日頃から炊飯器の「保温機能」を利用している方は多いのではないでしょうか。なかには、「ご飯はどれくらい保温できるのか」「保温し続けるリスクはないのか」などの疑問や不安を抱いている方もいるかもしれません。
そこで、この記事では炊飯器の保温機能について解説します。保温時間の目安や長時間保温し続けるリスクのほか、ご飯を保温する際の注意点も説明するので参考にしてください。
なお、炊飯器には寿命があります。購入や買い替えをご検討の際は、ぜひ〈2ndSTREET セカンドストリート〉をご利用ください。各メーカーの炊飯器をはじめとして、幅広いアイテムを取り扱っています。
炊飯器の保温機能とは?
炊飯器の「保温機能」とは、炊き上がったご飯の温度を保つ機能のことです。この機能には、水分の蒸発や細菌の繁殖を抑える役割もあります。
ここでは、保温機能の温度や電気代の目安について紹介します。
炊飯器の保温の温度
一般的な炊飯器の場合、保温機能の温度はおおよそ60~75度です。ただし、温度は炊飯器によって異なり、「高め」「低め」のように温度設定を選べる機種も販売されています。
なかには、ご飯の保温状態を判別し、自動で高温・低温を調節してくれる炊飯器もあります。
炊飯器の保温に掛かる電気代の目安
保温機能に掛かる電気代は、炊飯器の機種や地域ごとの電気料金によっても変わりますが、おおむねご飯の量から計算できます。
保温機能を1時間使用する場合、電気代の目安はご飯の量が3~5.5合なら約0.4円、5.5~8合であれば約0.5円です。
仮に10時間保温を続けたとすると、電気代はおおよそ5円となり、これは1回の炊飯に掛かる電気代と同程度です。
ご飯の保温は何時間まで大丈夫?保温時間の目安
炊飯器の取扱説明書には、保温時間の限度が記載されています。取扱説明書によれば、マイコン式の炊飯器は12時間、IH式では24時間を限度とする場合が多いようです。
しかし、長時間保温をしたまま放置すると、ご飯から水分が抜け、変色などが生じる原因となります。そのため、ご飯の状態が悪くならないようにするために、6時間を超える保温は避けたほうがよいでしょう。
ご飯を炊飯器で長時間保温し続けた場合のリスク
ご飯を炊飯器で長時間保温し続けることには、以下のようなリスクがあります。
- ご飯が乾燥し固くなる
- ご飯が黄ばんでしまう
- ご飯が腐る・異臭がする原因になる恐れも
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ご飯が乾燥し固くなる
ご飯は、炊飯器で長時間保温すると味が落ちてしまいます。これは、お米から水分が抜けて乾燥するためです。
具体的には、食感がパサパサして固くなる、見た目にもツヤがなくなるなどの変化が生じます。
ご飯が黄ばんでしまう
長時間の保温によって、ご飯が黄色く変色してしまう場合があります。これは、お米に含まれる糖とアミノ酸が「メイラード反応」を起こすためです。
メイラード反応は、パンや肉を焼いたときに焼き色が付く現象としても知られています。食品を黄色や茶色に変色させるため、ご飯が黄ばんでしまうのです。
メイラード反応には、高温の状態が続くほど起こりやすいという特徴があります。そのため、保温時間が長くなれば、ご飯が変色する可能性も高くなります。
ご飯が腐る・異臭がする原因になる恐れも
お米には、「バチルス菌」と呼ばれる菌がもともと含まれています。バチルス菌は高温下でも生存し、炊き上がったご飯の水分と栄養素によって繁殖するため注意が必要です。炊飯器の保温機能を長時間使用すると、ご飯が腐るリスクがあります。
国民生活センターによると、24時間を超えて保温し続けたご飯から異臭が発生した事例が報告されています。このケースでは、保温は24時間までと定められている炊飯器が使用されていました。ご飯が腐るリスクを避けるには、保温機能はメーカーが定める範囲内で使用することが重要です。
ご飯を保温する際の4つの注意点
リスクなくご飯を保温するには、何に気を付ければよいのでしょうか。ここでは、そのための4つの注意点について説明します。
- 白米以外の保温は避ける
- ご飯を継ぎ足すのは避ける
- 炊飯器内を清潔に保つ
- 保温時はしゃもじを入れたままにしない
白米以外の保温は避ける
炊飯器メーカーの多くは、炊き込みご飯のような味の付いたご飯の保温を推奨していません。これは、具材から出る水分によって、ご飯の食感が悪くなってしまうためです。また、炊飯器への臭い移りや、部品の傷みが生じる恐れもあります。
臭い移りは、味の付いたご飯に含まれる調味料の臭いが炊飯器の内部に染み付いてしまうために起こります。加えて、ご飯から出る塩分などを含む水蒸気が、金属部分やパッキンなどのパーツを傷める可能性も否定できません。
白米以外のご飯は、炊飯器での保温を避けましょう。
ご飯を継ぎ足すのは避ける
冷やご飯が残っているときは、炊飯器で炊いたご飯に継ぎ足して一緒に保温したくなるかもしれません。しかし、ご飯の継ぎ足しは雑菌の繁殖や、乾燥によるパサつきの原因になります。
一度炊飯器から取り出したご飯は、再度炊飯器に戻さないようにしましょう。
炊飯器内を清潔に保つ
炊飯器に汚れが残っていると、保温中に雑菌が繁殖する要因となる場合があります。炊飯器を安全に使用するには、内釜や内ぶた、蒸気口などをこまめに掃除して綺麗な状態を保つことが大切です。
炊飯器の内側には、綺麗なようでも目に見えないカビなどが付着しているかもしれません。付属の取扱説明書などで、正しいお手入れ方法をチェックしておくことをおすすめします。
保温時はしゃもじを入れたままにしない
炊飯器の内釜に、しゃもじを入れたままにするのは避けましょう。持ち手の部分に付着した雑菌が、保温しているご飯の中で繁殖してしまう恐れがあるためです。
なお、炊飯器の温度が下がることも、雑菌の繁殖につながるため注意が必要です。保温中のふたの開けっぱなしや頻繁な開け閉め、保温を切った状態でのご飯の放置などは避けるように心掛けましょう。
ご飯を保存するなら「冷凍」がおすすめ!保存・解凍方法や賞味期限の目安
ご飯を一度に食べきれないときは、保温するよりも冷凍するのがおすすめです。冷凍保存したご飯は、時間が経ってもおいしく食べられます。ここからは、ご飯のおいしさを保ちながら冷凍・解凍する方法などを紹介します。
- 冷凍方法
- 解凍方法
- 冷凍したご飯の賞味期限
冷凍方法
冷凍するご飯は、1食分(茶碗1杯分など)に分けて優しくラップで包むか、ご飯専用の冷凍保存容器に入れましょう。このとき、水蒸気を逃がさないように手早く作業を行なうと、ご飯の水分を保ちやすくなります。
なお、ご飯は熱いまま冷凍庫に入れると、庫内に霜が発生したりほかの食品にダメージを与えたりする場合があります。ラップで包んだ(または容器に入れた)ご飯は、常温で荒熱を取ってから冷凍庫に移しましょう。
ご飯を素早く冷凍できる、急速冷凍機能が付いた冷凍庫を活用するのもおすすめです。
解凍方法
冷凍したご飯の解凍には、電子レンジを用いるのがおすすめです。温め時間については、電子レンジの機種によって異なるため取扱説明書などで確認してください。
なお、ご飯の量が多いと解凍にムラが出ることがあります。この場合は、ある程度まで解凍したら別の容器に移すか、軽くかき混ぜてから再加熱するとよいでしょう。
冷凍したご飯の賞味期限
冷凍したご飯は長い期間保存が可能ですが、保存期間(賞味期限)としては、1ヵ月程度を期限として食べきりましょう。
理想としては、2週間程度です。冷凍していても少しずつご飯の味は劣化していきます。早めに食べたほうがおいしく頂けます。
まとめ
炊飯器のご飯をおいしく保つには、保温を5~6時間までとするのが目安です。メーカーが定める範囲を超えた保温は、腐敗の原因にもなるため注意しましょう。最後までおいしく味わうためには、長時間の保温を避け、冷凍保存するのがおすすめです。
なお、炊飯器のなかには、自動でより適切な保温ができる機能を備えた機種もあります。新しく炊飯器を選ぶ際は、保温機能についてもチェックしてみましょう。
セカンドストリートでは、幅広いメーカーのさまざまな炊飯器を取り揃えています。炊飯器の購入や買い替えを検討している方は、ぜひご利用ください。