一昔前まで、プロジェクターといえばビジネスで使用するケースが一般的でした。しかし、近年では、自宅用の小さめなプロジェクターが多数販売されています。寝室に設置すれば、ホームシアターとして映画や動画を堪能しながらくつろげるでしょう。
しかし、プロジェクターの種類は多いため、どれを選んだらよいかわからないという人もいるはずです。そこで今回は、プロジェクターを寝室で楽しむ際のおすすめメーカーを紹介します。併せて設置のコツも解説するため、プロジェクターの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
寝室にプロジェクターを設置するメリット
プロジェクターには、テレビで動画や映画を見る際に得られないメリットがあります。まずは、寝室にプロジェクターを設置することで、得られるメリットについて紹介します。
寝転びながらリラックスして動画を視聴できる
プロジェクターの多くは、壁に投影する形状になっていますが、天井に投影可能なタイプもあります。天井に映し出せる製品を選べば、寝転びながらリラックスして動画を堪能できるでしょう。タイマー機能が備わった製品もあるため、そのまま眠ってしまっても問題ありません。
また、プロジェクターは子供の寝かしつけにも活躍するアイテムです。製品によっては読み聞かせに役立つタイプもあるので、本を用意しなくても眠りを促せるでしょう。
映画館にいるような迫力のある映像を楽しめる
寝室でプロジェクターを使用する醍醐味は、なんといっても映画館にいるような迫力ある映像を満喫できる点です。大画面で鑑賞する映画は、テレビで見るよりも没入感を体験できます。また、内臓スピーカーが備わったタイプを選べば、映像のリアリティが高まり自宅の寝室にいることを忘れて、非日常感を堪能できるでしょう。
特に、寝室はリビングと比べて落ち着いた空間であることが一般的です。リビングは光を取り込むために多くの窓が設けられているケースが多いですが、寝室は窓の数が少なくプロジェクターを照射しやすい壁を確保しやすいでしょう。カーテンを閉めれば、贅沢なホームシアターが完成します。
以下では、プロジェクターを設置する場所について紹介しています。気になる人は、ぜひ参考にしてください。
寝室用プロジェクターを選ぶ際のポイント
プロジェクターにはさまざまな種類があり、寝室用として使用する場合に適した商品もあります。ここからは、寝室用プロジェクターの選び方のポイントについて見ていきましょう。
投影距離とスクリーンサイズに合ったプロジェクターを選ぶ
プロジェクターは、製品によって投影可能な最大サイズや投影距離が異なります。美しい映像を映し出すには、投影距離とスクリーンサイズに合ったプロジェクターを選ぶことが大切です。
一般的に、サイズの大きなプロジェクターは投影距離が長い傾向があります。そのため、寝室に適したプロジェクターを探している場合は、短焦点タイプの小ぶりなプロジェクターがおすすめです。短焦点タイプであれば、投射する壁から距離が近くても大画面で映像を楽しめます。
また、短焦点タイプであれば影が映り込みにくいので、映画を鑑賞している際に気が散りにくいでしょう。壁の近くで投写できる超短焦点タイプのプロジェクターであれば、壁の前に設置するだけなので、余分なスペースを取りません。
ただし、大きいプロジェクターと比べて、短焦点タイプは歪みが生じる可能性がある点に注意が必要です。
設置場所や用途に合った接続方法を選ぶ
プロジェクターとデバイスを接続する方法は、有線接続と無線接続の2パターンがあります。どちらの方法も、スマホや外部スピーカーなど多様な機器と接続可能です。
有線接続では、HDMIを用いるケースが一般的であり、ケーブルをつなぐだけで簡単に設定できます。有線接続は、通信の安定性が優れている点がメリットです。ただし、プロジェクターを設置できる場所が、ケーブルの届く範囲に限られる点に注意しましょう。
一方で、無線接続では、Wi-FiやBluetoothを活用して接続します。いずれも接続のための設定が必要であり、すぐに使用できない点がデメリットです。また、電波の状況が悪いと、通信が不安定になります。しかし、ケーブルにつながっていないため、場所を問わず設置可能です。特に、天井に映像を映し出したい場合に適しています。
輝度と解像度をチェックする
プロジェクターを選ぶ際は、輝度(ルーメン)を確認することも重要です。ルーメンの単位はlmと表します。
真っ暗な空間でプロジェクターを使うのであれば、それほど輝度を意識する必要はありません。しかし、薄暗い寝室できれいに映像を映し出すには、1,000~2,000lm程度の輝度が求められます。日中もプロジェクターを使用する予定がある場合は、3,000lm以上の輝度があるモデルを選ぶとよいでしょう。
また、解像度も押さえておきたいポイントです。解像度とは、画像の鮮明さを示す値であり、高いものほどきめ細やかな映像が映し出されます。一方で、解像度が低いプロジェクターでは、細かい文字やイラストなどが潰れることがあるため、注意しましょう。美しい画像にこだわる人は、高解像度のプロジェクターがおすすめです。
オーディオ機能をチェックする
映画や音楽は、音がよくなるだけでさらに臨場感が増します。そのため、音響にこだわりたい人は、プロジェクターに搭載されたオーディオ機能も確認しましょう。
内蔵スピーカーは、プロジェクター1台で映像から音響までシンプルな操作で映像を楽しめます。しかし、内蔵スピーカーだけでは音響性能に限界があり、製品によっては求めるクオリティの音が出ない可能性もあるでしょう。
ハイクオリティな音質を求める場合は、外部オーディオ機器と接続できるプロジェクターがおすすめです。たとえば、プロジェクターと外部オーディオ機器を有線でつなぐポートや無線でつなぐBluetooth機能が備わっていれば、よりよい音質を堪能できます。
プロジェクターを寝室に設置する際のポイント
プロジェクターを寝室に設置する際は、実際の使用シーンを考慮したうえで、置き方や投影方法を検討することが大切です。ここでは、プロジェクターを寝室に設置する際のポイントを解説します。
壁に投影するか天井に投影するかを決める
まずは、プロジェクターを設置する前に、投影する場所を決めましょう。
ベッドに座った状態で映像を見る場合や複数人で見る予定がある場合は、壁に投影する方法がおすすめです。超短焦点タイプのプロジェクターを選べば、壁に近い場所に設置できるため、広いスペースがなくても問題ありません。ただし、白い壁がない部屋では「プロジェクタースクリーン」を用意する必要があります。
寝転びながら映像を楽しみたい人は、天井に映し出せるタイプのプロジェクターを選びましょう。天井は、壁と比べて障害物が少ないため、投影しやすい点がメリットです。天井の色が濃い場合は、天井用のプロジェクタースクリーンを使用すると映像が見えやすくなります。
視聴環境に合わせてプロジェクターの置き方を決める
プロジェクターを簡単に設置したい場合は、テーブルや床に置く方法がおすすめです。小型タイプのプロジェクターであれば、邪魔になりにくいので、置きっ放しにしておいても問題ありません。ただし、映像を正しく投影させるには、投影したい場所の正面に設置する必要があります。場所によっては高さを調整しなければならず、机の高さが合わない場合には不向きな置き方です。
プロジェクターを設置できる場所がない部屋では、プロジェクター台や三脚が役立ちます。設置場所の移動も簡単に行えるため、寝室以外に持ち運びたい場合にも便利です。プロジェクターによっては三脚に対応していないタイプがあるので、事前に確認しましょう。
そのほか、天井に設置する方法もあります。天井であれば、設置したままにしておけるので、プロジェクターを使用するたびに用意が不要な点がメリットです。また、低い位置にスペースがない場合も、天井型が活躍します。
ただし、置き型と比べると設置に手間がかかる点がデメリットです。また、天井に吊るす場合は、高い位置から投影できるプロジェクターを用意しなければなりません。
投影方式の特徴を理解して自分の好みに合う方式を選ぶ
プロジェクターの投影方式には、LCD方式やDLP方式など、さまざまな種類があります。
LDC方式は、赤・緑・青の3色の光を液晶パネルに当てて透過した映像を映す投影方式です。スムーズな動きや自然な発色が特徴で、リーズナブルな家庭用のプロジェクターでも美しい映像を楽しめます。
DLP方式は、DLPチップという四角いチップに微細な鏡が敷き詰められており、その鏡に光を反射させて投影する方式です。コントラストが高いため、メリハリのある鮮明な映像が堪能できます。ただし、LCD方式より高めの値段設定になっているケースが一般的です。
また、プロジェクターの光源には、レーザー光源とランプ光源、LED光源などがあります。このうち、レーザー光源は寿命が長くランプを交換する必要がありません。メンテナンス性に優れたプロジェクターを望む場合は、レーザー光源を選ぶとよいでしょう。
併せて、投影するサイズに応じた投写距離を確認することも重要です。
寝室用プロジェクターのおすすめメーカー
プロジェクターは、さまざまなメーカーから販売されています。それぞれに特徴があるため、使用用途や設置場所を考慮したうえで、適したモデルを選ぶようにしましょう。
ここでは、寝室用プロジェクターのおすすめメーカーを5社紹介します。
〈Epson エプソン〉
エプソンでは、業務用に適した高性能なプロジェクターから、寝室でも手軽に使いやすいエントリーモデルまで幅広い製品を取り揃えています。
寝室用プロジェクターとしておすすめのモデルは、「EF-12」です。スクエア型で、スタイリッシュなデザインなのでシンプルなインテリアを好む人に適しています。また、サイズ、重量ともにコンパクトであり、寝室以外に持ち運ぶ際にも便利です。本体に、AndroidTV機能が備わっている点も魅力で、Wi-Fi環境が整った寝室であれば、すぐに動画配信サービスを楽しめます。
そのほか、寝室に適したエプソンのプロジェクターは、4Kの美しい画像を堪能できるモデル「EH-TW6250」です。色再現性が高く自然な色合いを表現できる3LDC方式を採用しており、最大輝度やコントラストも高いため、明るい部屋でも投影できます。
〈Sony ソニー〉
ソニーのプロジェクターは、家庭用とビジネス用ともに豊富なラインナップを展開しています。ソニー独自の最新技術を生かし、高画質な映像を重視しており、上位モデル以外でも美しい画像を堪能できる点が魅力です。
寝室でソニーのプロジェクターを使用するのであれば、小ぶりなサイズが特徴的な「VPL-XW5000」が適しています。映像の美しさをそのままに再現する「デジタルフォーカスオプティマイザー」搭載で、細かい部分まで鮮明な映像を投影することが可能です。手動でズームの設定ができるため、寝室でも設置場所に合わせて気軽に調整できます。
〈BenQ ベンキュー〉
ベンキューは、台湾を拠点とする家電メーカーで、プロジェクターやモニターなどの分野で活躍しています。特に、寝室で映像を楽しむのに適した小型タイプのプロジェクターが豊富です。静音性の高いタイプもあるため、就寝時にも活用しやすいでしょう。
ベンキューのプロジェクターのなかでも、寝室におすすめのモデルが「BenQ X3000i」です。20年にわたり培った色彩のノウハウを生かし、リアルな映像を投影できるため、映像の世界に没入できます。また、「BenQ TK800M」も寝室に適したプロジェクターです。部屋が明るくても鮮明な映像を投影できます。
〈Anker アンカー〉
アンカーは、持ち運びしやすいモバイルプロジェクターに強いメーカーです。コンパクトかつ軽量なモデルが豊富で、気軽に設置できるタイプが多いため、電源が取りにくい寝室でも活躍します。また、比較的リーズナブルなモデルが多い点もアンカーの魅力です。
たとえば、「『Nebula Astro』D2400521」は、球体のフォルムが可愛らしい小ぶりなプロジェクターで、天井にも映し出せるタイプなので、寝転びながら動画を楽しめます。「ペアレンタルコントロール機能」が搭載されており、子供が動画やゲームをする時間を制限できるため、子供部屋と寝室の共用で使いたいときにも便利です。
そのほか、「『Nebula Nova』D2160521」は、スピーカーと照明を内蔵したタイプのプロジェクターで、狭い寝室でも邪魔になりません。Android TVを搭載しており、動画配信サービスを見る際にも活躍します。
〈Aladdin アラジン〉
アラジンでは、照明と一体型の寝室用プロジェクターを多く取り扱っています。シーリングライトに、プロジェクターとスピーカーが搭載された「Aladdin X」シリーズは、家庭用の引掛シーリングに取り付けられるタイプのプロジェクターです。追加工事の必要がなく、簡単に設置できるうえに、引掛シーリングのコンセントから電源が取れるため、コンセントが要りません。
最新モデル「Aladdin X2 Plus」は、映像の美しさはもちろん、高品質な音も楽しめます。またTVerやHuluなどの動画サービスも揃っており、映画だけでなく見逃したテレビ番組を就寝前に見たい人にもおすすめです。
まとめ
昨今では、家庭用のプロジェクターが豊富にリリースされており、寝室に適したタイプも多く見られます。しかし、プロジェクターによって輝度や解像度、投影方法などが異なるため、自宅の寝室にマッチするタイプを選ぶことが大切です。寝転んで映像を楽しみたい人は、天井に映し出せるプロジェクターを探しましょう。
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