何気なく冷蔵庫から氷を出そうとして製氷機を見たら、氷ができていなかったという経験をしたことがある人も多いでしょう。これまで問題なく作れていたにも関わらず、突然こうしたトラブルが起こると慌ててしまうものです。
そこで、この記事では冷蔵庫で氷ができない理由についてご紹介します。メーカー別の対処法にも触れるので、氷ができないトラブルが発生した際の知識としてぜひ参考にしてみてください。
冷蔵庫で氷ができない主な原因
冷蔵庫で氷ができない主な原因は以下の8つです。それぞれの理由について解説します。
冷蔵庫を設置した直後で時間が足りていない
冷蔵庫内の製氷機能は、冷蔵庫が十分に冷えてから稼働します。そのため、冷蔵庫を購入したばかりや引っ越しをしたタイミングで冷蔵庫を設置した直後は庫内の温度が高く、氷ができません。
冷蔵庫内が製氷に適した温度まで冷えるまでには、1日程度かかることがあります。備え付けた直後に氷ができない場合は、ドアを開けずに1日待機してみましょう。
製氷機能や温度の設定が間違っている
以前から使っている冷蔵庫でありながら氷ができない場合は、自動製氷機能の設定を確認してみましょう。多くの冷蔵庫には自動製氷機能のスイッチがありますが、そのスイッチがオフになっていると製氷されません。
また、温度設定にも留意する必要があります。弱めの設定になっていると製氷機がうまく機能しない可能性があるため、「中」や「強」に変更してみましょう。変更後、ある程度時間が経過してから氷ができているかを確認してみてください。
給水タンクが正しく設置されていない
冷蔵庫の氷は、給水タンクから製氷皿に注がれた水を冷却して作られます。給水タンクや製氷皿が正しく設置されていない場合、製氷皿へ給水されず氷ができません。また、給水タンクの水量も確認しましょう。空になっていると製氷できないため注意が必要です。
給水タンクや製氷皿が正しくセットされているにも関わらず製氷されないときは、製氷皿が割れている恐れがあります。割れた箇所から水がこぼれてしまうと、氷は作られません。
検知レバーが誤作動を起こしている
冷蔵庫の製氷機は、製氷皿から落ちた氷を貯める貯氷ケースに設置された検知レバーで氷の量を量って一定量に調節しています。検知レバーに氷が触れると製氷が停止する仕組みですが、検知レバーが誤作動を起こしている場合は氷ができません。
検知レバーが誤作動を起こす理由として、貯氷ケース内に貯まった氷の高さが均一ではないことが考えられます。また、アイスや冷凍食品など氷以外のものが入っていたり、シャベルが検知レバーに触れていたりする場合も誤作動が起こるため注意が必要です。
霜が発生して庫内の温度が上昇している
冷蔵庫内の温度が安定せず氷ができないときは、霜が発生していないかを確認してみましょう。霜が冷気の吹き出し口付近に張り付いていると、庫内に冷風が行き届きません。庫内に冷風が行き渡るように、霜を取り除く必要があります。
冷蔵庫の電源を半日~1日程度落とすと霜を除去することが可能です。このとき、冷蔵庫の中身を出しておくように留意しましょう。また、霜が溶けて水漏れする恐れがあるため、タオルで水分を拭き取ることも大切です。
頻繁にドアを開け閉めしている
冷蔵庫の温度が上がると製氷時間が長くかかります。例えば、頻繁にドアを開け閉めしている場合、庫内の温度が下がりにくくスムーズに氷ができません。
また、冷蔵庫は放熱スペースに留意して設置する必要がありますが、十分に確保できていない場合も冷えが悪くなります。
製氷にかかる時間がいつもより長いと感じた場合は、冷蔵庫内の温度に影響する原因がないかを確かめましょう。その上で開閉回数を減らしたり放熱スペースを確保したりと、庫内の温度を維持する対策を取ることが大切です。
また、冷蔵庫を開けっ放しにすると電気代にも影響します。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
庫内に食品を入れすぎている
冷蔵庫内に食材がぎっしり入っていると冷気が全体に行き渡らなくなり、冷却効果が下がります。その結果、製氷に必要な温度まで下がらず、スムーズに製氷されません。さらに、食材が痛んだり電気代が上がったりといったデメリットもあります。
冷蔵庫内に入れる食品の量は7割程度を目安として、あまり詰め込みすぎないように留意しましょう。また、庫内の整理整頓を心がけると、製氷トラブルを回避できるだけでなく中を確認しやすくなり、フードロスも防げます。
季節の影響を受けている
冷蔵庫内の温度だけでなく、外気温も製氷機能に影響を与える要因です。夏の暑い時期は冷蔵庫内の温度が上がりやすく、その結果製氷時間が長くなります。
外気温の影響を受けないようにするには、設定温度を季節ごとに調整することが大切です。夏は「弱」だと冷え切らない恐れがあるため「強」に設定しましょう。
冷蔵庫がなかなか冷えないという悩みを抱えている人は、以下の記事も参考にしてみてください。
冷蔵庫で氷ができないときの対処法
冷蔵庫で氷ができない場合は、以下の対処法で解決する可能性があります。各対処法について詳しく解説します。
設定や設置を正しく行う
製氷機がうまく機能しないときは、自動製氷機能のスイッチが入っているかを確認しましょう。氷を作りたいときはオンに設定する必要があります。また、庫内の温度設定も重要です。外気温が高いときや冷蔵庫を設置して間もない場合は、「強」に設定するとよいでしょう。
その他、給水タンクや製氷皿の設置にも留意しなければなりません。正しい位置に設置されていないと氷ができないため注意しましょう。
冷蔵庫の設定温度に迷ったときは、以下の記事を参考にしてみてください。
製氷皿や給水タンクを掃除する
スムーズに製氷するには冷蔵庫の製氷皿や給水タンク、浄水フィルターを清潔に保つことも大切です。いずれも柔らかいスポンジで水洗いをするだけできれいになるため、手間がかかりません。特に浄水フィルターは流水で洗い流し、洗剤や漂白剤などを使わないように注意しましょう。
水道水を使って氷を作っている場合の掃除頻度は、1週間に1回が目安です。ただし、塩素殺菌されていない水は雑菌が繁殖しやすいため、3日に1回程度掃除することをおすすめします。
庫内の使い方を見直す
正しく設定や設置をしているのに冷蔵庫で氷ができない場合は、庫内の使い方を見直してみましょう。冷蔵庫は一定の温度を保つ上でも、不必要に開閉しないことが大切です。また、庫内を整理して冷気の通りをよくするように留意する必要もあります。
その他、冷気を逃さない便利グッズを活用する方法もおすすめです。例えば、吸盤や粘着テープで取り付ける冷蔵庫カーテンを使うと、扉を開けた際の温度上昇を防げます。
修理を依頼する・買い替える
冷蔵庫の使い方を見直して冷気を逃さない工夫をしても氷ができない場合は、検知レバーやポンプ、モーターなどの故障が考えられます。冷蔵庫の修理は専門知識やスキルがないと困難です。そのため、故障した場合はメーカーのカスタマーサポートに連絡して、修理を依頼しましょう。
ただし、故障状況によっては数万円の修理費用がかかります。長く使用している冷蔵庫であれば、買い替えを検討したほうが賢明です。
なお、冷蔵庫のトラブルは氷ができないケースだけではありません。例えば、冷蔵庫からの水漏れに悩んでいる人も多いでしょう。以下の記事では水漏れの原因や対処法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
冷蔵庫の臭いについては以下の記事で解説しています。
冷蔵庫から異音がした場合の対策については、以下の記事をご覧ください。
冷蔵庫で氷ができないときのメーカー別の対処法
冷蔵庫で氷ができない場合の対処法はメーカーによっても異なります。続いては、メーカー別の対処法を解説します。
〈MITSUBISHI 三菱〉
三菱の冷蔵庫で数日間氷ができない場合は、設定を「製氷」にした上で、アイスサーバーや浄水フィルターなどのパーツを正しい位置に設置できているかを確認してみてください。また、アイスサーバーに貯まった氷が偏っていると製氷が停止するため、平らにならしましょう。
正しく設置しても氷ができない場合は、点検・修理が必要な可能性があります。冷蔵庫を購入した販売店もしくは「三菱電機修理受付センター」(0120-56-8634)に連絡しましょう。
※参考:三菱電機|よくあるご質問 FAQ
〈Panasonic パナソニック〉
パナソニックの冷蔵庫の製氷皿に給水されず氷ができない場合は、自動製氷機の動作確認を試してみてください。「製氷停止」ボタンを10秒以上押して給水タンクの水が減れば、正常に動作しています。水が減らない場合は給水ポンプの故障が考えられるため、修理が必要です。
また、操作パネルに「H21」と表示された場合は製氷皿に異常が発生しています。給水ポンプの故障と同様に点検や修理、部品を交換しなければならないため、「修理ご相談窓口」(0120-878-554)に問い合わせましょう。
※参考:パナソニック|よくあるご質問
〈TOSHIBA 東芝〉
東芝の冷蔵庫で氷ができない場合は、給水パイプと給水ポンプが正しく取り付けられているかを確認しましょう。また、給水タンクの水位線まで水を入れることもポイントです。その他、庫内操作パネルやコントロールパネルに「製氷オフ」のランプが点灯しているときは解除してください。
故障が疑われる場合は、「Web修理受付」もしくは「東芝生活家電ご相談センター」(0120-1048-76)に問い合わせてみましょう。その他、LINEでもお問い合わせが可能です。
※参考:東芝|よくあるご質問
〈SHARP シャープ〉
公式ページの「サポート・お問い合わせ 冷蔵庫」のページから、「Q1氷ができない」を選択すると「故障診断ナビ」が開きます。「確認事項」や「診断」を選択していくと、適切な対処方法に誘導してくれるので試してみてください。判定結果が「故障」と表示された場合は、「修理受付へ」から申し込みができます。
その他、「修理相談窓口」 (0120-02-4649)や「お客様ご相談窓口」(0120-078-178)に相談することも可能です。
※参考:シャープ|サポート・お問い合わせ
※参考:シャープ|冷蔵庫 故障診断ナビ
※参考:シャープ|電話相談窓口のご案内
※参考:シャープ|修理相談窓口のご案内
〈HITACHI 日立〉
日立の冷蔵庫で氷ができない場合は、公式ページの「使いかた動画:氷がまったくできない」を参考にしてみてください。動画を視聴してもトラブルが解決しない場合は、購入した販売店または日立の「修理相談窓口」(0120-3121-11)に連絡しましょう。
※参考:日立|お客さまサポート
※参考:日立|使いかた動画:氷がまったくできない
〈AQUA アクア〉
アクアの冷蔵庫で製氷しなくなった場合は、初めに設定や給水タンクの設置状況を確認しましょう。問題があれば正しい設定に変更し、給水タンクを設置し直してみてください。それでも解消しない場合は「お客様ご相談窓口」(0120-880-292)に問い合わせましょう。
※参考:アクア|よくあるご質問
〈SANYO 三洋〉
三洋の冷蔵庫で氷ができない場合は、庫内が冷えているかを確認しましょう。また、製氷の設定や給水タンクのセットに問題がある場合は、取扱説明書や公式サイトの「よくあるご質問」などを確認し、解決する必要があります。
公式サイトを参考に対処してもトラブルが解消しない場合は修理が必要ですが、三洋の家電製品における修理対応は2023年9月30日をもって終了しているため、買い替えを検討したほうがよいでしょう。
※参考:パナソニック|よくあるご質問
※参考:パナソニック|家庭用商品 修理受付・対応、商品ご相談業務終了のお知らせ
冷蔵庫の寿命や保証期間によっては買い替えを検討しよう
冷蔵庫で氷ができない原因として冷蔵庫の寿命も考えられます。内閣府が2023年に発表した「消費動向調査」によると、冷蔵庫の寿命は約13年です。一般的な寿命を超えて使用している場合は、買い替えることをおすすめします。
冷蔵庫の寿命については以下の記事も参考にしてみてください。
また、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の資料によると、電気冷蔵庫の補修用性能部品の保存期間は9年となっています。期間を過ぎると修理ができないため注意が必要です。なお、保存期間内であっても、メーカーの保証期間が過ぎれば修理費用がかかります。見積もりが想定よりも高くなった場合も買い替えを検討したほうがよいでしょう。
参考:内閣府|消費動向調査 令和5年3月実施調査結果
参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会|別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間
購入先ごとのメリット・デメリットや冷蔵庫の選び方については、以下の記事で解説しています。
冷蔵庫の買取相場や高く売るコツ、査定で重視される項目などについては、以下の記事をご覧ください。
まとめ
冷蔵庫で氷ができない原因はさまざまです。給水タンクや製氷皿が正しくセットできていなかったり、設定が間違っていたりした場合であれば自分で対処できます。しかし、どうしてもトラブルが改善しない場合は故障も考えられるでしょう。
修理に出すのも一つの手段ですが、手間やコストによっては買い替えを検討することをおすすめします。また、長く使っている冷蔵庫は寿命が来ていることも考えられるでしょう。
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