冷蔵庫が急に冷えなくなったら「食品を腐らせてしまう前に修理に出さなければ」と焦ってしまうでしょう。
しかし急に冷えなくなったとしても、電気がついているのであれば、自分で対処できるかもしれません。
この記事では、「冷蔵庫の電気はつくのに冷えない」という症状の原因や、自分で対処できる方法などについて解説します。あわてて修理を依頼する前に、ぜひチェックしてみてください。
冷蔵庫の電気はつくのに冷えない!まず確認したいこと
冷蔵庫のドアを開けて「電気はついているのに冷蔵が効いていない」という場合には、まず以下の3点について確認しましょう。
- 異臭がするか
- 冷凍室は冷えているか
- 温度設定は適切か
それぞれの点について詳しく説明します。
異臭がするか
異臭がする原因のひとつに、冷蔵庫に封入されている「冷媒」の漏れがあります。冷媒とは、空気の熱を運ぶためのものです。この冷媒を循環させるための配管が破損すると、庫内が冷えないうえ、気体(ガス)となった冷媒が漏れ出して異臭がします。ガスは、火に触れると有毒ガスになるものと、引火するおそれがあるものがあります。
もし冷蔵庫から異臭がする場合は、すぐに安全を確保してください。具体的には冷蔵庫の電源プラグを抜き、換気扇を使わずに窓を開けて換気しましょう。
なお、配管の破損を直すには修理の依頼が必要ですが、異臭の原因はほかにも考えられます。修理の必要がないケースもあるので、下記の記事も参考にしてみてください。
冷凍室は冷えているか
冷凍室(冷凍庫)が付いている冷蔵庫の場合は、冷凍室が冷えているかどうか確認しましょう。
冷蔵庫の内部では、冷媒が循環して熱を運んでいます。これにより、庫内の熱を外側に放出して温度を下げる仕組みです。この仕組みは通常、冷凍・冷蔵で共通です。
冷蔵室と冷凍室のどちらも冷えないのであれば、冷却システムの故障により熱を放出できなくなっているのかもしれません。冷媒の循環システムは冷蔵庫の心臓部および血管にあたる部分であるため、故障の場合は修理に出すか、買い替える必要があります。
修理代や買い替えの目安については、記事の後半で紹介しますのであわせて参考にしてください。
温度設定は適切か
温度設定ができる冷蔵庫の場合は、念のため設定を確認しましょう。「強」「中」「弱」のような基本的な設定のほか、「エコモード」などの節電機能がオンになっているかどうかもチェックします。
「弱」になっていたら「強」か「中」に設定を変更し、節電機能はいったんオフにして様子をみてください。夏場はとくに、温度設定が「弱」では十分に冷えない場合もあります。気温が急に高くなった日に冷えていないと気付き、「故障かも」と驚くこともあるでしょう。
また、日光が当たる場所に冷蔵庫を設置している場合も、放熱しにくくなり冷却効率が落ちるため「弱」では冷えにくくなります。同様の理由で暖房の風にも注意が必要です。
冷蔵庫が冷えない5つの原因と自分でできる対処法
ここまでに紹介した項目を確認しても問題がなければ、冷蔵庫が冷えない原因はほかにあります。以下を順番にチェックして、あてはまる場合は「対処法」を試してみてください。
- ドアはきちんと閉じていたか
- ドアの開け閉めが多すぎないか
- 食品を詰め込みすぎていないか
- 吹き出し口に霜が付着していないか
- 冷蔵庫の周囲にスペースはあるか
それぞれのチェック項目について詳しく説明します。
ドアはきちんと閉じていたか
冷蔵庫のドアが半開きになっていると、隙間から冷気が逃げてしまいます。庫内が冷えないだけでなく、室内の暖かい空気が冷蔵庫の中に入り、かえって庫内の温度が上がってしまうことも考えられます。
対処法
ドアが開いていないかを確認し、最後までしっかり閉じます。しっかり閉じていたつもりでも、物が間にはさまって隙間ができていたかもしれません。また、ドアを長時間開けっ放しにしていなかったかを振り返ってみましょう。
ドアをしっかりと閉じたら、しばらく待ってから庫内の冷え具合を確認します。なお、冷蔵庫によっては、いったん庫内の温度が上がってしまうと、再び冷えるまでに半日ほどの時間が掛かるものもあります。
ドアの開け閉めが多すぎないか
冷蔵庫のドアを頻繁に開け閉めすることも、冷気が逃げて庫内の温度が上昇する原因のひとつです。開閉のたびに繰り返し暖かい空気が入ることにもなり、温度が下がりきるのに十分な時間を確保できないためです。
対処法
冷蔵庫のドアを開閉する回数をできる限り減らしましょう。また、ドアを開けている間は素早く作業をして、短時間でドアを閉じることも大切です。
100円ショップなどで販売されている「冷蔵庫カーテン」を使用して、ドアの開閉時に空気の出入りを防ぐ方法もあります。しかし、庫内に冷気が十分行き渡らなくなる場合もあるため、説明書をよく読んで正しく使用しましょう。
食品を詰め込みすぎていないか
冷蔵庫は、庫内に冷気の流れをつくることで食品を冷やしています。食品を詰め込みすぎると、この流れが阻害されて冷却効果が低下します。
対処法
冷蔵庫内の空間のうち、食品が占める部分を半分から7割程度までに抑えて、冷気が流れる余裕をつくりましょう。また、冷気の吹き出し口を食品で塞がないようにすることも大切です。
なお、冷凍室については、隙間を空けずに食品を詰めたほうが温度は上がりにくくなります。冷蔵・冷凍でそれぞれ適した使い方をするのがポイントです。
吹き出し口に霜が付着していないか
冷蔵庫内の冷気の吹き出し口には、霜が付着することがあります。これは、冷蔵庫の内側と外側の温度差により生じた結露(水分)が凍って付着したものです。霜が大量に発生して吹き出し口に付着すると、冷気の流れが悪くなり冷蔵庫が冷えにくくなります。
対処法
吹き出し口に霜が付いている場合は、霜取りをする必要があります。冷蔵庫の電源を切って凍った部分が自然に溶けるのを待つのが基本ですが、霜が小さい場合は40度程度のお湯で布巾を濡らして拭き取る方法もあります。ただし、ドライヤーや金属製のヘラなどの使用は、冷蔵庫の故障につながるおそれがあるためおすすめしません。
冷蔵庫の機種によっては、「自動霜取り機能」が付いていることもあります。取扱説明書などを読んで機種ごとに適した霜取りの手順を確認したうえで実施してください。
冷蔵庫の周囲にスペースはあるか
冷蔵庫の熱は、本体の背面や上部にある「放熱板」から放出されます。放熱板の周囲にある程度のスペースがないと、放熱が妨げられて庫内の温度は下がりにくくなります。
対処法
冷蔵庫の取扱説明書などで、放熱板の位置を調べます。説明書には通常、どれくらいのスペースを空ければよいのかについても書かれているので、あわせて確認しましょう。
壁や家具との間に十分な空間がなければ、冷蔵庫の位置をずらすなどして必要なスペースを確保します。放熱板が上部にある機種では、冷蔵庫の上にあるものをどかしましょう。
なお、ホコリも放熱を妨げる原因です。放熱板にホコリが溜まっている場合は、定期的に掃除して熱を放出しやすくしましょう。
どれを試しても冷蔵庫が冷えない!故障の際に必要なものや修理代は?
ここまでで紹介したことを調べて、対処法を試したにもかかわらず「冷蔵庫が冷えない」「その原因が分からない」という場合は、冷蔵庫の故障が疑われます。メーカーや販売店などに、修理・点検を依頼する必要があるでしょう。
ここでは、修理・点検の際に用意しておくとよいものや、主要な冷蔵庫メーカーごとの修理費用について説明します。
修理を依頼するときに用意しておくもの
修理したい冷蔵庫のメーカー名や商品名、製造年、型番などを確認しておきましょう。これらの情報は、購入時に受け取った保証書や、冷蔵庫内に貼られている製品情報が書かれたシールなどで確認できます。
保証書や領収書が手もとに残っている場合は、冷蔵庫を購入した正確な日付も確認しておくことをおすすめします。故障の状態などにもよりますが、メーカーや販売店の保証期間内であれば無償あるいは安価に修理ができる場合もあるためです。
また、「故障の症状」と「修理を依頼する前に自分で確認したり試したりしたこと」について整理しておくとよいでしょう。サポート窓口の担当者へスムーズに状況を説明できます。
電気はつくのに冷えない冷蔵庫の修理代の目安
冷蔵庫の修理には、少なくとも1万円以上の費用が掛かりますが、実際の金額は故障した箇所や機種などによって変わります。
「電気はつくのに冷えない」という症状の場合、冷媒を循環させるのに重要な「コンプレッサー」などの部品が故障していることも考えられます。コンプレッサーが故障した場合は、10万円以上の修理費用が掛かることも珍しくありません。
冷蔵庫の修理はメーカーに依頼するのが安心ではありますが、販売店や近所の家電修理業者に相談してみるのもよいでしょう。メーカー修理よりも費用を抑えられたり、早期に対応してもらえたりする可能性があります。
以下は、冷蔵庫の各主要メーカーが提示している修理費用に関するWebページです。あくまで目安ではありますが、修理を依頼する前の参考にしてみてください。
冷蔵庫が冷えない場合の買い替えの目安
冷蔵庫の修理が必要になったときは、あわせて買い替えも検討してみるとよいでしょう。ここでは、修理すべきか買い替えるべきかを判断するための目安となる条件を紹介します。
10年以上使用している場合
一般的に、冷蔵庫の平均寿命は12〜13年ほどだと言われています。長く使い続けてきた冷蔵庫は、おおむね10年程度を目安に買い替えを検討してみましょう。
もちろん、メーカーが対応してくれる限り、古い冷蔵庫でも修理を依頼することはできます。しかし、寿命が近づいた冷蔵庫を無理に修理しても、いつまた故障するか分かりません。次に故障したときは、「冷えない」とは別の不具合が発生することも考えられます。
また、修理の際には部品の交換が必要になることもあります。メーカーは修理用の部品をストックしていますが、最低保有期間は製品の製造終了から9年間です。部品の保有期間を過ぎた冷蔵庫は、メーカーから修理を断られてしまうかもしれません。
今後の故障の頻度や、いずれ修理できなくなるリスクを考慮すると、寿命が近づいた冷蔵庫が故障したときは買い替えるのが合理的だと言えます。
冷えない以外にも不具合がある場合
国税庁の定めによると、冷蔵庫の耐用年数は6年です。これを超えて使い続けている冷蔵庫は、しだいに不具合が生じる部分が増えてきてもおかしくありません。
もし、「電気はつくのに冷えない」以外にも不具合がみられるようなら、まだ購入から10年経っていない冷蔵庫でも買い替えを検討するのがよいでしょう。例えば、「氷ができない」「庫内に水漏れがある」「絶えずモーター音が聞こえる」などの症状は、冷蔵庫の寿命が近いことを示すサインだと言えます。
実際に冷蔵庫の寿命が近づいているのかどうかを判断するには、次の記事も参考にしてください。
修理費用が高額になる場合
メーカーに依頼すれば修理はできるものの、費用が高額になってしまうこともあります。その場合は、新しい冷蔵庫に買い替える場合とどちらが得かを比較・検討してみるのがおすすめです。
最新の冷蔵庫は高価ですが、その分新しい機能や高い性能を備えています。例えば、冷蔵庫の省エネ性能は年々向上しているため、新しい機種を選ぶほど電気代を節約しやすくなります。
次に使う冷蔵庫を中古で買うのも選択肢のひとつです。たとえ新品ではなくても、故障した冷蔵庫より新しい機種を選べば、今までより高性能な冷蔵庫をリーズナブルに入手できる可能性があります。
冷蔵庫を買い替えるなら処分方法も要チェック!
家庭用の冷蔵庫は、通常の粗大ごみとしては処分できません。家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)で定められた方法にしたがって、正しく回収してもらう必要があります。
具体的には、以下のような処分方法が挙げられます。
- 購入した店舗に回収してもらう
- 新しい冷蔵庫を購入する店舗で回収してもらう
- 自治体に処分してもらう
- 不用品回収業者に依頼して回収してもらう
処分に掛かる費用は、「収集・運搬料金」と「リサイクル料金」の合計です。
収集・運搬料金は業者が指定する金額になり、上記のうちどの処分方法を選ぶかによって変わってきます。また、リサイクル料金は、冷蔵庫のサイズにより異なります。
具体的な費用は、処分を依頼する際にメーカー名や機種名を依頼相手に伝えて確認しましょう。
冷蔵庫を買い替えるならセカンドストリート
冷蔵庫を新品に買い替えるのであれば、家電量販店や通販サイトなどが購入先になるでしょう。しかし、冷蔵庫は家電の中でも高価な商品のひとつです。新品よりもリーズナブルな中古品を選んで、買い替え費用を抑えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
総合リユースショップ〈2ndSTREET セカンドストリート〉では、冷蔵庫も多数取り扱っています。国内・海外メーカーのさまざまな中古冷蔵庫を販売しているので、買い替えの際はぜひチェックしてみてください。
セカンドストリートで購入した冷蔵庫には、最大で6ヵ月の返金保証が付いています。「中古家電は故障が不安」という方も、安心してご購入いただけます。
まとめ
冷蔵庫が冷えない原因はいくつか考えられます。自分で対処できることもあるので、まずは安全を確保したうえで、本記事で紹介した方法を順番に試してみましょう。
それでも症状が改善しないときは、修理や買い替えが必要になります。冷蔵庫の寿命が近づいていると考えられる場合や、修理費用が高額になる場合は、修理よりも買い替えがおすすめです。
セカンドストリートでは、中古の冷蔵庫を多数取り揃えています。さまざまなメーカーの製品を新品よりもお得に購入できるので、買い替えの際はぜひチェックしてみてください。