急な引越しで業者が見つからないときや、費用を抑えたい場合に荷物を自分で運ぶのも方法の1つです。
とはいえ、家電のなかでも特に重量のある冷蔵庫を自分で運べるかどうか、不安に思う人も多いでしょう。
今回は、冷蔵庫の正しい運び方や自分で運ぶ際の注意点、さらに運搬中に万が一壊れたときの対処法についても紹介します。実は安全に冷蔵庫を運ぶには、いくつかのコツがあります。冷蔵庫を自分で運びたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
冷蔵庫の正しい運び方
冷蔵庫を安全に運ぶためには、事前準備が必要です。ここでは、運搬前に必ず行いたい2つのポイントについて解説します。
冷蔵庫を運ぶ15~16時間前に電源を切る
冷蔵庫は、水漏れを防ぐためにも運搬する「15~16時間前」までに電源を切っておきましょう。また、冷蔵庫の電源を切る前に冷蔵庫内のものを全て取り出しておくことも大切です。
冷蔵庫の電源を切ると内部の冷却器が止まり、周囲についた霜が溶けて水が漏れ出すことがあります。水濡れを防ぐため、冷蔵庫を運ぶ前に霜取りや水抜きをしておくと安心です。ただし、最新の冷蔵庫は自動で霜取りや水抜きする機能が搭載されているものも多く、その場合は蒸発皿に溜まった水分を捨てるだけで済むこともあります。
霜が全て溶けるのには時間がかかるため、運搬する前日には冷蔵庫内を空にして電源を切っておくとスムーズに作業が進むでしょう。運搬当日に、霜取りや水抜き、掃除を行うことで効率よく作業できます。
以下の記事では、冷蔵庫の電源を切る際に注意したいポイントなどを解説しています。気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
「冷蔵庫 電源切る」(制作中)
冷蔵庫は、食材を腐らせないように冷蔵しているので、基本的に使用しない日はありません。そのため、なかなか掃除する機会がない人も多いでしょう。
冷蔵庫内を空にしたときは一気にきれいにするチャンスです。取り外せるパーツは全て外し、食器用洗剤を使って洗うときれいにできます。取り外せないパーツや庫内は重曹水をスプレーした布巾を使って拭き取りましょう。40℃前後のお湯に重曹大さじ1杯を入れ、よく混ぜると重曹水が作れます。重曹には消臭効果があるため、汚れだけでなく冷蔵庫内の嫌な臭いもなくせるでしょう。
冷蔵庫を毛布などで包む
冷蔵庫の掃除や水抜きが完了したら、ドアやトレーを固定し、毛布などで冷蔵庫全体を包んで保護しましょう。
運搬中にドアが開いたり、トレーが動いたりすると冷蔵庫が破損する原因になります。布テープなどでしっかりと固定しておくことが大切です。
また、冷蔵庫は重量があるため、誤ってぶつけると冷蔵庫本体だけでなく、住居のドアや壁を破損してしまう可能性があります。特に賃貸住宅の場合、破損状況によっては修復費用を請求されるケースもあるため、注意が必要です。冷蔵庫を運ぶ際は、毛布や梱包用カバーなどで冷蔵庫全体を包み、適切に保護をしてから運びましょう。
冷蔵庫を楽に運ぶコツ
冷蔵庫は大きくて重いうえに、持ち手がないため、そのままで運ぶのが困難です。また、毛布などで包むと滑りやすくなるため、素手で作業するのは危険な場合もあります。冷蔵庫を楽に運ぶには、ロープや台車、滑り止め付き軍手などを活用するとよいでしょう。
以下では、冷蔵庫の楽な運び方として、ロープを使う方法を簡単に紹介します。
- 毛布やカバーの上から冷蔵庫にロープを巻きつける
- ロープは2本用意し、それぞれ縦から一周させる
- (1人で運ぶ場合)それぞれのロープと冷蔵庫の間に腕を通し、リュックのように背負って運ぶ
(2人以上で運ぶ場合)声をかけ合って同時にロープを持ち、冷蔵庫が回転しないように慎重に運ぶ
ロープを使うことで、運びやすくなります。ただし、誤って落としたり、ぶつけたりするリスクがあるため、長い距離をロープで運ぶのは避けたほうがよいでしょう。
運搬に軽トラックを使う場合は、台車を併用するのがおすすめです。
また、冷蔵庫の大きさや重さによっては、ロープを使用しても運搬できない場合もあります。事故につながる可能性もあるため、運搬するのが難しいと感じたら無理はせずに、業者に依頼することを検討しましょう。
冷蔵庫を自分で運ぶ際の注意点
冷蔵庫を自分で運ぶ際は、無理しないことが大切です。運び方によっては故障や大きなケガにつながる可能性があります。ここでは、冷蔵庫を自分で運ぶ際の注意点を5つ解説します。
なるべく一人では運ばない
冷蔵庫は大きいため、一人で運ぶと危険です。特に、階段や段差のあるところでは、ぶつけたり転んだりするなど、大きな事故につながる可能性があります。
そのため、家族や友人、知人などに協力してもらい、なるべく2人以上で運ぶようにしましょう。
軽トラで運ぶ際は冷蔵庫の高さに注意する
冷蔵庫内部にある冷却システムに影響を与えないようにするため、冷蔵庫は立てた状態で運ぶ必要があります。
特に、軽トラックを利用する際は、冷蔵庫の高さをあらかじめ確認しておきましょう。軽トラックは、高さに制限があり2.5mを超えることはできません。荷台の高さを考慮すると、積載可能な冷蔵庫の高さは最大1.8mです。これを超える大型の冷蔵庫の場合は、トラックを手配するか、業者に依頼する必要があるでしょう。
一方で、小型冷蔵庫であれば軽自動車でも運べます。運搬前に水抜きをしっかり行い、エアキャップなどで梱包してください。
階段を使うときは特に注意する
階段を使い冷蔵庫を運ぶ際は、十分に注意が必要です。事故を防ぐため、小型冷蔵庫であれば2人、大型冷蔵庫の場合は3人で運搬するのが望ましいといえます。
階段での運び方は、冷蔵庫の下部を持つ人が重要な役割を果たします。冷蔵庫の下部は重量が集中しているため、下に位置する人の負担が大きくなります。3人で作業する際は2人が下部を支え、もう一人が上部を安定させるようにするのが安全です。無理をせず、途中で休憩しながら慎重に運ぶことが大切です。
冷蔵庫は横向きで運ばない
冷蔵庫は基本的に横向きにせず、常に立てた状態で運ぶようにしましょう。横向きにするとコンプレッサーに入っている潤滑油が配管に流れ込んだり、冷媒ガスが漏れたりして故障することがあります。
車に乗せる際も横積みは避け、縦にして積むことが大切です。移動中の揺れで壊れる可能性があるため、ベルトなどで固定するとよいでしょう。
軽自動車に積む場合や階段を通る場合など、一時的に冷蔵庫を寝かす必要がある場合は衝撃を受けないよう運び方に特に注意してください。横向きにおく時間が最小限になるように工夫し、設置後はしばらく待ってから電源を入れることも故障を防ぐポイントです。
設置後すぐに電源を入れない
冷蔵庫を設置後、すぐに電源を入れると故障につながることがあります。コンプレッサーが落ち着くまで30分~1時間ほど待ってから電源を入れましょう。しかし、設置後すぐに電源を入れられる製品もあります。詳しくは取扱説明書を確認してみてください。
また、冷蔵庫の電源を入れてから冷蔵庫内が冷えるまでに数時間かかります。冷えるまでにかかる時間は季節や外気温によって異なりますが、6時間程度が目安です。引越しなどでクーラーボックスに入れて運んできた食材は、冷蔵庫の電源を入れてから6時間ほど経過し、庫内が十分に冷えたことを確認してから入れるようにしましょう。
運搬中に冷蔵庫が壊れたときの対処法
冷蔵庫を運搬中に、何らかの理由で故障してしまうことも考えられます。冷蔵庫が壊れたときの対処法は、以下の3つです。
- 補償を受ける
- 修理する
- 処分して買い替える
冷蔵庫の状態によって、適切な方法を選びましょう。
補償を受ける
引越し業者に依頼して運搬中の事故で冷蔵庫が壊れた場合、補償を受けられます。引越しに関する保険は主に2種類あります。
1つは、引越し業者が加入する「運送業者貨物賠償責任保険」です。これは、業者が運搬中に発生した事故や損害に対して補償する保険です。業者の責任により冷蔵庫が壊れた場合、この保険を利用して修理や交換の費用がカバーされます。
もう1つは、依頼者が入る「引越荷物運送保険」です。この保険は、依頼者が任意で加入するもので、引越し中の損傷やトラブルに対してより手厚い補償を受けられます。大切な荷物が多い場合や、不安がある場合は、この保険に加入することを検討するとよいでしょう。
補償を受ける際は、冷蔵庫が損傷したことを証明できる証拠を収集し、業者に速やかに報告することが必要です。スマートフォンなどで壊れた場所の写真を撮影すると、自動的に日時が記録されるため、証拠として使えます。
そして、補償範囲や保険金額などは、加入している保険のプランによっても異なるため、事前に保険の約款を確認してみましょう。
修理する
冷蔵庫の設置後、電源を入れてもきちんと作動しないときは、故障している可能性が考えられます。メーカーや専門の業者に修理を依頼しましょう。特に、購入して間もない冷蔵庫かつメーカーや家電量販店などの保証に加入している場合は、無料または低価格で修理してもらえることもあります。
なお、故障しているか判断できないときは、以下のサインを参考にできます。
- 電源を入れても冷気が出ない
- 異音や異臭がする
- 水が漏れる
上記のような症状が見られたら、故障の可能性があります。冷蔵庫のよくある不具合や原因、対処法については以下の記事でも詳しく解説しています。気になる人は参考にしてみてください。
処分して買い替える
冷蔵庫が古い場合は、処分して買い替えることも検討しましょう。製造年式の古い冷蔵庫は、メーカーに部品が残っていないため修理ができなかったり、保証期間外のため修理費用が高額になったりすることがあります。買い替えと修理にかかる費用を比較して選ぶことをおすすめします。
また、家電リサイクル法の対象である冷蔵庫は、自治体に粗大ゴミとして回収してもらえません。買い替えの際に購入店舗に引き取りしてもらうか、不用品回収業者に依頼をして回収してもらうなど、適切な方法で処分しましょう。
冷蔵庫もほかの家電と同じように寿命があります。以下の記事では、冷蔵庫の寿命が近づいているサインについて紹介しています。冷蔵庫を処分して買い替えるか、修理するか迷っている人は参考にしてみてください。
まとめ
引越しや模様替えなどで冷蔵庫を移動させる必要がある場合、運び方によっては自分で運搬することも可能です。ただし、大きくて重い冷蔵庫を安全に運ぶには2人以上で作業する、横向きにしないなど、いくつかのポイントに注意しましょう。
もし、冷蔵庫を自分で運ぶのが難しい場合は、思い切って買い替えるのも方法の1つです。リユース・リサイクルショップの〈2nd STREET セカンドストリート〉では、製造から10年以内の冷蔵庫は買取もできるため、よりお得に買い替えできる可能性もあります。
冷蔵庫を買い替える際は、ぜひセカンドストリートの店舗またはオンラインショップをご利用ください。