除湿機は、空気中の水分を除去する機能を持つ家電です。湿度が高い空間は不快に感じやすいですが、除湿機を使うことで快適な状態を保てます。なお、除湿機を効果的に使うには目的に合わせて設置することが大切です。
この記事では、除湿機の効果的な使い方を目的ごとに解説するとともに、除湿機の仕組みやトラブルが起きた際の解決方法をご紹介します。これから除湿機の購入や買い替えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯物を部屋干しする際の除湿機の効果的な使い方
梅雨の季節や悪天候が続くときは、洗濯物を部屋干しするケースが多いでしょう。外で干す場合とは異なり風や日光が当たらないため、早く乾かない点がデメリットです。そこで役立つ家電が除湿機です。除湿機を賢く使うことで、部屋干しでも効率よく洗濯物を乾かせます。
ここでは、洗濯物を部屋干しする際の除湿機の効果的な使い方を解説します。
窓や扉を閉める
除湿機の特徴は空間の水分を除去することであり、窓や扉を開け放った状態では外から湿った空気が入り続けるため思うように除湿できません。効率的に洗濯物を乾かすには、外部からの空気を遮断する必要があります。
洗濯物を部屋干しする場合に限らず、どのようなシーンでも除湿機を使用する際は窓や扉を閉めることがポイントです。
除湿機の置き方を工夫する
部屋干しをした洗濯物の量に合わせて除湿機の置き方を変えることも、早く乾かす上で重要です。
少量の洗濯物を乾かす際は、下から風が当たる位置に除湿機を設置しましょう。洗濯物は上から乾き、水分は重力によって下に落ちていきます。下方向から除湿機の風を当てると、下にたまった水分が飛ばされるため効率的に乾かすことが可能です。
一方で大量の洗濯物を乾かす場合、横方向から除湿機の風が当たるように設置すると、洗濯物全体に風が行き渡ります。このとき、送風モードを上下左右に風が送られる「ワイド」に設定するとより効果的です。また、長さがあるものを両端に配置し、短いものを真ん中に配置する「アーチ干し」がおすすめです。
洗濯物の間隔を空ける
洗濯物を効率的に乾かすには、干し方にも留意する必要があります。洗濯物同士が密着していると風が行き渡らないため、こぶし一つ程度の隙間を空けましょう。一定の隙間が空くことで空気が行き来しやすくなり、洗濯物の乾燥スピードが上がります。
洗濯物を部屋干しする際は、除湿機だけでなくサーキュレーターの活用もおすすめです。以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
目的に応じた除湿機の効果的な使い方・置き方
洗濯物を部屋干しする際に限らず、除湿機はさまざまなシーンで役立ちます。除湿機を使う際は、目的に合わせて使い方を工夫することが大切です。ここでは、目的に応じた除湿機の効果的な使い方や置き方を解説します。
部屋全体を均一に除湿したいとき
寝室やリビングなどに除湿機を設置して部屋全体を均一に除湿したい場合は、中央に置くと効率的です。
除湿機は表側と裏側に「通気口」と「排気口」が設けられていますが、これらを塞ぐと除湿効果が下がるため注意しましょう。出入口を塞がないように部屋の中央に設置することで、部屋全体の除湿スピードを上げられます。
中央に設置できない場合は、壁や窓に密着させないように距離を取って設置するとよいでしょう。
浴室を除湿したいとき
湿気がこもりやすい浴室の湿度を抑えるには、脱衣所に除湿機を設置しましょう。
浴室や脱衣所に窓がある場合は、閉めてから除湿機を稼働させる点がポイントです。密室状態にした上で、浴室と脱衣所全体に除湿機の風が行き渡るようにします。また、浴槽に水がたまっていると除湿効率が下がるため、水を抜いておく必要があります。
なお、浴室に直接除湿機を置くと、水に濡れて故障や感電の恐れがあるため注意しましょう。
クローゼットや靴箱を除湿したいとき
クローゼットや押入れ、靴箱に湿気がこもり、臭いやカビが気になる場合も除湿機が活躍します。こうした場合は扉を開けた状態で除湿機を近くに設置し、中の空気を外に逃がしましょう。収納しているアイテムが多いと風が通りにくいため、移動させてから除湿機を使った方が効果的です。
なお、空気の出入口が塞がれると除湿効果が下がるほか除湿機内の循環が悪くなり、火災の原因にもなりかねません。そのため、狭い空間に除湿機本体を入れ込むのは避けましょう。
カビや臭いを防止したいとき
結露やカビ、嫌な臭いは湿度が原因で起こるケースがほとんどです。例えば、黒カビは湿度が70%以上の環境で発生しやすいといわれています。こうした悩みを解決するには、除湿機を連続的に稼働させて、湿度が60%を下回るように調整することが大切です。
また、嫌な臭いを除去する際は、窓や扉を閉めて密室状態にした上で一部屋ずつ除湿しましょう。外部の空気を遮断してから除湿機を稼働させると、より効果的に臭いを除去することが可能です。また、サーキュレーターを併用すると除湿された空気が部屋全体に循環するため、脱臭効率が高まります。
除湿機とサーキュレーターの併用を検討中の人は、以下の記事も参考にしてみてください。
種類別で見る除湿機の仕組みや特徴
除湿機は、主に「コンプレッサー方式」「デシカント方式」「ハイブリッド方式」の3種類があります。種類によって仕組みや特徴が異なるため、事前に把握した上で使い分けることが大切です。続いては、除湿機の種類別に仕組みやメリット、デメリットを解説します。
コンプレッサー方式
コンプレッサー方式の除湿機は、空気を冷やした際に発生する水分を除去する仕組みです。空気は温度によって含有される水蒸気量(水蒸気圧)が異なります。温度が低くなるほど空気に含まれる水蒸気量が減るのが特徴です。
コンプレッサー方式ではこうした特徴を活用しており、除湿機内に取り込んだ空気を冷却することで水滴に変えて空間を除湿します。比較的除湿能力が高く、特に室温が上がっている場合に役立つ種類の除湿機といえるでしょう。また、消費電力が少ないため電気代が気になる人にもおすすめです。
ただし、コンプレッサーが搭載されているため重量があり、機種によっては稼働音が大きくなりやすい点に留意する必要があります。
デシカント方式
デシカント方式は「ゼオライト式」ともいわれ、内部に乾燥剤が搭載されたタイプです。コンプレッサー方式のように空気を冷やすのではなく、乾燥剤に湿気を吸い取らせて除湿します。さらに、吸い込んだ空気をヒーターで暖めて乾燥させてから放出するため、気温が上がらない冬に活用しやすいでしょう。
デシカント方式のメリットは、コンプレッサー方式と比べてサイズが小さく、稼働音も気にならない点です。また、持ち運びやすいため、浴室やクローゼットなどの湿度対策にも役立ちます。
ただし、室温を上げたくない場合には使いづらく、ヒーターの使用により電気代がかかる点がデメリットといえるでしょう。
ハイブリッド方式
除湿機には、コンプレッサー方式とデシカント方式の機能を組み合わせたハイブリッド方式もあります。室温に関係なく活用しやすく、電気代も比較的リーズナブルな点がハイブリッド方式のメリットです。
ただし、2種類の除湿方法を兼ね揃えているため本体のサイズが大きく、狭いスペースでの使用には適していません。また、本体価格が高額になりやすい点もデメリットといえるでしょう。
除湿機の電気代については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、除湿機の活用メリットやおすすめの人については以下の記事で解説しています。
除湿機でよくあるトラブルと解決方法
除湿機を使っている最中にトラブルが発生するケースもあるでしょう。トラブルの種類や解決方法を把握しておくと、いざというときに役立ちます。ここでは、除湿機でよくあるトラブルと解決方法について解説します。
タンクに水がたまらない
これまで問題なく除湿していたのにも関わらず、タンクに水がたまらないと故障したのではないかと戸惑う人も多いでしょう。しかし、タンクに水がたまらない場合でも故障ではありません。
多くの場合、室温や湿度が低いと除湿量が少なくなる傾向にあります。特に自動除湿運転では室温や湿度が低い場合は送風モードに切り替わり、除湿しません。
また、フィルターの目詰まりが影響している可能性もあります。フィルターが汚れると十分に空気を吸い込めません。除湿量を下げないためにも、定期的にフィルターの掃除をするように心がけましょう。
除湿機が勝手に止まる
除湿機によっては自動運転機能が搭載されているタイプがあり、事前に設定した湿度を下回ると運転が止まります。そのため、除湿機が勝手に止まった場合は設定状況を確認するとよいでしょう。
また、タンクが満水になった場合やタイマー設定されている場合も自動的に止まります。設定やタンクの水量に問題がなければ、メーカーに問い合わせることをおすすめします。
除湿機の臭いが気になる
除湿機の臭いが気になるときは、タンクやフィルターにカビが発生している可能性があります。タンク内にぬめりがある場合は中性洗剤とスポンジを使って水洗いしましょう。製品によってはフィルターの水洗いが可能なタイプもあるため、定期的に掃除して2年に1回程度の頻度で交換することをおすすめします。
また、除湿機内を常に清潔に保つには内部乾燥機能が効果的です。内部乾燥機能を使うと1時間程度で除湿機内が乾燥されるため、カビの発生を抑えられ臭いも解消できます。
除湿機からの嫌な臭いについては以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
まとめ
除湿機は、湿度が気になるときや部屋干しした洗濯物を早く乾かす際に役立つ便利な家電です。目的に合わせて使い方を工夫することで効果的に除湿できます。また、除湿機の種類によってメリット・デメリットが異なるため、購入する際は特徴を把握した上で製品を選ぶことが大切です。
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