洗濯機の中にゴミが浮いたり、黒いカビのようなものが付着したりすることがあります。衣服をきれいにするための電化製品でありながら、洗濯機自体に汚れがあると気になるものです。洗濯機が汚れないようにするには、定期的に掃除をする必要があります。
この記事では、洗濯機の洗い方について洗剤やパーツ別に解説します。また、洗濯機が汚れる原因や洗う際の注意点についても触れるので、洗濯機の洗い方が分からない人はぜひご一読ください。
洗剤別で見る洗濯槽の洗い方
洗濯槽を洗う場合、塩素系クリーナー・酸素系クリーナー・重曹などの洗剤を使うケースが多いでしょう。それぞれの特徴は以下の通りです。
塩素系クリーナー | 酸素系クリーナー | 重曹 | |
メリット | ・短時間で洗える ・殺菌力が高い | ・臭いが気にならない ・衣類へのダメージが少ない | ・自然素材で安心して使える ・消臭効果が高い |
デメリット | ・臭いがきつい ・ほかの洗剤と混ざると有毒ガスが発生する | ・手間がかかる ・使えない機種がある | ・殺菌力が弱い ・使えない機種がある |
掃除頻度 | 月に1回 | 月に1回 | 月に1回 |
縦型の可否 | 〇 | 〇 | 〇 |
ドラムの可否 | 〇 | △(機種による) | △(機種による) |
ここでは、上記3種類の洗剤を使用した場合の洗濯機の洗い方を詳しく解説します。
塩素系クリーナーを使った洗い方
塩素系クリーナーを使った場合の洗濯機の基本的な洗い方は以下の通りです。
- 洗濯槽に塩素系クリーナーを入れる
- 洗濯槽に水を溜める
- 洗濯機を通常通り回す
- 洗濯機の蓋を開けて乾燥させる
塩素系クリーナーは殺菌力が強く、洗濯機メーカーの多くが推奨する洗剤です。刺激臭がありますが短時間で簡単に洗濯槽を洗浄できるため、時間がない場合でも重宝します。また、汚れやカビは塩素によって分解されるため、清掃中に浮いたゴミを取る必要がありません。
塩素系クリーナーで洗浄する際は、洗濯槽に入れてから「通常コース」や「標準コース」などで洗います。脱水まで完了したら、洗濯槽の蓋を開けて乾燥させましょう。
酸素系クリーナーを使った洗い方
酸素系クリーナーを使った場合の洗濯機の基本的な洗い方は以下の通りです。
- ゴミ取りネットを洗濯機から外す
- 洗濯槽に40~50度のお湯を溜める
- 酸素系クリーナーを洗濯槽に入れる
- 洗濯機を10分程度回す
- 排水をする前に4~6時間放置する
- 再度洗濯機を5分程度回す
- 浮上してきたゴミをすくう
- すすぎ洗いをして脱水する
- 洗濯機の蓋を開けて乾燥させる
酸素系クリーナーは、塩素系クリーナーよりも手間がかかります。まず、ゴミ取りネットは清掃の邪魔になるため必ず外しましょう。そのまま洗うとゴミが大量に溜まったり、ゴミ取りネット内に残っていたゴミが浮いてきたりします。
続いて、洗濯槽に40~50度のお湯を溜めて酸素系クリーナーを投入しましょう。冷水でもよいですが、お湯を使うと汚れが落ちやすくなります。その後、洗濯槽を10分程度回してから4~6時間放置しなければなりません。この間にクリーナー成分の働きにより、ゴミや汚れが浮上します。
ゴミが浮いてきたら再度5分程度洗濯機を回し、浮上してきたゴミを網ですくいましょう。この作業はゴミがなくなるまで繰り返す必要があります。最後にすすぎ洗いをして脱水をした後、洗濯機の蓋を開けて乾燥させたら完了です。
酸素系クリーナーはよく泡立つため、根強くこびりついた汚れを落とす際に役立ちます。また、鼻につく臭いがないため、塩素系の臭いが苦手という人にもおすすめです。ただし、ドラム式洗濯機は機種によって使用不可としているケースがあるため注意しましょう。
重曹を使った洗い方
重曹を使った洗濯機の基本的な洗い方は酸素系クリーナーを使う場合と同様です。ただし、放置する時間を長めに取ったほうがよいでしょう。
- ゴミ取りネットを洗濯機から外す
- 洗濯槽に40~50度のお湯を溜める
- 酸素系クリーナーを洗濯槽に入れる
- 洗濯機を10分程度回す
- 排水をする前に5~10時間放置する
- 再度洗濯機を5分程度回す
- 浮上してきたゴミをすくう
- すすぎ洗いをして脱水する
- 洗濯機の蓋を開けて乾燥させる
重曹には汚れを分解して洗浄する作用があります。塩素系や酸素系クリーナーと比べて洗浄力は劣りますが、安全性が高いため、小さい子どもがいる家庭におすすめです。また、消臭効果が高い点も特徴です。ただし、ドラム式洗濯機は機種によって使用不可としているケースがあるため、事前に確認するようにしましょう。
洗濯機のパーツ別の洗い方・掃除方法
洗濯機は各パーツによって洗い方が異なります。パーツ別の掃除頻度は以下の表の通りです。
パーツ名 | おすすめの掃除頻度 |
---|---|
洗剤投入口 | 1~2ヶ月に1回 |
乾燥フィルター | 乾燥機を稼働した都度 |
糸くずフィルター | 週に1回 |
洗濯パン | 半年に1回 |
続いては、パーツ別に洗い方や掃除方法をご紹介します。
洗剤投入口
洗剤投入口には、溶けきれなかった洗剤や汚れがこびりついていることが多いです。そのまま放置すれば洗剤と一緒にゴミが入り、洗濯槽が汚れる原因になります。
こびりついた汚れはぬるま湯を使ってふやかしてから、スポンジや歯ブラシなどを使ってこすり洗いをしましょう。きれいに汚れが落ちたら、ぬるま湯で湿らせたキッチンペーパーや布で拭き取ります。
乾燥フィルター
乾燥フィルターは、乾燥機つきのドラム式洗濯機に備わっている部品です。乾燥フィルターにゴミが溜まっていると乾燥時間に影響するため、使用する度に掃除することをおすすめします。
乾燥フィルターに付着する汚れの多くは綿ゴミのため、指でこすると簡単に落ちやすいです。どうしても取れない汚れがある場合、無理にこするとフィルターが破れる恐れがあります。そのため、ぬるま湯に浸けてから優しく洗うことが大切です。掃除をした後は、よく乾かしてから元の位置にセットしましょう。
糸くずフィルター
糸くずフィルターとは縦型洗濯機に備わっている部品です。週に1回程度掃除することをおすすめします。
掃除をする際は、洗濯機から取り外してから中に入っているゴミを捨てましょう。続いて、ぬるま湯に浸けて汚れを柔らかくし、歯ブラシでこすって落とします。
洗濯パン
洗濯パンとは洗濯機の下にしく保護板です。排水の中に入っていた汚れや空気中のホコリが溜まりやすい場所であり、定期的に掃除をする必要があります。
洗濯機と洗濯パンの間は狭いため、針金ハンガーにストッキングを巻いた道具を作って掃除をするのがおすすめです。
まずは、掃除機が届く範囲の汚れを吸い取りましょう。続いて、洗濯機の下に作っておいた道具を差し込みホコリや髪の毛を取ります。ストッキングの静電気が働き、きれいに取ることが可能です。
また、排水口の周りはヌメりがあるため、濡らした雑巾を使って拭き取りましょう。
洗濯機が汚れる主な原因と汚れを放置した場合の影響
洗濯機を効率的に洗うには、汚れが発生する原因を知ることが大切です。また、放置した場合の影響を把握しておくと、普段から掃除をするモチベーションが上がるでしょう。ここでは、洗濯機が汚れる主な原因や汚れを放置した場合の影響をご紹介します。
洗濯機が汚れる主な原因
洗濯機が汚れる主な原因は以下の通りです。
- 洗剤の残りカス
- 皮脂や皮膚のタンパク質汚れ
- 残り湯のアカや菌
洗濯機の汚れの正体は黒カビがほとんどです。黒カビの発生には理由があり、その多くが洗剤の残りカスや、衣類から落ちた皮脂・皮膚のタンパク質汚れといわれています。また、お風呂の残り湯を洗濯に使った場合、湯の中に含まれているアカや菌によって黒カビが発生する恐れもあるでしょう。
洗濯槽の中は湿気が多い点も黒カビが発生する要因となります。理由としては、高温多湿の場所は雑菌が増殖しやすいためです。
こうした汚れは黒カビの餌になり、放置すればますます汚れが広がりかねません。きれいな洗濯槽に保つには、定期的な掃除が不可欠です。
汚れを放置した場合の影響
洗濯機の汚れを放置すれば、カビの繁殖が広がって悪臭の原因となります。また、こびりついた洗剤の残りカスやカビは、時間が経つと落ちにくくなるため注意が必要です。洗濯をしたばかりなのに汚れが付着していた場合は、カビが広がっている恐れがあるでしょう。
汚れだけでなく、洗濯物や洗濯槽から嫌な臭いがする点もデメリットの一つです。さらに、カビや細菌類を吸い込むと健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。快適に洗濯することはもちろん、健康面も踏まえて洗濯機の掃除は非常に重要です。
洗濯機の臭いの原因や解消方法については以下の記事で詳しく解説しています。
洗濯機の排水口も臭いが発生しやすい場所です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
洗濯機を自分でクリーニングする際の注意点
自分で洗濯機をクリーニングする場合は、以下に挙げる3つのポイントに注意しましょう。それぞれの注意点について解説します。
適切な洗剤を選ぶ
洗濯機を掃除する際に使う洗剤には、塩素系や酸素系など複数の種類があります。洗剤によって特徴が異なるため、目的に見合った最適な洗剤を選ぶことが大切です。
例えば、殺菌力や漂白力を求めるなら塩素系クリーナーが適しています。こびりついた汚れを浮かせて取りたい場合は、泡立ちのよい酸素系クリーナーを選ぶとよいでしょう。
ただし、洗浄力が高いクリーナーは洗濯機内のパーツを傷める恐れがあるため注意が必要です。説明書をよく読んで、正しい洗剤を選ぶように留意しましょう。
種類が異なる洗剤を混ぜ合わせない
洗剤によってはパッケージに「混ぜるな危険」と注意書きが記載されているものがあります。洗濯槽の汚れが根強い場合、複数の洗剤を混ぜればよく落ちるのではと考える人もいますが、大変危険です。
種類が異なる洗剤を混ぜ合わせると有毒ガスが発生する恐れがあるため絶対にやめましょう。洗濯機を自分でクリーニングする場合は必ず注意書きを読み、用法を守って使用することが大切です。
掃除後は洗濯機の蓋を開けて中を乾燥させる
洗濯機の汚れの原因となる黒カビは湿気が多いところを好みます。洗濯槽内は多湿になりやすい場所であり、洗濯後はよく乾燥させることが大切です。
洗濯が終了したら蓋を開けて乾燥させましょう。また、洗濯機が置いてあるスペースのドアや窓を少し開けておくと通気がよくなり、湿気を抑えられます。
洗濯機の汚れが落ちない場合の対処法
洗濯機を定期的に掃除しても汚れが落ちないケースがあります。こうした場合は、以下に挙げる2つの方法を試してみてください。
業者に洗濯機クリーニングを依頼する
なかなか落ちない汚れがある場合は、洗濯機のクリーニングを専門に行う業者に依頼するとよいでしょう。
専門家であれば自分では対処できない分解洗浄もできるため、外からは見えない部分まできれいになります。分解洗浄にかかるコストは13,000~35,000円程度です。なお、ドラム式洗濯機は割高になるため注意しましょう。業者によってはドラム式洗濯機の洗浄に対応していないケースもあります。
コストを抑えてクリーニングを依頼したい人は、特殊洗浄をしてくれる業者がおすすめです。また、特殊洗浄であればドラム式洗濯機にも対応しているケースが多いでしょう。
新しい洗濯機に買い替える
2023年に内閣府が発表した「消費動向調査」によると、洗濯機の平均使用年数は約10年という結果でした。また、補修用性能部品の保存期間は6年であり、部品がなくなれば修理も不可能です。また、保証期間中は安く修理をしてもらえますが、期間が過ぎれば修理費が高くなります。
洗濯機の寿命や修理にかかる費用を踏まえると、なかなか汚れが落ちない場合は買い替えを検討したほうが賢明でしょう。
※参考:内閣府|消費動向調査 令和5年3月実施調査結果
※参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会|別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間
洗濯機を買い替えるタイミングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
洗濯機を捨てる場合は家電リサイクル法を遵守しなければなりません。以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
洗濯機を買い替えるにあたって、ドラム式と縦型のどちらにするべきか悩む人も多いでしょう。それぞれのメリット・デメリットについては以下の記事をご覧ください。
まとめ
洗濯機自体の掃除は意外と見落としがちです。気になっているけれど洗い方が分からないという人も多いでしょう。洗濯機の汚れは洗濯物に付着しやすいため、定期的に洗って清潔に保つことが大切です。
洗濯機の洗い方は使う洗剤や洗うパーツによって異なります。目的や状況に合わせた方法で洗うように留意しましょう。どうしても洗濯機の汚れが取れないという場合は、買い替えを検討することをおすすめします。
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