空気中の湿気を除去できる除湿機は、カビ対策や衣類乾燥に使える家電として人気です。健康意識の高まりなどを受けて除湿機の需要が増している中で、具体的な選び方を詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回は、除湿機の概要を紹介したうえで、除湿機の選び方を4つの項目に分けて詳しく解説します。さらに、メーカー別の除湿機の特徴も紹介するので、ぜひ今後の購入にお役立てください。
なお、〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、各メーカーの除湿機をリーズナブルな価格で販売しています。除湿機の新規購入や買い替えを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
除湿機とは
除湿機は、湿度を調整できる空調家電です。室内の空気から湿気を取り除き、本体内の排水タンクに水として溜めて、乾いた空気を排出します。
除湿機を使うことで、主に以下のような効果が見込まれます。
- 部屋の湿度を下げる
- カビの発生を抑制する
- 梅雨・夏の湿気が高い時期を快適に過ごせる
- 冬の結露対策に使える
- 洗濯物の部屋干しに使える
上記のように除湿機の効果は多様であり、近年はさまざまな機能を備えた製品が出ています。選び方のポイントとして、自身のニーズに合わせ、必要な機能を搭載した除湿機を選ぶことが大切です。
除湿機を活用するメリットや、使用をおすすめしたい方の特徴に関しては、こちらの記事もご覧ください。
除湿機の選び方(1)タイプで選ぶ
除湿機の選び方について、ここからは大きく4つの項目に分けて解説していきます。まずは、除湿機をタイプで選ぶ方法を紹介します。
除湿機のタイプは、オーソドックスな除湿機と、衣類乾燥除湿機の2つに大別されるので、以下ではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
除湿機
室内の湿度調整を行なえるシンプルな除湿機です。搭載機能が絞られているため、コンパクトなサイズのモデルも多く、狭いスペースでも使いやすいことが特徴です。
結露が発生しやすい浴室や洗面所といった水回りや、クローゼットやシューズボックスなどのスポット的な除湿にも活用できます。
衣類乾燥除湿機
衣類乾燥除湿機とは、洗濯物を効率的に乾かせる「送風機能」を備えた除湿機のことです。風向きを上下左右に調整できるモデルや、センサー検知により風量・風向きを調整してくれるモデルなどがあります。
いずれも、雨天時の部屋干しなど、洗濯物が乾きにくいシチュエーションで重宝するでしょう。
除湿機の選び方(2)除湿方式の種類で選ぶ
除湿方式の種類は大きく4つに分かれています。以下の項目では種類ごとの特徴を紹介するので、選ぶうえでの参考にしてみてください。
コンプレッサー式
コンプレッサー式は、除湿機内に取り込んだ空気をコンプレッサーと冷媒で冷却し、結露させて湿気を取り除く方式です。気温が高い夏場は効果が大きい一方、室内の温度が下がる冬場は除湿効果が落ちる傾向にあります。
また、ヒーターを使わずに除湿できるため消費電力は低く、サイズ展開が豊富です。ただし、動作音がやや大きいので、寝室の設置には向いていない可能性があります。
デシカント式
デシカント式は、ゼオライトという乾燥剤を利用する除湿方式で、「ゼオライト式」と呼ばれることもあります。ゼオライトが吸湿した湿気をヒーターで加熱し、気化した水分を結露させてタンクに溜めるという仕組みです。
温度の変化で除湿能力が損なわれることがなく、1年を通じて使用できる点でおすすめです。また、コンプレッサーを内蔵していないため、軽量で動作音や振動がない点もメリットです。
ただし、ヒーターを使うので消費電力が多いほか、室温が高くなりやすい点には注意しましょう。
ハイブリッド式
ハイブリッド式は、コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせた除湿方式です。夏はコンプレッサー式、冬はデシカント式による動作が可能なため、季節や気候に左右されず、常に最適なバランスでの除湿を行なえます。
2つの除湿方式を採用していることから、除湿機の本体サイズが大きくなりやすい点がデメリットで、価格もほかの除湿方式のモデルより高い傾向にあります。
ペルチェ式
ペルチェ式は、半導体素子の一種である「ペルチェ素子」を利用した除湿方式です。片方の面で湿った空気を冷却・結露させて除湿し、もう片方の面から放熱によって乾いた空気を送り出す仕組みです。
このタイプはコンパクトなサイズのものが多く、狭いスペースの除湿に適しています。ただし、前述のコンプレッサー式やデシカント式に比べると、除湿能力が落ちる点は留意しておきましょう。
除湿機の選び方(3)必要条件に合わせて選ぶ
除湿機の選び方として、自身が必要とする条件に合わせて選ぶ方法もあります。以下では、除湿機に対して求められる一般的な条件を紹介します。
除湿能力
除湿能力が高いほど、広い部屋でも除湿機の高い効果が期待できます。除湿能力は、1日あたりに除湿できる量を表す「定格除湿能力」や、機器が備えている最大の除湿能力を表す「最大除湿能力」で確認できます。
定格除湿能力に応じた適用畳数の目安は、以下の通りです。
定格除湿能力 (1日あたりの除湿量) | 適用畳数の目安 | |
木造住宅 | 鉄筋住宅 | |
4.5~6.3L | 6~8畳未満 | 13~16畳未満 |
6.3~8.0L | 8~10畳未満 | 16~20畳未満 |
8.0~11.0L | 10~14畳未満 | 20~28畳未満 |
11.0~18.0L | 14~23畳未満 | 28~45畳未満 |
上表から、機密性に優れている鉄筋住宅では、同じ除湿能力で木造住宅の2倍ほどの広さを除湿できることが分かります。多くの除湿機は、適用畳数に関する仕様を記載しているので、なるべくチェックしておきましょう。
なお、適用畳数より狭いスペースで使う分には問題ありませんが、適用畳数より広いスペースで使うと十分な除湿効果を得られないおそれがあります。
メンテナンス性
除湿機を長く使うには定期的な手入れが不可欠です。そのため、「エアフィルターが取り外しやすいか」「タンクが洗いやすいか」といったメンテナンス性も、確認しておきたいポイントと言えます。
例えば、エアフィルターの場合、埃が溜まると除湿能力が低下するので、2週間に1回ほどの頻度で、掃除機などを使って埃を取り除くのがおすすめです。
また、タンクを手入れする際は、溜まった水をこまめに捨てるほか、1週間に1回ほどの頻度で内部を洗いましょう。掃除することで、黒ずみやカビの発生を抑えられます。なお、タンクの仕様によっては、40度以上のお湯を使うとタンクの変形や水漏れを招く可能性があるので注意が必要です。
消費電力
電気代は高騰しているため、消費電力についてもチェックしておくのがおすすめです。除湿機のモデルによっては通常モードのほか、消費電力を抑えられる「エコモード」を搭載しているモデルもあります。
一般的に、ヒーターを利用するデシカント式の除湿機は消費電力が高めで、コンプレッサー式は消費電力が低めです。衣類乾燥の用途で使う場合は、衣類の容量目安や乾燥時間も考慮して除湿機を選ぶことで、節電効果を高められるでしょう。
除湿機の電気代の目安や節約方法を知りたい方は、ぜひ以下の記事もご参照ください。
タンク容量
タンク容量が大きいと多くの水を溜められるため、水を捨てる回数を減らせます。湿度の高いときや洗濯物を多く乾かすときも、長時間にわたる連続運転が可能です。
ただし、容量が大きくなるほど本体サイズも大きくなり、持ち運ぶときに重くなる点は要注意です。タンク容量の目安は、1~2人世帯で3L程度、ファミリー世帯で4L以上とされています。
静音性
寝室などで除湿機を使う場合は、静音性の高さをチェックしておくことが大切です。
音の大きさを表現する指標は「騒音値」と呼ばれるもので、単位「dB(デシベル)」が表す値が大きいほど、音は大きく聞こえます。寝室で除湿機を使用する場合、35dB以下の製品であれば、音は小さく気にならないでしょう。
また、除湿機のモデルによっては、「静音モード」や「ナイトモード」が搭載されているものもあるため、選ぶ際に確認しておくのがおすすめです。
移動のしやすさ
除湿機は、脱衣所で使ったり、窓の近くで使ったりと、目的に応じて移動させるケースも少なくありません。簡単に移動できるように、ハンドルやキャスターが付いているかという点もチェックしておきましょう。
とくに、ハイブリッド式の除湿機には15kg超のモデルもあるので、使う際のストレスを減らすためにも事前の確認が重要です。
除湿機の選び方(4)搭載機能で選ぶ
除湿機を搭載機能で選ぶ方法もあります。モデルによって搭載されている機能は異なるので、以下では選び方の参考となる主要な機能を紹介します。
清潔・衛生機能
除湿機の清潔・衛生に関わる機能としては、以下のような機能が挙げられます。
機能 | 特徴 |
除菌 | 空気中のウイルス・カビ菌などを除去できる機能 |
消臭 | におい物質に作用して、におわない状態に変える機能 |
空気清浄 | 空気中の花粉や埃、ハウスダストなどを除去できる機能 |
内部乾燥 | 除湿機の内部を乾燥させる機能で、においの原因となるカビや細菌の繁殖を抑制できる |
カビブロック | カビの繁殖抑制や、カビの除去などに関する機能 |
上表の通り、除菌や空気清浄など、快適な室内空間を保つために活用できるさまざまな機能があります。用途に合わせて搭載機能をチェックすることで、自身に合った除湿機を選べるでしょう。
衣類乾燥機能
一口に衣類乾燥機能といっても、部屋干しの衣類を乾燥させる通常の機能のほか、クローゼットやシューズボックスといった狭い空間でも使えるスポット乾燥機能もあります。
衣類乾燥除湿機の選び方のポイントとして、スポット乾燥機能の搭載モデルを購入する際は、持ち運ぶことを想定し、なるべく軽量なものを選ぶとよいでしょう。
切り忘れ防止機能
一人暮らしで除湿機を使う際は、電源の切り忘れ防止機能があるモデルがおすすめです。この機能を搭載しているモデルであれば、電源を切れ忘れて外出しても、無駄な電気代を抑えられます。
24間経過すると自動的に電源が切れるモデルなどもあるため、しばらく自宅を留守にするときでも安心です。
自動停止機能
自動停止機能が搭載されていれば、タンクが満水になったときや、タンクがきちんと装着されていないときには電源がオフになり、除湿が停止されます。そのため、タンクの水捨てを忘れたまま動かしてしまい、水漏れが起こるというトラブルを防げるでしょう。
とくに、クローゼットなど目の届きにくい場所で除湿機を使う際は、自動停止機能があると重宝します。
連続排水機能
連続排水機能とは、除湿機にホースをつなぐことで、タンクの水を捨てる手間をかけずに連続して使える機能です。この機能を活用すれば、浴室のカビ対策のほか、長期間の不在時も除湿機を使えます。
排水動作をスムーズに行なうポイントは、除湿機の連続排水穴よりも低い位置で排水することです。あわせて、ホースの詰まりや折れ曲がりなどがないかも確認しておくとよいでしょう。
モード機能
除湿機のモデルによっては、以下のようなモードが搭載されています。
モード | 特徴 |
梅雨モード | 衣類乾燥を終えた後も稼働し、室内の湿度上昇を抑えるモード |
夜干しモード | 睡眠の妨げにならないように、運転音を抑えるモード |
冬モード | 室内が乾燥しすぎないように、適切な湿度をキープできるモード |
上表のように、除湿機を使う季節や時間帯に合わせて使える便利なモードもあるため、必要に応じてモード機能が搭載されている除湿機を選びましょう。
その他の機能
除湿機によっては、以下のような機能を備えているモデルもあります。
機能 | 特徴 |
送風 | 風を送り出して、衣類の乾燥を促す機能 |
冷風 | 前面から冷えた空気を送り出す機能で、熱を排気するダクトを取り付けて運転することが一般的 |
チャイルドロック | 子どもが誤って操作しないように、ボタンなどをロックできる機能 |
エアコンの補助として冷風機能付きのモデルを選んだり、子どもがいても安全に使えるようにチャイルドロック機能付きのモデルを選んだりと、自身のニーズに合わせた選び方が可能です。
除湿機のおすすめメーカー5選
ここからは、おすすめのメーカー別に除湿機の特徴を解説します。実際に除湿機を選ぶうえで、ぜひ参考にしてみてください。
1.<IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ>
アイリスオーヤマの除湿機は、優れた性能を持ちながら、比較的リーズナブルな価格帯であることが特徴です。近年は、サーキュレーター付きのモデルなどが提供されているので、部屋干しの効率アップにも役立てられるでしょう。
2.<Panasonic パナソニック>
パナソニックの除湿機は、主にハイブリッド方式とデシカント方式を提供しています。同メーカーの独自技術であるイオン機能「ナノイーX」を搭載したモデルを選んだ場合、空気中の菌・ウイルスやカビ、花粉の抑制、脱臭などの効果があるとされています。
3.<SHARP シャープ>
シャープの除湿機は、独自技術の「プラズマクラスター」を搭載したモデルが多いことが特徴です。プラズマクラスターにより、浮遊しているカビ菌やにおいの原因菌の除菌といった効果が期待できるため、除湿機を選ぶ基準にしてもよいでしょう。
4.<HITACHI 日立>
日立の除湿機は、デシカント方式を採用しています。デシカント方式の除湿機は温度の影響を受けにくいため、冬場でもしっかりとした除湿効果が期待できます。除湿機を衣類乾燥の用途に使う場合は、とくに重宝するでしょう。
5.<CORONA コロナ>
コロナは、新潟県に本社を置く空調・家電機器などを取り扱うメーカーです。同メーカーの除湿機の特徴は、コンプレッサー式の手に取りやすい価格のモデルがあることです。
除湿機の能力を活かす4つのポイント
除湿機の効果は、本体そのものの選び方だけでなく、使い方によっても変わる可能性があります。ここでは、除湿機の能力を活かすポイントを4つ紹介します。
吸排気口を塞がない
除湿機の吸気口と排気口を、なるべく塞がないようにしましょう。部屋全体を除湿する際は中央に置くか、壁や窓からある程度距離を空けて置くのがおすすめです。
また、除湿機内の温度が上がりすぎると、故障の原因になる可能性もあるので注意が必要です。基本的に湿った空気は下のほうに溜まるので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させることで、除湿機の効果をアップさせられます。
窓・ドアを閉める
部屋の窓・ドアを閉めてから除湿機を稼働させることで、除湿の効率がアップします。窓やドアを開けたままだと、そこから湿った空気が入ってくるからです。
ちなみに、梅雨時に窓を開けっぱなしにすると、壁紙や布地ににおいが吸収されやすくなるほか、カビや雑菌が繁殖してにおいの原因にもなるので注意しましょう。
室温を上げる
室温を上げると湿度は下がりやすくなるため、効率的に洗濯物を乾かせます。一般に、室温が約5度上がると、除湿機の除湿能力は1Lほどアップするとされています。
エアコンを併用して室温を上げる際は、除湿機とエアコンの風がぶつかることなく、うまく循環するように調整しましょう。除湿機とエアコンを併用する方法に関しては、こちらの記事もご覧ください。
衣類乾燥時の向きに注意する
衣類乾燥で除湿機を使う場合、洗濯物の量に応じて向きを変えることがポイントです。洗濯物の量が少ない場合は、真下から風があたるように設置しましょう。
一方、洗濯物の量が多い場合は、横から風があたるように設置してください。また、洗濯物の間隔を適度に空けておくと乾きやすくなります。
まとめ
除湿機を選ぶ際は、タイプや除湿方式の種類などを踏まえたうえで、自身の用途に見合ったモデルを選ぶことが大切です。また、除湿能力や消費電力といった必要条件も考慮して選ぶことで、より自身の希望に沿った製品を購入しやすくなります。
全国800店舗以上を展開するリユースショップ〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、各種メーカーの除湿機をラインナップしています。商品の状態をしっかりとチェックできるうえ、新品よりもリーズナブルな価格で除湿機を購入できることが魅力です。
自身のニーズに適した除湿機を選びたいという方は、ぜひセカンドストリートの公式サイトや最寄りの店舗をチェックしてみてはいかがでしょうか。