サーキュレーターは冷暖房の補助として通年使える家電です。風を送り出すという機能が共通しているため、扇風機と似た使い方をしている人も多いでしょう。季節に合わせてサーキュレーターを効果的に使うためには、機能の特徴を知ることが大切です。
この記事では、扇風機との機能の違いや、冷暖房別で見るサーキュレーターの効果的な使い方を解説します。併せて、逆効果になる使い方やサーキュレーターの選び方にも触れるので、電気代を抑えて効率よく部屋の温度を調整したい人はぜひ参考にしてみてください。
サーキュレーターと扇風機の機能の違い
サーキュレーターと扇風機はどちらも風を送り出す家電です。一見よく似ているものの、機能面でさまざまな違いがあります。
以下の表では、サーキュレーターと扇風機の機能の違いについて、5つのポイントで比較してみました。
サーキュレーター | 扇風機 | |
風力 | 強い | 弱い |
風量 | 少ない | 多い |
風を届ける距離 | 長い | 短い |
風を届かせる範囲 | 狭い | 広い |
静音性 | 低い | 高い |
サーキュレーターと扇風機の機能に違いがある理由は、それぞれの目的が異なるためです。サーキュレーターは強い風を遠くまで送ることに特化しているため、強い風を生み出せます。しかし風量は少なく、動作音が大きいです。
扇風機は心地よい風を送って涼しさを感じさせることに特化しているため、風量が多く広範囲をカバーします。また、就寝中でも使いやすいように動作音が小さいモデルが多いです。
続いては、サーキュレーターと扇風機の機能の違いを踏まえた上で、用途別にどちらが適しているかを見ていきましょう。
空気を循環させるならサーキュレーターを選ぶ
室内の空気を循環させる目的であれば、サーキュレーターが適しています。扇風機より風力の強いサーキュレーターは、効率よく空気を循環させることが可能です。
たとえば部屋を換気した場合は、サーキュレーターを窓の外に向けて置くのがポイント。室内の空気をスムーズに外へ送り出せます。
その他、エアコンの風を隅々まで行き渡らせたい場合も、風を届ける距離が長いサーキュレーターが適しています。
室内を涼しくさせるなら扇風機を選ぶ
室内を冷やして快適な涼しさを求めるのであれば、扇風機がおすすめです。サーキュレーターより風量が多く、広範囲に風を送ることが可能なため、部屋全体の温度を素早く均整化できます。
また、扇風機の風は直接当たっても不快感がありません。サーキュレーターの場合、直接人に風を当てるには風力が強すぎます。その他、サーキュレーターは風を届ける範囲も狭いため、特定の部分のみ冷えてしまう可能性があるでしょう。
洗濯物を早く乾かすならサーキュレーターを選ぶ
洗濯物を早く乾かしたい場合はサーキュレーターが便利です。風力の強さで水分を素早く飛ばせるため、洗濯物を効率よく乾かせます。
特に首振り機能のある機種であれば、洗濯物が多くても満遍なく乾かせるでしょう。なかには、衣類乾燥モードが搭載されている機種もあります。
扇風機やサーキュレーターを使って洗濯物を乾かす方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
なおサーキュレーターと扇風機の違いについては、以下の記事もご覧ください。
【冷房】サーキュレーターの効果的な使い方・置き方
サーキュレーターとエアコンを併用すると、効率よく部屋の温度を調整できます。ただし、エアコンの使用目的によって、サーキュレーターの効果的な使用方法が異なる点に注意が必要です。
ここでは、夏に冷房を使用する際のサーキュレーターの使い方や置き方を解説します。
風向きはエアコンに向けるか逆向き
エアコンの効果を高めるには、サーキュレーターの向きが大切。おすすめの置き方は2パターンあります。エアコンの風にぶつけるように向けるか、同じ向きにしましょう。
エアコンの風に対してサーキュレーターで逆風を送る方法では、温度ムラを減らせます。エアコンの吹き出し口に、サーキュレーターの風をぶつけるイメージで風向きを設定してみてください。
一方、エアコンと同じ方向に風を向けると、冷気をより遠くまで届けることが可能。部屋全体や家具の隙間にまで冷気を届けられます。
置き場所は冷気が降りてくる場所
サーキュレーターの置き場所は、エアコンの冷気が降りてくるところ。エアコンから出た冷気は下に降りてくるため、サーキュレーターの風で撹拌して循環させるのがポイントです。
なお、エアコンからやや離れた場所にサーキュレーターを置くと、床に溜まった冷気が壁を伝って空中に行き渡ります。
2部屋・ロフトの場合は?
2部屋のうち1部屋にしかエアコンがない場合、風を遠くまで行き渡らせられないとなかなか涼しくなりません。その際もサーキュレーターを使えば、冷風を隣の部屋まで届けられます。
2部屋がエアコンの直線上に続いているのであれば、エアコンに背を向けるようにサーキュレーターを置いてみてください。直線上にない場合は、2部屋の間や冷気の通り道にサーキュレーターを置くのがポイント。
ロフトがある家では、部屋を涼しくしてもロフトだけ暑いということもよくあります。ロフトを涼しくするには、サーキュレーターを2台使うのがおすすめです。
1台は冷気が溜まる床付近に置き、ロフトに向けて風を送ります。残り1台はロフトに置き、天井に向けて風を送りましょう。上に溜まりやすい熱気を散らして、冷気を循環させられます。
【暖房】サーキュレーターの効果的な使い方・置き方
サーキュレーターは暖房と組み合わせても効果を発揮するため、通年で使用可能です。暖房と併用する場合、サーキュレーターの効果的な使い方は、冷房時と異なります。
ここでは、効率よく部屋を暖めるサーキュレーターの使い方や置き方をご紹介します。
風向きは真上かエアコンに向ける
効果的な使い方の一つとして、暖房と併用する場合はサーキュレーターを真上かエアコンの方へ向けるのがポイント。暖かい空気は上に溜まるため、天井に向かって風を送ることで、スムーズに空気を循環させられます。
また、サーキュレーターの風をエアコンの吹き出し口に向けると、効率よく温風を部屋全体に拡散できます。素早く部屋を暖めるときのサーキュレーターの風向きは、天井またはエアコンと覚えておきましょう。
置き場所は部屋の真ん中かエアコンの対角線
サーキュレーターを暖房と併用する場合は置き方も大切。暖房の効果を高める置き場所は、部屋の真ん中またはエアコンの対角線です。
部屋の真ん中に置くことで、天井に溜まりがちな温気を散らせます。また、エアコンの対角線上に置くと、部屋全体に温風をスムーズに拡散させることが可能です。
2部屋・ロフトの場合は?
2部屋が続いている場合やロフトがある場合は、エアコンや暖房器具を使っても場所によって暖かさにムラが出がちです。暖かさのムラは、サーキュレーターの使い方を工夫することで解消できます。
2部屋の空気を効率よく循環させるためには、サーキュレーターを真上に向けて、床に溜まった冷気を送り出し、暖気を分散させましょう。強力な風が天井付近に溜まった暖気を循環させ、暖房のない部屋まで届けます。
ロフトがある部屋でもサーキュレーターが活躍します。サーキュレーターを2台用意し、1台はロフトの上に設置しましょう。首を下に向けて送風すると、上に溜まった暖気を下に送り出せます。
もう1台のサーキュレーターはエアコンの下に置き、首を真上へ向けます。ロフトから流れてくる暖気や床に溜まった冷気を、効率よく循環させることが可能です。
なお、サーキュレーターの風が直接人に当たってしまう場合は、壁に向けるのがおすすめ。壁に向けて送風する方法でも、同様に空気を循環させられます。
エアコンのほか、冬に活躍するヒーターや石油ファンヒーターについては、以下の記事でご紹介しているのでぜひご覧ください。
逆効果?サーキュレーターの間違った使い方
サーキュレーターは間違った使い方をすると逆効果になってしまいます。特に冷房と暖房で使い分けることや、扇風機との違いを理解することが大切です。
ここでは、サーキュレーターの間違った使い方3パターンをご紹介します。
風向きや置き場所を間違えている
サーキュレーターの適切な風向きは、冷房・暖房によって異なります。冷房や暖房から出る空気の流れを考えて向きを決めないと、部屋の温度を上手く均整化できません。その結果、消費電力が増えて電気代が嵩むことも考えられます。
また、サーキュレーターの置き場所にも注意しましょう。冷気は低いところへ、暖気は高いところへ溜まる性質があります。この性質を覚えておくだけでも、サーキュレーターの置き場所を判断しやすくなります。
サーキュレーターのみを使っている
サーキュレーターは、エアコンや暖房器具と併用することで効果を期待できる家電です。サーキュレーター自体は風を送り出す機能しか持たないため、部屋を涼しくしたり暖めたりする効果はありません。
冷房・暖房はエアコンや暖房器具などの家電をメインとし、サーキュレーターはその効果を高めるための補助として使うようにしましょう。
扇風機と同じ使い方をしている
サーキュレーターと扇風機には、風を送り出すという共通点があります。しかし、サーキュレーターを扇風機と同じように使ったり、扇風機代わりに使ったりすることはおすすめしません。
サーキュレーターの特徴の一つとして、風力の強さが挙げられます。扇風機の代わりとして人に直接当てるように使ってしまうと、風が強すぎて不快に感じるでしょう。
また広範囲に風を届けられる扇風機に対して、サーキュレーターは範囲が狭いです。特定の場所にしか風が当たらないため、使い続けると体の一部分だけが冷えたり暑くなったりしてしまいます。
扇風機とサーキュレーターは特徴が異なるため、用途別に使い分けるようにしましょう。
サーキュレーターの賢い選び方
サーキュレーターはさまざまな使い方ができる便利な家電です。ただし、効果を発揮するには部屋のサイズや目的に合った製品を選ぶことが大切です。
ここではサーキュレーターを選ぶ際の4つのポイントを解説します。
風力
サーキュレーターは風力の強いものを選びましょう。風力が強いほど空気をスムーズに循環させられます。広い部屋で使用する場合は、特に風力が強いサーキュレーターを選ぶのがポイントです。
サーキュレーターの商品紹介ページや説明書などに、風力の強さやどの程度の広さの部屋で使用するのに向いているかが記載されています。その情報をもとに、使用する部屋の広さに合うタイプを選ぶようにしましょう。
なお、広さの違う複数の部屋で使用する場合は、風力を調節する機能があるタイプを選ぶのがおすすめです。
静音性
サーキュレーターは扇風機より音が大きい傾向にありますが、なかには静音性に配慮されたタイプもあります。特に寝室などで使用する場合は、音が静かで睡眠の妨げにならないものを選ぶのがおすすめです。
音の大きさは人によって感じ方が異なるため、可能であれば実際に店頭で確認するとよいでしょう。
お手入れ
お手入れのしやすさも、サーキュレーターを選ぶポイントの一つです。
サーキュレーターを使用していると、羽根の部分にホコリが溜まります。ホコリが詰まると羽根の動きが悪くなり本来の効果が半減するほか、故障の原因になりかねません。特に風力が強いタイプは大量の空気を吸い込むため、ホコリが溜まりやすいです。
サーキュレーターを効果的に使うだけでなく、寿命を長持ちさせるためには、こまめなお手入れが必要になります。
お手入れがしやすいサーキュレーターとして、分解が可能なタイプを選ぶとよいでしょう。分解できるタイプであれば、取り外したパーツを拭いたり洗ったりすることが可能です。一方、分解できないタイプでは、掃除してもホコリを完全に取り除けません。
サーキュレーターを効果的に使用するためにも、お手入れのしやすいタイプを選ぶようにしましょう。
モーター
サーキュレーターに使われるモーターは、「DCモーター」と「ACモーター」の2種類です。DCモーターは消費電力が少なく静音性が高いのが特徴ですが、DCモーター搭載のサーキュレーターは本体価格が高い傾向にあります。
サーキュレーターの購入費用を抑えるのであれば、ACモーターを搭載しているタイプも検討してみましょう。ただし、ACモーターはDCモーターより消費電力が多く電気代が高くなりやすい傾向にあるため注意が必要です。
メーカー別で見るおすすめサーキュレーター
続いては、エアコンや暖房器具と併用する際におすすめのサーキュレーターを、メーカー別にご紹介します。
なお、今回ご紹介する商品は〈2ndSTREET セカンドストリート〉オンラインストアでも購入可能です。
〈Dyson ダイソン〉Dyson Pure Cool Link TP03WS
Dyson Pure Cool Link TP03WSは、PM0.1レベルの微細な粒子や有毒ガスも除去できる空気清浄機能を搭載したサーキュレーターです。パワフルな風が遠くまで届く首振り機能を搭載しています。
羽根がないためお手入れがしやすく、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できます。スリムなボディで置き場所を選ばない点も魅力的です。
〈IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ〉KCF-KSC152T
KCF-KSC152Tは、アイリスオーヤマのコンパクトサーキュレーターです。丸くて可愛らしい見た目ですが、弱からターボまで5段階の風量調節ができ、使いやすさも兼ね備えています。上下左右の自動首振り機能も付いており、広範囲に送風することが可能。
コンパクトながら3枚羽根が生み出すスパイラル気流によって遠くまで風を届けられ、室内の空気を効率よく循環させます。
〈YAMAZEN 山善〉YAS-KN183
YAS-KN183は山善のコンパクトサーキュレーターです。最大10畳の広さに対応しており、風量は3段階に調節できます。静音モードを搭載しているため、就寝時の利用にもおすすめ。
ACモーターを搭載しており、シンプルな機能と入手しやすい価格も魅力的です。初めてサーキュレーターを使う人に最適なモデルといえるでしょう。
〈Three-up スリーアップ〉CF-T2208WH
CF-T2208WHはスリーアップのサーキュレーターです。スリーアップは2008年に設立された、大阪市に本社を置く家電ベンチャーです。加湿器やサーキュレーターなどの季節家電を主に手がけています。
CF-T2208WHは高精度CO2センサーを搭載しており、二酸化炭素の濃度が高くなると自動で運転を開始する機能を持っています。本体に液晶パネルを備えており、室内の二酸化炭素濃度を表示することが可能。
その他、上下左右に360度回転する首振り機能が付いているため、換気や冷暖房時の併用など多目的に使えるモデルといえるでしょう。
〈TWINBIRD ツインバード〉KJ-4781W
ツインバードのKJ-4781Wは、コンパクトでシンプルな機能が魅力のサーキュレーターです。風量は3段階、風向きは5段階で調節できます。価格も新品で6,000円未満とお手頃で、換気や冷暖房の効果を高めるための補助に使うサーキュレーターとしては、コストパフォーマンスがよいといえるでしょう。
重さは1.7kgと持ち運びしやすいため、用途に応じて複数の部屋で使いたい人にもおすすめです。
まとめ
サーキュレーターと扇風機は機能が異なるため、用途に合わせて使い分けるのがコツです。
強い風を遠くまで届けることに特化したサーキュレーターは、空気の循環や洗濯物を短時間で乾かす際に有用です。エアコンや暖房器具と併用する際は、風向きや置き場所を工夫することで効率的に部屋の温度を調整でき、電気代の節約にもつながります。
全国に800店舗以上を展開する〈2nd street セカンドストリート〉では、機能やサイズが多彩なサーキュレーターを販売しています。新品よりもリーズナブルな価格で購入できるため、サーキュレーターを初めて試してみたい人にもおすすめです。これからサーキュレーターの購入を検討している人は、お近くの店舗やオンラインストアをぜひご利用ください。
また、不要なサーキュレーターの処分でお困りの場合も、セカンドストリートにご相談ください。新しいサーキュレーターほど買取価格が高くなるため、買い替えを検討している人はお早めに買取に出してみてはいかがでしょうか。