寒い季節を快適に過ごすには、電気ストーブやエアコンなどの暖房器具が欠かせません。いずれも電気代がかかるアイテムであり、できれば節約したいと思う人も多いでしょう。
そこで、今回は電気ストーブとエアコンの電気代はどちらが安いかを解説するとともに、節約する際のポイントについて解説します。暖房器具の電気代が気になっているという人は、ぜひ参考にしてみてください。
暖房器具の電気代を計算する方法とは
暖房器具の電気代を比較する前に、電気代単価の目安や1時間あたりの電気代の計算方法について解説します。
電気代単価の目安
電気ストーブやエアコンを含む電化製品を駆動させるのに必要な電力を「消費電力」といいます。消費電力は「W(ワット)」や「kW(キロワット)」という単位で表示され、1000W=1kWです。一般的に、カタログや商品ラベル、取扱説明書で消費電力を確認できます。
また、電力量を表す単位を「kWh(キロワットアワー)」といい、1時間で1kWの電力を使用する場合は「1kWh」です。例えば、5kWの電力を5時間使った場合の消費電力量は25kWhとなります。
家電製品の電気代を算出する際、1kWhあたりの電力料金単価を知る必要があります。電力料金は地域によって異なる可能性がありますが、目安単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めており、2024年現在は1kWhあたり31円(税込)です。
1時間あたりの電気代の計算方法
1時間あたりの電気代は、「消費電力(kW)×電力料金単価(円/kWh)」で算出できます。電力料金単価の目安は1kWあたり31円(税込)に設定されているので、消費電力が300Wの暖房器具を1時間使った場合の電気代は以下の通りです。
0.3kW(3W)×31円/kWh=9.3円 |
電気代は、消費電力に比例して高くなります。暖房器具の電気代が気になる人は「消費電力が低い」アイテムを選ぶようにしましょう。
電気ストーブとエアコンの電気代はどちらが安い?
暖房器具のなかでも一般的な家庭で多く使われているアイテムとして、電気ストーブやエアコンが挙げられます。それぞれにかかる電気代は異なるので、コストを抑えたい人は購入する前にどちらが安いかを把握したうえで検討しましょう。
ここからは、電気ストーブとエアコンの電気代について解説します。
電気ストーブの電気代
電気ストーブは、電気で熱を生み出して空間を暖める暖房器具です。どの家庭にもあるアイテムですが、エアコンと比べると電気代が高いというイメージをもっている人も多いのではないでしょうか。
電気ストーブと一括りにしても「ハロゲンヒーター」「カーボンヒーター」「セラミックファンヒーター」「パネルヒーター」「オイルヒーター」など種類が豊富にあります。この種類によって、発電する仕組みや使用用途が異なるため、用途に合わせた電気ストーブを用いるようにしましょう。
例えば、ハロゲンランプの熱と光を活用したハロゲンヒーターは、狭いスペースをすぐに暖めるうえで役立つ電気ストーブです。一方で、広い空間をじっくりと暖めるには、温められたオイルからの輻射熱を活用するオイルヒーターが適しています。
一般的なハロゲンヒーターを活用した場合の、1時間あたりの電気代目安は以下の通りです。
・400W:約12.4円 ・800W:約24.8円 ・1200W:約37.2円 |
電気ストーブの多くはパワーの強弱を切り替えられるため、状況に合わせて消費電力を調整することで電気代の節約につながります。
エアコン(暖房)の電気代
エアコンの電気代は、製品自体の性能や使う部屋の広さ、設定温度などによって異なります。例えば、6畳用のエアコンと比べると、14畳用のエアコンは電気代が高くなるでしょう。
また、外気温との差が大きいほど電力を消費する点も特徴といえます。外気温が1桁台に到達する寒い時期は、室内の設定温度との差が10度以上になり、夏よりも外部との温度差が開きやすいです。そのため、冷房と比べて暖房の消費電力が高くなる傾向にあるでしょう。
一般的な部屋のサイズである6畳~12畳の場合、エアコン(暖房)の消費電力は最小105W~最大2,000W程度 です。つまり、1時間あたりの電気代の目安は、3.25円~62円程度となります。
一般的な使用方法であればエアコンのほうが電気代が安い
暖房器具を選ぶ際、電気ストーブとエアコンの電気代はどちらが安いか気になる人が多いでしょう。
前章でも触れたように、エアコンの最大消費電力は電気ストーブよりも高くなる傾向にあります。しかし、1,500~2,000Wの電力を必要とするケースは稀であり、一般的な家庭ではほとんどありません。一人暮らしであれば、なおさら小さい電力で補えるでしょう。
また、エアコンの消費電力は設定温度に達するまでが大きく、それ以降は安定します。一方で、電気ストーブは、部屋の温度に関係なく一定の電力を使い続けるため、長時間使用するほど電気代が高くなる点が特徴です。
つまり、日常生活で暖をとる場合の電気代は、電気ストーブよりエアコンのほうがリーズナブルといえます。電気ストーブや電気ファンヒーターとエアコンのどちらが経済的か悩んでいる人は、エアコンを選んだほうが賢明でしょう。
使用方法によって電気ストーブのほうが電気代が安くなるケースがある
電気ストーブは、狭いスペースを短時間だけ暖めるのに役立つ暖房器具です。スイッチを入れるとすぐに発熱するため、脱衣所やトイレなどを使用するタイミングだけ暖めたい場合も無駄なコストがかかりません。
このように、使用方法によってはエアコンよりも電気ストーブの電気代が安くなるケースがあります。電気ストーブを生活に取り入れる場合は、メリット・デメリットを理解したうえで効率よく使用することが大切です。
電気代が安い暖房器具のランキング
暖房器具は、アイテムによって消費電力が異なります。電気代が安い暖房器具のランキングは以下の通りです。
順位 | アイテム名 | 1時間の電気代目安 |
1位 | 電気あんか | 約0.01円〜約0.15円 |
2位 | 電気毛布 | 約0.1円〜約0.8円 |
3位 | こたつ | 約2.2円〜約5.4円 |
4位 | ホットカーペット | 約2.6円〜約11.4円 |
5位 | エアコン | 約3.25円〜約62円 |
6位 | 電気ストーブ | 約12.4円〜約37.2円 |
暖房器具のなかでも電気代が安いアイテムとして、「電気あんか」や「電気毛布」が挙げられます。いずれも、一時間あたりの電気代目安は最大でも1円以下とリーズナブルです。しかし、これらの暖房器具は一般的に就寝時に活用するアイテムであり、日中に空間を暖めるのには適していません。
リビングや居間など家族が団欒する場所で活用する際に、電気代を抑えるのであれば「こたつ」が重宝します。こたつの1時間あたりの電気代目安は「弱」が約2.2円、「強」が約5.4円であり、電気ストーブと比べるとリーズナブルといえるでしょう。
暖房器具を生活に取り入れる際は、設置するスペースの広さや使うタイミング、用途などを考慮したうえで、電気代が安いアイテムを選ぶことをおすすめします。
電気ストーブやエアコンの電気代を節約するポイント
電気ストーブやエアコンの電気代を節約するためには、以下に挙げるポイントを抑えることが大切です。
設定温度を見直す
環境省の公式ページでは、エアコンの設定温度を1℃緩和させるだけで、暖房時の電気代が約10%抑えられると明記しています。例えば、暖房の温度を23℃設定から20℃に下げるだけで、約30%も節約できる計算です。
電気ストーブを使う場合も、設定温度が高すぎたり低すぎたりすると長時間稼働する必要があり、電気代に大きく影響します。
そのため、暖房器具の電気代が気になるという人は、設定温度を見直すことが大切です。
電気ストーブとエアコンを使い分ける
暖房器具の電気代を抑えるには、使用用途にあったアイテムを選ぶことが大切です。
例えば、リビングや寝室のような広いスペースを暖める場合、電気ストーブでは長時間かけても部屋全体が暖まりません。また、電気代もかさむため、効率的に暖めるにはエアコンを活用したほうが賢明でしょう。
一方で、狭い範囲や一部分をすぐに暖めたいときは、電気ストーブが重宝します。特に、トイレや脱衣所などは使用したとしても短時間であるため、電気ストーブであれば電気代もそれほどかかりません。
このように、暖房器具はアイテムによって適した用途が異なります。状況に合わせて使い分けるだけでなく、必要があれば併用するようにしましょう。
省エネ性能の高い暖房器具に買い替える
電気ストーブやエアコンなどの暖房器具を購入する際に、省エネ性能の高いタイプを選ぶことも電気代節約のポイントです。
昨今では、地球温暖化が進み、CO2削減が世界中の課題となっています。暖房器具も省エネにこだわった製品が多く見られます。例えば、速暖性に優れた電気ストーブや部屋の温度をコントロールして消費電力を節約するエアコンなどが挙げられ、こうした最新機能が搭載された暖房器具は古いタイプと比べて格段に電気代が抑えられるでしょう。
また、省エネ性能の高い暖房器具を使用すれば、電気代の節約だけでなく、地球環境の保全にも貢献できます。暖房器具の買い替えを検討している人や、新たに購入する予定がある人は、省エネラベルや消費電力を確認したうえで検討することをおすすめします。
まとめ
電気ストーブやエアコンを購入するうえで、気になるポイントのひとつが「電気代」です。暖房器具はアイテムによって適した使用用途があり、使い方を間違えば電気代にも大きく影響します。また、設定温度や省エネ性能の高さに留意するだけでも、電気代を抑えることが可能です。
現在使っている暖房器具の電気代が高くて悩んでいる人は、正しい使い方をしているか確認してみましょう。例えば、広い空間を暖めるのに電気ストーブを使っている場合は、エアコンに変える必要があります。また、狭い空間を一時的に暖めたい人は速暖性の高い電気ストーブを使用するのが望ましいでしょう。
お得に暖房器具を購入もしくは買い替えするのであれば、リユースショップやリサイクルショップ の利用をおすすめします。全国に800店舗を超える実店舗とオンラインストアを運営する〈2nd STREET セカンドストリート〉では、電気ストーブやエアコンをはじめとする暖房器具を多く取り揃えています。新品よりもリーズナブルな価格で購入できるので、新たに暖房器具の購入を検討している人は、買い替え時にもご利用いただけます。
不要になった暖房器具の処分でお困りの場合も、セカンドストリートにご相談ください。新しいモデルは買取価格が高くなりやすいため、ぜひお早めに買取に出してみてはいかがでしょうか。
また、ファンヒーターとエアコンの電気代比較に関しては、下記でも詳しくご紹介しているのでぜひご覧ください。