製氷機付きの冷蔵庫で作った氷に、カビや塩素の臭いが発生して困っている人も多いのではないでしょうか。健康に害がない安全な氷を作るには、普段から製氷機の掃除が欠かせません。
今回は、冷蔵庫の製氷機を掃除する方法と併せて、製氷機のカビ汚れを防止する方法を解説します。製氷機の掃除方法に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
冷蔵庫の製氷機の掃除方法
まずは、冷蔵庫の製氷機の仕組みを踏まえて掃除の方法についてみていきましょう。
製氷機の仕組み
冷蔵庫の製氷機は、「給水タンク」「製氷皿」「貯氷ケース」の3つのパーツで構成されています。なお、冷蔵庫における製氷機は、給水タンクから吸い上げた水を製氷皿に移動し、氷となって貯氷ケースに貯まる仕組みです。
機種によって設定はさまざまですが、一般的には貯氷ケースに貯まった氷の量に併せて、何度も製氷を繰り返します。自動製氷機であれば、貯氷ケースが満杯になったことをセンサーで感知するため、作りすぎる心配はありません。
クエン酸を使った簡単にできる掃除方法
冷蔵庫の製氷機を掃除する際に問題となるのが、給水タンクと製氷皿をつなぐ管の部分です。給水タンクや製氷皿、貯氷ケースは取り外して洗えますが、管を直接洗うのは難しいため、放置するとカビが発生する可能性があります。
そこで、製氷機の掃除には「クエン酸」と「食紅」を用いるのが効果的です。まず、給水タンクに水とクエン酸、食紅を入れて混ぜ合わせたうえで製氷をしましょう。続いて、普段と同じように水道水を使って製氷する工程を3~5回程度繰り返します。はじめはピンク色の氷が作られますが、回を重ねるごとにピンク色が薄くなり、透明の氷になれば管の掃除は完了です。
食紅はクエン酸が洗い流されるタイミングを確認するのに使用しますが、ない場合は使わなくても問題ありません。管内の水垢を取る役目はクエン酸が果たしており、ダイソーやセリアなどの100均でも手に入るので手軽に掃除を行えます。
給水タンクの掃除方法
給水タンクもカビが生えやすいパーツであるため、定期的な掃除が必要です。できれば、「1週間に1回」の頻度で掃除を行いましょう。
給水タンクの掃除は、先述した管の部分を洗うよりも比較的簡単に行えます。頻繁にお手入れをすれば、冷蔵庫から取り外して水道水で洗い流すだけで問題ありません。
ただし、長期間掃除をしていなかった場合、給水タンクにカビが発生している可能性があります。カビを除去するには、ハイターのような「塩素系漂白剤」やカインズの「自動製氷機クリーナー」を活用するとよいでしょう。
製氷皿と貯氷ケース の掃除方法
給水タンクは、冷蔵庫の冷蔵部分に設置されていますが、製氷皿と貯氷ケースは冷凍部分にあるため、基本的にカビは発生しません。そのため、「1年に1~2回」の頻度で掃除すれば問題ありません。
冷蔵庫によっては、製氷皿が取り外せないタイプもあります。取り外せるタイプであれば水洗いが可能です。取り外せないタイプの冷蔵庫には、製氷皿清掃という機能が搭載されているケースがあります。こうした機能を活用することで、健康に害がない安全な氷を作れるでしょう。
冷蔵庫の製氷機を掃除しないとどうなる
冷蔵庫の製氷機を長期間掃除しなかった場合、さまざまな悪影響が発生します。自宅で健康に害がない氷を作るためにも、以下の内容を正しく理解しておきましょう。
氷が塩素臭くなる
冷蔵庫内は低い温度が保たれているため、「カビは発生しないだろう」と油断して、掃除したことないという人も多いでしょう。しかし、低温でもカビは死滅せず、ある程度の湿度があれば繁殖します。そのため、製氷機の掃除を長期間行わなかった場合、氷がカビ臭くなってしまうでしょう。
また、水道水に含まれるカルキの臭いが氷に残ることもあります。カルキは水道水を衛生に保つために添加される成分です。製氷機内には浄水フィルターが備わっており、水道水のカルキを抑制します。しかし、浄水フィルターのお手入れを怠ると氷に塩素やカルキの臭いが付着するため、定期的なフィルター交換が必要です。
氷から異臭がすると、腐ったのではないかと心配になりますが、原料は無機物の水であり基本的には腐りません。しかし、カビや汚れが付着した状態の悪い氷を口にすれば、食中毒の要因になりかねないでしょう。このことから、氷を頻繁に使用する人は、定期的に製氷機を掃除することをおすすめします。
製氷できなくなることがある
冷蔵庫の製氷機の清掃を長期間しなかった場合、浄水フィルターの目詰まりが発生します。その結果、氷が塩素臭くなるだけでなく製氷できなくなるケースもあるでしょう。
浄水フィルターの目詰まりが気になる場合は、取り外して水洗いしましょう。「1週間に1回」の頻度で掃除を行えば、目詰まりしにくくなります。なお、浄水フィルターを洗ってもカビやカルキの臭いがする場合は交換すべきです。目安としては、「3~4年に1回」の頻度で交換することをおすすめします。
冷蔵庫で氷ができない原因は他にも考えられます。主な原因と対処法は以下の記事で解説していますので、ぜひご一読ください。
冷蔵庫の消臭方法については、以下の記事をご覧ください。
冷蔵庫の製氷機のカビ汚れを予防するコツ
製氷機のカビ汚れを予防するには、普段の使い方に留意する必要があります。
まず大切なポイントとして挙げられるのは、浄水器の水やミネラルウォーターを使用しないことです。冷蔵庫の製氷機には、「水道水」が適しています。水道水は、カルキが加えられており殺菌された状態であるため、カビが繁殖しにくいです。
また、製氷機を使用しない日が続く場合は、「製氷機能を停止」しておきましょう。なお、給水タンクに水を入れたまま放置すると、湿度が高くなりカビが発生しやすい環境となってしまうため注意が必要です。
日常的に製氷機を使っている人は、定期的に掃除をして清潔に保つことをおすすめします。冷蔵庫の製氷機における掃除の頻度は、以下を参考にしてください。
給水タンク | 1週間に1回 |
浄水フィルター | |
製氷皿 | 1年間に1~2回 |
貯氷ケース |
なお、給水タンクと製氷皿をつなぐ管の掃除は、1~2ヶ月に1回の頻度で行うとよいでしょう。
冷蔵庫の製氷機を掃除しやすいメーカー
冷蔵庫の製氷機を掃除する方法は、メーカーによって異なります。ここからは、冷蔵庫の製氷機を掃除しやすいメーカーについてみていきましょう。
<MITSUBISHI 三菱>
三菱の冷蔵庫は、製造年によって製氷機のタンクの種類が異なります。2011~2014年に製造された「たて型タンク」と2015年以降製造の「よこ型」タンクの場合は、給水タンクと製氷皿を取り外して1年間に1~2回の頻度で掃除を行いましょう。
一方で、2021年度以降に製造された「埋めっちゃタンク」は、給水パイプが短く全ての部品を外して洗うことが可能です。給水タンクと製氷皿だけでなく、ポンプやタンクパイプ、フィルターなども取り外して洗いましょう。なお、掃除の頻度は1ヶ月に1回程度が理想です。
<HITACHI 日立>
日立の冷蔵庫のなかには、「製氷おそうじ」機能が備わったタイプがあります。これは、給水タンク内の水を活用して製氷機の管部分や製氷皿を掃除する機能であり、製氷室 を自動的に掃除することが可能です。
また、製氷皿の横にレバーが備わっている機種は、レバーをスライドすると製氷皿が取り外せます。清潔な状態を保つためにも、1年間に1~2度の頻度で水洗いをしましょう。
<SHARP シャープ>
シャープの冷蔵庫は、製造年によって製氷機の分解の仕方や組み立て方が異なります。自動製氷機能搭載機種は簡単に分解できますが、年式を確認したうえで公式ページや取扱説明書などを参考にして正しく掃除をすることが大切です。
特に、2012年以前のモデルは、蓋にパッキンが装着されているので汚れが溜まりやすくなっています。そのため、丁寧に掃除をしてカビや汚れの発生を防ぎましょう。
<Panasonic パナソニック>
パナソニックの冷蔵庫に備わっている自動製氷機を掃除する際は、「給水タンク」「製氷皿」「貯氷ケース」の3つのパーツを取り外し、水道水で洗い流します。ただし、製氷皿は取り外せないタイプもあるので注意しましょう。
浄水フィルターも水洗いができますが、消耗品であり定期的な交換が必要です。パナソニックの公式ページから消耗品を購入できるので、ぜひ活用してみてください。
<TOSHIBA 東芝>
東芝の冷蔵庫は、製氷機の各部品によって掃除の頻度が異なります。給水タンク、タンクフタ、パッキン、浄水フィルターは、1週間に1回の頻度で掃除を行いましょう。給水パイプや給水ポンプについては、1ヶ月に1回の頻度の掃除で問題ありません。
まとめ
冷蔵庫の製氷機を清潔な状態に保つには、定期的な掃除が必要です。冷蔵庫のメーカーや機種によって、パーツの分解方法が異なりますが、一般的には「給水タンク」「製氷皿」「貯氷ケース」の3つのパーツに分かれて取り外しできます。
基本的に、それぞれのパーツは水洗い可能です。ただし、水洗い後は乾いたことを確認してからパーツを組み立てるようにしましょう。なお、掃除をしても氷に不快な臭いが発生したり、製氷しなくなったりした場合は、買い替えを検討することをおすすめします。
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