ダニが原因でアレルギーになり、かゆみなどの症状が出た経験がある人もいるのではないでしょうか。ダニは、布団やカーペットなど、日常生活で使用しているアイテムに潜んでいます。ダニ対策には掃除機が効果的といわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
この記事では、掃除機でダニを吸い取るコツや適した掃除機の選び方と併せて、ダニが繁殖しやすい場所やアレルギーについても解説します。掃除機を使用したダニの駆除方法について気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
掃除機でダニも吸い取れる?駆除できる?
吸引力の高い掃除機を使うと、ホコリやゴミと一緒にダニも吸い込めると思う人も多いでしょう。実は、掃除機で吸い込めるのは、「表面」に付着したダニやその死骸、フンのみです。
生きているダニの多くは、繊維の「奥」に潜んでおり掃除機では対処できません。その理由として挙げられるのが、吸盤のようなダニの脚先です。繊維にしがみついた状態になるため、簡単には吸い取れません。完全に吸い取るには、ダニを死滅させる必要があります。
しかし、アレルギーの発症原因になるのは、生体よりも死骸やフンとされています。そのため、掃除機だけでは根本的なダニ対策にはなりませんが、死骸やフンを吸い込むことでアレルギーの発症が抑えられる可能性もあるでしょう。
ダニの繁殖場所やアレルギー症状
ダニ対策をするためには、ダニに関する基礎知識を把握することが大切です。以下では、ダニの生態や繁殖場所、アレルギー症状について解説します。
ダニの生態や繁殖場所
ダニは、節足動物ですが昆虫とは別のグループに分類されており、クモやサソリの仲間とされています。地球上に2万種類のダニが存在しており、一般的によく知られているのは、ヒョウダニやコナダニ、ツメダニ、イエダニなどです。このなかで、ソファーや布団などに発生するヒョウダニの仲間であるチリダニがアレルギーの原因となります。
ダニが屋内に侵入する理由のひとつが、衣類やペットの毛です。また、屋外だけでなく外出先で座ったソファーや電車の座席などに潜んでいたダニが付着して自宅に運ばれるケースもあります。そのため、どこでもダニが繁殖する可能性があることを理解しておきましょう。
ダニによるアレルギー症状
アレルギー疾患の原因は、花粉や食べ物などさまざまですが、実に8割がダニによるものだといわれています。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみがダニアレルギーの4大症状とされ、悪化すると喘息発作を引き起こす可能性もあるでしょう。
重篤な症状を引き起こさないためにも、普段からダニ対策をすることが重要です。ダニアレルギーを防ぐには、隅々まで掃除機をかけてダニの死骸やフンを吸い取る必要があります。具体的には、ダニが繁殖しやすい家具や寝具の湿度を下げたり、定期的に布団・クッションなどのカバーを洗濯したりするとよいでしょう。
こうした対策を組み合わせて室内を清潔にすることで、ダニが繁殖しにくい環境を構築できます。
掃除機でダニを効果的に吸い取るコツ
掃除機でダニを吸い取る際は、コツを押さたうえで実施しなければ効果的に吸い取ることは困難です。
ここからは、ダニを掃除機で吸い取るコツを解説します。
部屋を暗くしてから掃除機をかける
先述した通り、表面にいるダニは掃除機で吸い取れます。しかし、繊維の奥に潜んでいるダニは表面までおびき出さなければなりません。ダニは夜行性であり、基本的に暗い場所に生息しています。また、活発に動き始めるのも暗くなってからです。
そのため、掃除をする前は1時間程度電気を消して部屋を暗くしておきましょう。昼間に掃除をする場合は、カーテンを閉め切って光を遮断する必要があります。こうしてダニの習性を逆手にとることで、家具や寝具の表面にダニが出てくるでしょう。その結果、生きているダニも掃除機で吸い取りやすくなります。
ゆっくりと丁寧にかける
生きているダニは、脚先で繊維をつかんでいるため、簡単に吸い取れません。できるだけ多くのダニを吸い取るには、掃除機をゆっくりと動かし丁寧にかけるようにしましょう。
また、一定方向ではなく多方向に向けて掃除機をかけるのも効果的です。布団やカーペットに人のフケ・食べかすなどが残っているとダニの餌になり、すぐに繁殖してしまいます。そのため、ダニに限らず普段の生活における汚れを残さないように、隅々まで掃除機をかけることも重要です。
布団やカーペットなどの両面をかける
掃除機でダニを吸い取る際は、布団やカーペットの両面に掃除機をかけることが大切です。ダニは表面だけでなく裏面にも潜んでいます。特に、日中は日の当たらない裏面に潜んでいる可能性が高いでしょう。
表面のダニを吸い取ったとしても、裏面にダニが潜んでいれば再度繁殖する可能性があります。そのため、表面だけでなく裏面にも掃除機をかけるように心がけましょう。
吸引力の高い掃除機を選ぶ
掃除機の吸引力は製品によってさまざまです。ダニのように吸い取るのが困難である場合は、吸引力の高い掃除機を選ぶことをおすすめします。特に、サイクロン式や布団クリーナーは、ダニ対策に適しています。
また、ブラシやたたき機能が備わっているタイプの掃除機であれば、繊維の奥に潜むダニも出てくるため、より効率的にダニを吸い込むことが可能です。
掃除機がゴミを吸わなくなって困っている人は以下の記事を参考にしてみてください。
掃除機以外でできるダニ対策
ダニ対策は掃除機で吸い込む以外の方法でも可能です。以下では、ダニ対策として掃除機以外の方法を解説します。
日光に当てて干す
暗いところを好むダニは日光が苦手です。そのため、ダニが繁殖しそうな家具や寝具は日光に当てて干すと繁殖を防げます。
ただし、天日干しをする際は湿度が高い早朝や夕方は避けましょう。晴れている日中でも、雨が降った翌日は適していません。
また、天日干しでは繁殖は抑えられますが、生きているダニは死滅しないため、裏面に逃げている可能性があります。効果的にダニを除去するには、他の方法と併用してダニ対策を行うことが大切です。
布団乾燥機を使う
ダニは、50~60℃以上の高温で死滅します。天日干しではここまで高温にならないため、布団乾燥機を活用する方法もおすすめです。
布団乾燥機は、布団の湿気をとったり寝る前に温めたりするのに役立ちます。ダニ対策をする際は、60℃以上に設定して20~30分程度乾燥させましょう。乾燥が完了したら、掃除機で吸い取ると死滅したダニやフンを除去できます。
ただし、布団乾燥機は機種によって対応する温度が異なるため注意が必要です。ダニ対策を目的とする場合は、高温設定ができるものや「ダニ対策コース」が備わっているものを選びましょう。
布団乾燥機を活用したダニ対策については以下の記事でも詳しく解説しています。
布団乾燥機の効果が知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
洗濯可能なものはこまめに洗濯する
定期的な洗濯もダニ対策に効果的です。ベッドや枕、ソファーのカバー、シーツなどはこまめに外して洗いましょう。上記で挙げたアイテムは、生活するうえで毎日使用しているため、人のフケや皮脂などが落ちており、ダニが繁殖しやすい環境といえます。
布団を洗う場合は、クリーニング店の丸洗いサービスを利用すると布団を傷めずにダニや汚れを落としてくれます。また、家庭用洗濯機にも、布団洗いやダニ対策に特化したコースが備わっているタイプがあるので活用を検討してはいかがでしょうか。
ただし、洗濯をしただけでは生きているダニを駆除することはできません。根こそぎ駆除するには、他の方法を併用する必要があります。
スチームアイロン・クリーナーを使う
ダニは熱に弱いため、スチームアイロンやクリーナーもダニ対策に効果的です。製品によっては100℃近い熱を発するので、ダニの繁殖を抑えるだけでなく死滅させられます。
実際にスチームアイロンやクリーナーを使う際は、対象物から数10cm程度離して蒸気をかけましょう。素材によってはスチームの熱に負けて傷んでしまう可能性があります。また、スチームをかけ終わったら掃除機を使って死滅したダニを吸い込むことも大切です。
ダニ駆除シートや殺虫剤を使う
ダニを死滅させるには、ダニ駆除シートや殺虫剤も役立つでしょう。
ダニ駆除シートには、粘着タイプと乾燥タイプがあり、粘着タイプはダニが好む臭いでおびき寄せて粘着シートで捕獲します。一方で、乾燥タイプはおびき寄せられたダニに吸水性の物質を付着させて乾燥させ死滅します。ダニの体のほとんどは水分でできているため、乾燥タイプのほうが効率的に除去しやすいでしょう。
また、気軽にダニ駆除をしたいのであれば、殺虫剤が向いています。スプレータイプであれば、布団や枕、ソファーなどに吹きかけるだけで駆除が可能です。部屋全体の対策を希望する場合は、燻煙タイプが適しているでしょう。
燻煙タイプを使用する際は、駆除完了後にしっかりと換気を行うことが大切です。殺虫剤を使用した後は、隅々まで掃除機をかけて死滅したダニの死骸やフンを吸い取りましょう。
ダニ駆除業者に依頼する
ダニ対策が追いつかず家全体にダニが大量発生してしまった場合は、ダニ駆除業者に依頼することをおすすめします。業者であれば専用の道具や薬剤を使い、徹底的にダニを退治してくれるのでダニアレルギーに悩まされている人も安心です。
一般的に、ダニ駆除業者による作業は2~4時間程度で終わるので、忙しい人でも依頼しやすいでしょう。また、保証期間を設けている業者であれば、駆除作業後にダニが再発生した場合も対応してもらえます。
ダニ対策に効果的な掃除機の選び方
掃除機はダニ対策に役立ちますが、種類が多くあるため効果的なタイプを選ぶことが大切です。ここからは、ダニ対策に適した掃除機の選び方を解説します。
布団のダニ対策なら布団クリーナーを選ぶ
布団のダニ対策を検討している場合は、布団クリーナーが適しています。布団クリーナーは、布団の掃除に適した設計になっており、布団の表面や繊維の奥のゴミやホコリを吸い取る家電です。ふんわりとした布団の質感や形状でも吸い取りやすく、掃除機よりもコンパクトなサイズなので収納場所にも困らないでしょう。
製品によっては、UVランプや吸い残しを知らせるセンサーが備わっているタイプもあり、ダニの死骸やフンをしっかり除去できるうえに、除菌効果も期待できる点が魅力です。
布団掃除用アタッチメントがある掃除機を選ぶ
掃除機だけでダニ対策をしたいという人は、布団掃除用アタッチメントが備わったタイプを選ぶとよいでしょう。掃除機の先にアタッチメントを取り付けるだけで、布団クリーナーと同じように掃除することが可能です。アタッチメントを外せば、通常通りカーペットや床の掃除もできます。
また、別売りしている布団用ノズルを購入すると、普段使っている掃除機が活用できるのでコスト削減にもつながるでしょう。
掃除機と布団クリーナーの両方を所有した場合、2台分の置き場所を確保する必要もあるため、収納スペースを広げたくない人におすすめです。
集じん方式を確認する
掃除機には、以下に挙げる3つの集じん方式があります。
- 紙パック式
- カプセル式
- サイクロン式
紙パック式は、専用の紙パックに吸い込んだゴミを溜めるタイプです。溜まったゴミは紙パックごと捨てられるため手入れがしやすく、捨てる際にホコリが舞いにくい特徴があります。そのため、ダニアレルギーの人や赤ちゃんがいる家庭などで活用することをおすすめします。ただし、紙パックは使い捨てなので、その都度交換しなければなりません。
カプセル式は、紙パックが不要な集じん方式です。吸い込まれたゴミはダストボックス内のフィルターに集まります。微細なダニの死骸も逃しにくいため、ダニ対策に向いているでしょう。ただし、フィルターが目詰まりしないようにこまめな手入れが欠かせません。
サイクロン式は、カプセル式と同様に紙パックを使わない集じん方式です。カプセル方式はフィルターでゴミと空気を分離しますが、サイクロン式では遠心力を活用します。吸引力が高く繊維の奥にあるダニの死骸やフンも吸い込みやすい点がメリットです。水洗いできるタイプを選べば、より衛生的に使用できるでしょう。
カプセル式とサイクロン式は、紙パックを買う必要がないので、コストを抑えたい人にもおすすめです。一方で、ゴミを捨てる際にホコリが舞いやすいため注意しましょう。
UV機能や温風機能つきを選ぶ
確実にダニ対策を施したいのであれば、UV機能や温風機能が備わったノズルを使用するのがおすすめです。いずれの機能も、ダニの死骸やフンの対策だけでなく生きているダニ対策にも適しています。
UV機能は、ダニの死骸やゴミを吸い込む際にUVを照射する機能です。ダニの繁殖を抑制するほか、除菌効果も期待できます。
一方で、温風機能つきのノズルを使うと、湿気の除去が可能です。特に、悪天候が続いて湿気が多いときは、ダニが繁殖しやすいため温風機能が役立つでしょう。
ゴミ取りセンサー機能つきを選ぶ
掃除機によっては、ゴミ取りセンサー機能が備わっているタイプがあります。掃除機をかけても、目に見えないホコリやダニの死骸などが吸い取れていないケースもあるでしょう。ゴミ取りセンサー機能があれば、こうした微細なゴミを検知してくれるため、逃さず吸い取れます。
特にダニ対策で掃除機を使う場合、センサーがない掃除機だと吸い残しによりアレルギーが解消されません。少しでもダニの死骸やフンを減らし、快適な生活をするためには、こうした高度な機能が搭載された掃除機を選ぶことをおすすめします。
掃除機をかけるときは、近隣にも配慮して時間帯に留意することが大切です。以下の記事で詳しく解説しているのでご一読ください。
掃除機の臭いや集じん方式による寿命については以下の記事で詳しく解説しています。
掃除機の買い替えを検討中の人は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
ダニアレルギーを発症すると、かゆみや鼻水などが発生し、悪化すると喘息発作を引き起こします。このような症状を引き起こさないためにも、ダニ対策を行うようにしましょう。
掃除機を活用すると、アレルゲンとなるダニの死骸やフンを吸い取れます。ただし、掃除機にもさまざまな種類や性能があるため、ダニ対策に適したタイプを選ぶことが大切です。
ダニ対策を踏まえて掃除機の買い替えを検討している人は、今回の記事を参考にしてみてください。
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