洗濯槽やフィルターなどは定期的に掃除をするけれど、排水口は見逃していたという人は多いでしょう。排水口はゴミが溜まりやすく、放置すれば嫌な臭いが発生します。洗濯機を清潔に使うためには、排水口の悪臭対策をすることも重要です。また、洗濯機の寿命や状態によっては、専門業者へのクリーニングの依頼や買い替えを検討する必要もあるでしょう。
この記事では、洗濯機の排水口から嫌な臭いがする原因や放置した場合の影響について解説します。併せて、悪臭を除去する方法や防ぐ手段にも触れるので、排水口の臭いが気になっている人はぜひ参考にしてみてください。
洗濯機の排水口から臭いがする原因
洗濯機の排水口が臭い主な原因は以下の3つです。まずは、それぞれの原因について詳しく解説します。
排水口の汚れ
排水口には洗濯物に付着していた髪の毛や糸くず、洗剤の残りカスなどが溜まります。掃除をせずに長らくゴミを放置してしまうと、雑菌やカビが繁殖して臭いの原因となるため注意が必要です。
また、あまりにも汚れが蓄積すると、排水口が詰まって水が溢れ出す恐れがあります。こうしたトラブルを起こさないためにも、定期的に掃除をするように留意しましょう。
排水トラップのトラブル
洗濯機の排水口には、下水からの臭いを防ぐ目的で「排水トラップ」が備わっています。排水トラップに溜まっている水を「封水(ふうすい)」といい、この水によって下水臭に蓋をする仕組みです。
経年劣化や破損によって排水トラップが機能していない場合、封水が蒸発もしくは流れ出て悪臭が上がってくることがあります。水を注いでもすぐに流れてしまう場合は、排水トラップのトラブルが考えられるでしょう。新しい排水トラップを購入し、交換する必要があります。
また、古い住宅ではもともと排水トラップが備わっていないケースも少なくありません。こうした場合は、業者に依頼して取り付けてもらうことをおすすめします。
排水ホースの汚れ
洗濯槽と排水口をつなぐ排水ホースも汚れが溜まりやすいパーツです。そもそも排水ホースはカーブを描くような形をしており、曲がった箇所は汚れが停滞しやすくなります。
外からは見えない部分のため気づきにくい汚れですが、放置すると悪臭が発生する原因となるため注意しましょう。悪臭を防ぐためには、洗濯槽や排水口と同じくこまめに掃除をする必要があります。また、古くなったホースは掃除をしても臭いが取れにくいため、買い替えを検討したほうが賢明でしょう。
排水関連のその他トラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
洗濯機の排水口の臭いを放置するとどうなる?
排水口の臭いに気づいてはいるけれど、解決方法が分からず放置している人も多いでしょう。そのままにしておくとさまざまなトラブルが発生するため、速やかに対処することが大切です。
続いては、排水口の臭いを放置した場合に起こるトラブルを2つ解説します。
洗濯物に臭いが移る
排水口が汚れたり詰まったりしたままの状態だと、本来であれば排水口から流れて残らない汚水が洗濯槽に逆流する恐れがあります。その結果、下水の嫌な臭いがそのまま洗濯槽に流れ込み、洗濯物に臭いが移ることも考えられるでしょう。
特に生乾きの洗濯物は臭いが移りやすいため要注意です。洗濯が終わった後は洗濯槽に放置せず、すぐに取り出すように留意しましょう。
排水口だけでなく洗濯機自体の臭いが気になる人も多いでしょう。下記の記事ではその原因や解消方法を解説しているのでぜひご覧ください。
ネズミや害虫が侵入する恐れがある
ゴキブリやハエなどの害虫やネズミは下水に潜んでいます。排水口に備わっている排水トラップは、下水臭防止と合わせてこ害虫や害獣を防ぐ役割がありますが、破損している場合は本来の機能を発揮できません。下水そのものが逆流しやすくなるばかりか、ネズミやゴキブリが侵入する恐れがあるでしょう。また、排水口の臭いに誘われて害虫が集まるケースもあります。
害虫や害獣が屋内に入れば衛生環境が悪化し、健康面にも影響が出かねません。特にネズミは糞にも病原菌が含まれているため注意が必要です。
排水口からの嫌な臭いを除去・予防する方法
洗濯機の排水口が臭い場合の主な対処方法は以下の4つです。それぞれの方法について詳しく解説します。
排水口を掃除する
臭いが気になる場合は、排水口自体の掃除を行いましょう。排水口を掃除する流れは以下の通りです。
- 洗濯機の電源を抜いて蛇口を締める
- 排水ホースを外す
- 排水口の部品を外す
- 部品・ホース・排水口を洗う
- 元に戻す
排水口の嫌な臭いの原因は、こびりついた汚れであることがほとんどです。排水口の掃除をする際は、感電を防ぐために必ず電源を抜いてから行いましょう。コンセントが濡れないように留意することも大切です。また、排水ホースを外す際に溜まった水が漏れる恐れがあるため、バケツを用意しておくとよいでしょう。
排水口の汚れには塩素系クリーナーがおすすめです。ゴミが詰まっている場合は取り除いた後、クリーナーを注ぎ入れて放置します。その間に部品やホースも水で薄めた塩素系クリーナーに浸けておきましょう。塩素系クリーナーに記載された時間(15~30分程度)が経過したら洗い流して元に戻します。
なお、汚れがひどい場合は歯ブラシを使って磨くときれいになります。洗い流す際は洗剤のヌメりがなくなるまでしっかりと洗いましょう。
排水トラップの封水切れを防ぐ
排水トラップの封水切れが悪臭の原因となっている場合、対処法として蒸発を防ぐことが挙げられます。手順は以下の通りです。
- 排水ホースを外す
- 排水口に封水蒸発防止剤を入れる
まずは、排水口側につながっている排水ホースを外します。このとき水が漏れる恐れがあるため、タオルやバケツで受けながら作業すると安心です。続いて、排水口に封水蒸発防止剤を入れます。製品によって流し入れる量が異なるため、必ず確認してから適量を入れるように留意しましょう。
なお、排水トラップにラップを被せておく方法も蒸発防止として効果的です。排水トラップが設置されていない場合は、新たに購入して設置する必要があります。排水トラップはホームセンターで購入可能です。ただし、DIY作業に慣れていない人は専門家に依頼したほうがよいでしょう。
排水ホースを掃除する
排水ホースの掃除も、臭いトラブルの除去・予防につながります。手順は以下の通りです。
- 排水口側の排水ホースを外す
- ホースに水を入れる
- 口をラップで防ぎ、輪ゴムで留める
- ホースを揺らして汚れを落とす
- 汚水を捨ててから再度排水口に取り付ける
排水ホースは排水口と洗濯機をつないでいます。排水ホースの掃除をする際は、排水口側だけを引き抜き、ホースの中に水を入れましょう。汚れがひどい場合は塩素系クリーナーを入れると除去しやすくなります。
ホースを揺らして汚れを落としますが、水がこぼれないようにラップで口を塞いで輪ゴムで留めておくと安全です。汚れが落ちたら水を捨てて元の状態に戻します。
なお、きれいに掃除をしても臭いが残る場合は、ホースの買い替えを検討したほうがよいでしょう。
洗濯槽に洗濯物を入れっぱなしにしない
洗濯が終わった後は洗濯物を入れっぱなしにしないことが大切です。カビや雑菌は湿度が高まることで繁殖し、下水臭やカビ臭の原因につながります。
また、洗濯槽を乾かさないまま蓋を閉めると高温多湿になり、カビや雑菌が湧きます。これらが下水に流れ込めば、排水口の嫌な臭いにもつながるでしょう。洗濯が完了したらすぐに洗濯物を取り出し、洗濯槽の蓋を開けて中を完全に乾燥させることが大切です。
なお、洗濯槽やその他パーツの洗い方については以下の記事で解説しています。
洗濯機の臭いが取れない場合は業者への依頼・買い替えがおすすめ
洗濯機の排水口から発生する下水の臭いやカビ臭さを解消するには、洗濯槽や排水ホースも含めた定期的な掃除が大切です。しかし、いくら汚れを溜めないように留意したとしても、こびりついて取れないことがあります。なかなか汚れが落ちない場合は、専門業者にクリーニングを依頼しましょう。
特に大型のドラム式洗濯機は移動が難しく、排水口の掃除がおろそかになりがちです。専門業者であれば専用道具を使って隅々まで掃除してくれるため、排水口の臭い解消も期待できます。
また、洗濯機の寿命にも留意する必要があります。2023年に内閣府が発表した「消費動向調査」によると、洗濯機の平均使用年数は約10年です。大切にしている家電を長く使い続けるのはよいことですが、寿命が近づいている洗濯機は汚れが付着しやすく、洗濯物にも悪影響を及ぼしかねません。排水口からの臭いがなかなか取れない場合は、洗濯機の買い替えを検討するのも一つの方法です。
※参考:内閣府|消費動向調査 令和5年3月実施調査結果
洗濯機の買い替えを検討している人は、以下の記事も参考にしてみてください。
洗濯機の捨て方については、以下の記事で詳しく解説しています。
洗濯機はドラム式と縦型の2種類があります。選び方に迷った場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
洗濯機を快適に使うには洗濯槽だけでなく、排水口や排水ホースなども定期的に洗う必要があります。しかし、排水口は見落としやすい場所でもあり、気がついたときには汚れが溜まっていたというケースも多いでしょう。
排水口に汚れが溜まると嫌な臭いの原因となり、洗濯物への臭い移りも考えられます。臭いの問題だけでなくネズミや害虫の発生源となり、衛生上、健康にも被害を及ぼしかねません。
今回ご紹介した対処方法で臭いが取れなかった場合は、部品を取り替えるタイミングといえます。その他、洗濯機の寿命も考えられるため、長く使っている場合は買い替えを検討するとよいでしょう。
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