。傾きがある程度大きくなると、洗濯機のセンサーがはたらいて運転を停止するため脱水できません。
また、洗濯機の傾きは、運転時間が長くなる原因にもなるため注意が必要です。
対処法:洗濯機を水平に設置する
洗濯機が傾いていないか、ぐらつきがないかをチェックしましょう。水平に設置できているかどうかは、本体内蔵または付属の「水準器」で判断できます。水準器の円の内側(基準点)に気泡が入っていれば、洗濯機は水平です。
必要に応じて、洗濯機の足の高さを調節してバランスを取りましょう。
なお、水準器の仕様や足の高さの調節方法は洗濯機によって異なるため、取扱説明書に沿って対応してください。
原因5:排水口・排水ホース・糸くずフィルターが詰まっている
排水口・排水ホース・糸くずフィルターは、洗濯物の糸くずやホコリ、髪の毛などが溜まりやすい場所です。これらの箇所が汚れやゴミで詰まっていると、うまく排水できずに脱水できない状態となります。
また、排水ホースがねじれている・折れ曲がっている場合にも、排水ができないため脱水が止まってしまうことがあります。
対処法:詰まりや汚れを掃除する
排水口や排水ホースの詰まりが原因で脱水できないと考えられるなら、必ず洗濯機の電源を切り、給水用の蛇口を閉めてから掃除しましょう。塩素系洗剤を使用する際は、安全のためにメガネやゴム手袋を着用してください。
また、糸くずフィルターは、1〜2週間ごとのこまめな掃除が大切です。
なお、レインコートのような防水性の衣類やシートなどは排水口をふさぐ原因となるため、基本的に洗濯できません。洗濯機の故障にもつながるため、入れてしまった場合は必ず取り除いてください。
洗濯機が脱水できない場合は壊れている可能性も
ここまでの原因をチェックし、適切な対処をしても脱水できない場合は、本体が故障している可能性があります。
洗濯機が壊れているかどうか判断するには、脱水できないこと以外にも不具合がないか確認するのがよいでしょう。この後説明する内容を参考に、洗濯機の状態をチェックしてみてください。
洗濯機の故障のサインは「脱水できない」以外にもある
ここでは、「脱水できない」以外に起こり得る、洗濯機の故障のサインを紹介します。
洗濯槽が回転しない
洗濯物の容量が適切で、片寄りもないのに洗濯槽が回転しないケースです。
このような場合は、パルセーターやベルトが不具合を起こしていると考えられます。ベルトは、モーターの動力を伝達して洗濯槽を回転させるために用いられるゴム製の部品です。
いずれも部品を交換すれば状況が改善するケースもありますが、購入から年数が経っている洗濯機では、ほかの箇所も劣化が進んでいると考えられます。
洗濯槽が回転しない場合の原因と対処法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
給水・排水できない
蛇口がきちんと開いており、ホースの詰まりもないのに、給水・排水されないケースです。ホースや給水フィルターなどに問題がなければ、洗濯機の故障が考えられるでしょう。
洗濯機の給水・排水に関するトラブルについては、以下の記事をご覧ください。
水漏れしている
洗濯機の水漏れに気付いたら、漏電を防ぐためにもすぐに電源を切り、蛇口を閉めてから対処することが大切です。
洗濯機本体から水漏れしている場合は、故障が疑われます。例えば、洗濯槽が劣化していたり、パルセーターが摩耗していたりといった原因が考えられます。
本体以外の箇所からの水漏れは、故障とは限りません。その場合は、以下の点を確認してみましょう。
- 蛇口から水漏れしている場合は、蛇口のゆるみがないか
- 給水・排水ホースから水漏れしている場合は、給水・排水ホースの接続不良や汚れ、劣化、損傷がないか
異音・異臭がする
洗濯機から異音が聞こえたら、すぐに運転を停止して洗濯物を確認してください。衣類のチャックなどが洗濯槽に当たって音が出ることもあります。
洗濯機から聞いたことがない音がするときは、モーターなどの部品の劣化が考えられます。
また、カビなどが原因で洗濯機から異臭が発生するケースもあります。ただし、焦げ臭い場合は、部品が劣化して摩擦を起こしている可能性があるため注意が必要です。
洗濯機の異音・異臭の原因や対処法などについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
エラーメッセージが消えない
洗濯機にエラーメッセージ(エラーコード)が表示され続ける場合は、取扱説明書やメーカーのホームページで意味や対処法を確認しましょう。
手順に沿って正しく対処してもエラーメッセージが消えないようなら、洗濯機は故障していると考えられます。
なお、洗濯機の電源を入れた直後に排水エラーのコードが表示されるときは、排水弁と呼ばれる部品が故障している可能性があります。排水弁が故障している場合は、部品を交換しなければなりません。
洗濯機の故障で脱水できないときはどうする?
ここでは、洗濯機の故障が疑われる場合にどのような対応をとるべきか、2つの選択肢を紹介します。
修理を依頼する
洗濯機を購入してから期間が経過していないのに、脱水できないなどの不具合が生じている場合は、修理を依頼しましょう。早い段階で修理しておけば、今後も長く使い続けられる可能性が高まります。
修理の依頼先は洗濯機のメーカーや、洗濯機を購入した店舗です。メーカー保証期間内なら、メーカーに依頼すれば無料で修理・交換してもらえる可能性があります。また、購入した店舗によっては、独自の保証サービスが付いているケースもあるでしょう。
ただし、修理費用とは別に出張料などの手数料が発生する場合もあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
買い替えを検討する
洗濯機が寿命を迎えたと考えられる場合は、買い替えを検討するのがおすすめです。一般的な洗濯機の寿命は、10年程度とされています。
修理して使い続ける選択肢もありますが、寿命を迎えた洗濯機はすぐに別の箇所が故障するリスクを抱えています。結果的に、修理費用がかさんでしまうかもしれません。
洗濯機の寿命や買い替えの際のポイントについては、以下の記事をご覧ください。
洗濯機の故障を防ぐためにできること
最後に、洗濯機の故障を防ぎ、長く使い続けるためのポイントを紹介します。
洗濯機・洗剤を正しく使用する
洗濯機は、取扱説明書にしたがって正しく使用しましょう。
洗濯物の量は、容量の7〜8割程度が目安です。クッションや厚手のマットなど、家庭用の洗濯機に不向きなものは洗わないようにします。
また、洗剤や柔軟剤は適量を守りましょう。使用量が多すぎると、排水ホースなどが詰まる原因になる場合があります。
こまめにお手入れをする
洗濯機を長持ちさせるには、定期的なお手入れも大切です。
排水口や排水ホースは半年に1回程度、糸くずフィルターは1〜2週間に1回程度を目安に掃除しましょう。
まとめ
洗濯機で脱水できないときは、以下のような原因が考えられます。
- 洗濯物に片寄りがある
- 洗濯物の量や重さが適切でない
- 洗濯機の蓋や扉が閉まっていない
- 洗濯機が傾いている
- 排水口・排水ホース・糸くずフィルターが詰まっている
本記事では、これらに対処する方法を紹介しました。対処法を試しても状況が改善しないときや、脱水できないこと以外にも不具合がある場合は、洗濯機本体が故障している可能性があります。
洗濯機を購入してから期間が経っていないなら、メーカーや購入店舗に修理を依頼するのがよいでしょう。洗濯機の寿命が近いと考えられる場合は、買い替えがおすすめです。
「洗濯機はメーカー・モデルを比較して選びたい」「できるだけ安く買い替えたい」とお考えなら、ぜひセカンドストリートをご活用ください。さまざまなメーカー・モデルの中古洗濯機を多数取り揃えており、価格もリーズナブルです。お近くの店舗などで、ぜひチェックしてみてください。