従来、洗濯機の主流は縦型タイプでしたが、最近はドラム式洗濯機も広く浸透しています。ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と比べて高価な機種が多いため、できるだけ長く使えるものを選びたいものです。
この記事では、ドラム式洗濯機の寿命や壊れる前兆サイン、長持ちさせるポイントを解説します。ドラム式洗濯機を買い替える際の選び方にも触れているので、買い替え予定がある人はぜひ参考にしてみてください。
ドラム式洗濯機の寿命はどのくらい?型によって長持ちするの?
ドラム式洗濯機の寿命は6~7年が目安とされています。しかし、ドラム式洗濯機自体の耐用年数と、メーカーが修理に必要な部品を保有している年数は異なるため、それぞれの観点から見た寿命を把握しておくことが大切です。ここではドラム式洗濯機の寿命について解説します。
設計上の標準使用期間は平均7年
いわゆる家電の「寿命」とは標準使用期間の年数です。経済産業省の「電気用品安全法」によって、経年劣化による事故が発生しやすい製品には、標準使用期間や注意事項の表示が義務付けられています。これを「長期使用製品安全表示制度」と呼び、洗濯機や扇風機、エアコン、テレビ、換気扇が対象です。
ドラム式洗濯機を含む洗濯機の寿命は平均7年であり、6~10年以内に設定しているメーカーがほとんどです。ただし、標準使用期間はあくまでも目安であり、使い方や使用頻度、ドラム式洗濯機の機能によって前後します。
なお、標準使用期間は蓋もしくは上部に貼られているケースが多いです。あらかじめ大まかな耐用年数を把握しておくと、買い替えのタイミングを検討しやすくなるでしょう。
メーカー部品保有年数は6年まで
全国家庭電気製品公正取引協議会では「製造業表示規約」の中で、家電製品を製造するメーカーに対して補修用性能部品の保有期間を定めています。ドラム式洗濯機を含む電気洗濯機の最低保有期間は6年間です。なお、メーカーによっては自主的に保有期間を7年まで延長して対応しているケースもあります。
補修用性能部品の保有期間が過ぎた場合でも、メーカー内に在庫があれば修理してもらうことが可能です。しかし、型が古いドラム式洗濯機は部品がない可能性が考えられます。部品を交換しながら長く使うことを検討している人は、部品保有年数を確認するようにしましょう。
参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会|別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間
ドラム式洗濯機と縦型洗濯機の寿命はどちらが長い?
ドラム式と縦型洗濯機の寿命に違いはほとんどありません。標準使用期間やメーカー部品保有年数に関しても、ドラム式と縦型に分類されておらず、「洗濯機」という括りで設定されています。
洗濯機の寿命に大きく影響するのは使い方や使用回数です。無理な使い方をすれば、寿命を縮める要因になりかねないので注意しましょう。
ドラム式洗濯機が壊れる前兆?寿命を知らせる7つのサイン
ドラム式洗濯機の種類や使用年数を問わず、故障するリスクはあります。壊れる前兆を把握しておくと、買い替えや修理の時期を把握しすいでしょう。ここでは、ドラム式洗濯機の寿命のサインを7つ解説します。
寿命のサイン1:脱水・注水ができない
脱水や注水が正常にできない場合は、注水弁や排水弁の劣化やモーターの故障が考えられます。注水弁や排水弁が劣化していた場合は、交換するだけで直る可能性が高いでしょう。ただし、モーターの故障は交換では対応できないため、買い替えを検討しなければなりません。
普段通り洗濯ができる場合でも、脱水や注水をする際にエラーが起こるようになったら、壊れる前兆なので注意しましょう。
寿命のサイン2:いつもと違う音がする
いつも通りドラム式洗濯機を使っているのにも関わらず、異音が聞こえる場合は故障の前兆かもしれません。
例えば、「ガリガリ」という音が聞こえる場合は、モーターが経年劣化によって故障している可能性があります。不規則に「ガリガリ」と鳴っているときは、洗濯槽の中に異物が入っているケースが考えられるので、操作を止めて確認してみましょう。
「カラカラ」と聞こえる場合は、洗濯機内に金具が落ちているか歯車の噛み合わせが悪くなっていることが考えられます。その他、洗濯機底面にあるベルトが緩むと「キュルキュル」と鳴るため、その際は交換を検討する必要があるでしょう。
寿命のサイン3:動作が止まる
洗濯をしている最中に、突然動作が止まる場合も故障の前兆といえます。再度、電源ボタンを押して稼働したとしても、いずれ完全に壊れる可能性が高いです。
洗濯機にエラーが表示されている場合は、取扱説明書を見て対処方法を確認しましょう。エラーによっては自分で対処できるケースもあります。それでも対処できない場合は、洗濯機自体の買い替えを検討した方がよいでしょう。
寿命のサイン4:水漏れする
ドラム式洗濯機から水漏れしている場合も注意が必要です。給水ホースや排水ホースからの水漏れであれば、接続部分の緩みやゴミ詰まりが原因として考えられます。こうしたトラブルは、パーツの交換や接続部分の掃除で解消されるケースがほとんどです。
しかし、どこから水漏れしているのかわからない場合は、経年劣化により洗濯槽が破損している可能性も考えられます。
寿命のサイン5:乾燥できない
乾燥機能のトラブルも寿命のサインです。乾燥をかけても完全に乾かなくなった場合は、一度フィルターを掃除してみることをおすすめします。汚れが詰まって乾燥しづらくなっていたのであれば、メンテナンスによって解決するでしょう。
しかし、掃除をしても乾かない場合は、ヒーターやヒーターポンプなどの主要部品の劣化が考えられます。ほとんどのケースで修理不可とされるため、買い替えるタイミングといえるでしょう。
寿命のサイン6:電源が入らない
ドラム式洗濯機の内部には制御基板が入っています。外見はきれいに見えても、制御基板が劣化してしまえば電源が入らなくなり、寿命が考えられます。
電源が入らない場合は、コンセントを挿し直してみましょう。再度電源ボタンを押して稼働すれば、誤作動が考えられます。しかし、何度挿し直しても電源が入らない場合は、故障の可能性が高いでしょう。
寿命のサイン7:異臭がする
ドラム式洗濯機から焦げた臭いやカビ臭さを感じるときは要注意です。焦げ臭い場合は、洗濯機の内部に異物が入って摩擦が生じている可能性があります。また、部品が劣化していることも考えられるため、使用を中止した方がよいでしょう。
カビ臭さが気になる場合は、洗濯機専用の洗剤を使用してクリーニング する必要があります。洗濯槽の表面についたカビであれば掃除によって臭いが解消されますが、それでも気になる場合はカビが内部まで浸透している証拠なので、買い替えを検討するべきでしょう。
なお、洗濯機の臭いについては以下の記事で詳しく解説しています。
寿命と誤解しやすいドラム式洗濯機のトラブル
ドラム式洗濯機のトラブルによっては、寿命とは関係ないケースもあります。普段と違うことが起こると寿命と勘違いしてしまいがちですが、落ち着いて状況を確認することが大切です。ここでは、寿命と誤解しやすいトラブルを3つ解説します。
うるさい音がする
ドラム式洗濯機からの異音は、故障だけではなく使い方によっても発生します。例えば、洗濯物を詰め込みすぎてしまい「ガタガタ」と音が鳴る可能性もあるでしょう。その他、サイズの大きな毛布やバスタオルと下着のような小さなものを一緒に入れると、大きな脱水音が鳴りやすいため注意が必要です。
なお、洗濯機からうるさい音がする際の原因や対処法については、以下の記事で解説しています。
洗濯機が回らない
洗濯機はサイズによって容量が異なります。容量以上の洗濯物を詰め込んでしまうと、洗濯機が回らなくなるので注意しましょう。また、洗濯機を正常に稼働させるためには、接地面と水平に設置しなければなりません。不安定な場所だと洗濯槽が正常に回転されずエラーが発生します。
洗濯機が回らないときの原因や対処法は以下のページで解説しています。
給水スピードが遅い
ドラム式洗濯機の給水スピードが遅い場合は、フィルターにゴミが溜まっている可能性が高いです。一旦給水ホースを取り外し、給水弁に溜まったゴミをきれいに掃除しましょう。
また、掃除をしても給水スピードが上がらない場合は、給水ホースの接続部分にあるゴムパッキンが劣化している可能性があります。ゴムパッキンは、修理に出さなくても工具を使って交換可能です。
給水スピードに関するトラブルは、給水ホース付近が要因となっているケースが多いので、まずは確認してみることをおすすめします。
ドラム式洗濯機が故障したときは修理できる?
ドラム式洗濯機が故障した場合、修理もしくは買い替えを検討しなければなりません。それぞれのケースについて解説します。
購入から6年経過していない場合は修理がおすすめ
ドラム式洗濯機を新品で購入してから6年以内であれば、経年劣化ではなく修理で対応できるケースが多いです。メーカーの部品保有年数内なので、スムーズに対応してもらえるでしょう。
なお、いつまでも放置していたら部品保有年数を過ぎてしまったという事態にならないよう、トラブルが発生したら速やかに相談することが大切です。
6年以上なら買い替えがおすすめ
メーカーの部品保有年数である6年を超えると、修理に必要な部品が用意できない可能性があります。また、保証期間を過ぎれば、修繕費が高くなる可能性もあるでしょう。そのため、ドラム式洗濯機を購入して6年以上が経過してから故障した場合は、買い替えた方が賢明です。
近年は省エネ性能に優れたタイプも多数リリースされており、賢く選べば電気代や水道代の節約にもつながります。
ドラム式洗濯機の寿命を長持ちさせる6つのポイント
正しい使い方をしなかったりメンテンナンスを怠ったりすると、ドラム式洗濯機は故障しやすいです。少しでも長く使うためには、いくつかのポイントを押さえて使用することが大切です。続いては、ドラム式洗濯機の寿命を長く持たせるためのポイントを6つ解説します。
洗濯容量を守る
ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機と比べてモーターに負担がかかりやすい構造になっています。そのため、無理に大量の洗濯物を詰め込むと故障するリスクがあるため注意が必要です。
取扱説明書や洗濯機本体に記載された最大容量を確認して、正しく使用するように心がけましょう。容量がわからない場合は、洗濯槽の8割以下を目安に収めることをおすすめします。
洗剤は適量を使う
ドラム式洗濯機を長持ちさせるためには、洗剤の量にも留意する必要があります。洗剤は量が多ければ汚れが落ちるというものではありません。洗剤を多く入れすぎると洗濯槽に残りやすく、黒カビや故障の原因になります。
洗剤は、容器に明記された分量を守って適量使うように心がけましょう。
カビを防ぐ
カビを発生させないことも、ドラム式洗濯機を長持ちさせるポイントです。定期的に洗濯機の蓋を開けたままにして、洗濯槽を乾燥させましょう。専用洗剤を使って、洗濯槽を定期的にクリーニング することも大切です。
また、お風呂の残り湯を使って洗濯をする場合も注意が必要です。節水という面ではよい方法ですが、残り湯には雑菌が多くいます。さらに、ぬるめの温度はカビの繁殖を促すため、頻繁に残り湯を使用するのは避けた方が賢明です。
異物の混入を防ぐ
洗濯槽には小さな穴が空いています。この穴にゴミや異物が入ると故障の原因になるため注意しましょう。穴に入るような小さな異物だけでなく、おもちゃや筆記用具なども洗濯機を傷める可能性があります。
ドラム式洗濯機に洋服を入れる際には、ポケットの中に何も入っていないかを確認することが大切です。
定期的にメンテナンスを行う
ドラム式洗濯機は機械であり、定期的なメンテナンスによって性能を保つことができます。
例えば、洗濯機を使うたびに糸くずやゴミを取り除くだけでも寿命が変わってくるでしょう。また、歯ブラシを使って乾燥フィルターや洗剤投入口を掃除したり、洗濯槽の自動洗浄機能を活用したりすることも大切です。
これらのメンテナンスは自宅でも手軽に対応できるため、ぜひ試してみてください。
使い終えたら蛇口を閉める
洗濯が終わったら蛇口を閉めることを意識しましょう。つい忘れてしまいがちですが、蛇口が開いたままになっていると給水ホースや接続部分に圧力がかかり続けます。その結果パーツが劣化しやすくなり、故障のリスクが高まるため注意が必要です。
少し手間に感じるかもしれませんが、ドラム式洗濯機の寿命を長持ちさせるために洗濯後は蛇口を閉める習慣をつけましょう。
ドラム式洗濯機の処分方法
ドラム式洗濯機はサイズが大きいだけでなく、水道と連結しているため処分に手間がかかります。また、家電リサイクル法の対象品目である点にも注意が必要です。続いては、ドラム式洗濯機の処分方法を3つ解説します。
販売店に引き取ってもらう
経済産業省では、資源の有効活用を目的とした家電リサイクル法を定めています。対象となるのは洗濯機・テレビ・冷蔵庫・エアコンの4品目です。これらの製品を販売する店舗は、破棄されるアイテムの引き取りが義務付けられています。
そのため、不要になったドラム式洗濯機を購入した店舗に持ち込めば、引き取ってもらうことが可能です。買い替えの予定がある場合は新たに購入する店舗に依頼することで、新しい洗濯機と引き換えに持ち帰ってくれるため持ち込む手間が省けます。
リサイクル家電として処分する
ドラム式洗濯機は家電リサイクル法の対象となっているため、粗大ゴミとして捨てられません。自分で処分する場合は郵便局で家電リサイクル券を購入し、自治体が定める指定取引場所に持ち込む必要があります。ドラム式洗濯機はサイズが大きいため、運搬車両やサポートしてくれる人を確保してから作業するようにしましょう。
リユースショップ・リサイクルショップに買取を依頼する
不要になったドラム式洗濯機の状態がよい場合は、リユースショップやリサイクルショップに買取を依頼するのも一つの手段です。ただし、基本的に完動品のみが買取対象であり、型が古いものや付属品が欠けているものは対象とならないこともあります。一方、製造年月日が3年以内で付属品が全て揃っている状態であれば、高く買い取ってもらえる可能性があります。
〈2ndSTREET セカンドストリート〉では出張買取も行っているので、ドラム式洗濯機のような大型家電の処分でお困りの人はぜひご利用ください。
洗濯機を買い替える前に押さえておきたい選び方
洗濯機の買い替えを検討している人は、選び方のポイントを押さえておくことが大切です。続いては、買い替え前に押さえておきたい選び方を3つ解説します。
洗濯機のタイプで選ぶ
洗濯機は「縦型」「ドラム式」「二層式」の3種類に分類されます。洗濯物や設置場所などに合わせて、自分に合うタイプを選ぶようにしましょう。
従来主流だった縦型洗濯機は、大量の水に渦巻き状の水流を発生させて汚れを落とす仕組みです。比較的コンパクトな形の製品が多く、狭い場所でも置きやすい点がメリットといえるでしょう。ただし、水道代が嵩む点やこすり洗いにより生地が傷みやすい点はデメリットです。
ドラム式洗濯機は洗濯槽が縦に回転し、洗濯物を持ち上げて落とす仕組みです。縦型洗濯機がこすり洗いである一方、ドラム式洗濯機の「たたき洗い」は生地が傷みにくく、水も少量で済む点が大きなメリットといえます。
二層式洗濯機は洗濯槽が二層に分かれており、「洗濯・すすぎ」と「脱水」をそれぞれの槽で行う仕組みです。二層式洗濯機の大きなメリットは洗浄力の高さで、美容室や飲食店、ガソリンスタンドなどは今でも活用されています。ほかの洗濯機と比べて手間がかかりますが、壊れにくくリーズナブルな点が魅力です。
ドラム式と縦型の洗濯機については、以下の記事でも詳しく解説しています。
容量で選ぶ
洗濯機を選ぶ際は、容量も押さえておきたいポイントです。一般的に1人分の洗濯物は、1日につき1.5kgといわれています。家族の人数を踏まえて、使いやすい容量の洗濯機を選ぶとよいでしょう。
なお、毎日洗濯する余裕がなく、まとめ洗いをすることが多い家庭では、人数分よりも大きめの容量を選ぶのがおすすめです。
機能で選ぶ
洗濯機は機種によって機能が異なります。例えば、自動的に必要な量の洗剤が投入される機能や乾燥機能があれば、家事の時間短縮が可能です。洗濯機を選ぶ際は、自分のライフスタイルに合う機能が備わっているかを確認することをおすすめします。
ドラム式洗濯機の詳しい選び方やおすすめメーカーについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と比べて水の量が少なくて済み、生地も傷みにくいことから人気があります。一方で使い方を誤れば、一般的な寿命である6~7年よりも早く壊れてしまう可能性もあるため、正しく使うことが大切です。
なお、縦型洗濯機と比べてドラム式洗濯機は高価なタイプが多く、手が出ないという人も少なくありません。お得にドラム式洗濯機を購入するなら、リユースショップ・リサイクルショップの利用がおすすめです。
全国に800点以上の店舗を展開するセカンドストリートでは、ドラム式を含む洗濯機を多数取り揃えています。お近くの店舗はもちろんオンラインストアもあるため、遠方にお住まいの人でも気軽にご利用いただけます。
不要な洗濯機の処分でお困りの場合も、セカンドストリートにご相談ください。新しい製品ほど買取価格が高くなるため、買い替えを検討している人はお早めに買取に出してみてはいかがでしょうか。