ガスファンヒーターは、ガスを使用することから、「ほかの暖房器具よりもお金がかかるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
暖房器具を選ぶ際には、ガス代や電気代といったランニングコストのほか、メリットやデメリットも理解し、総合的に判断することが大切です。
この記事では、ガスファンヒーターのガス代・電気代を、エアコンなどの暖房器具と比較します。また、節約のポイントや、ガスファンヒーターのメリット・デメリットについても解説します。暖房器具を選ぶうえでの参考にしてください。
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ガスファンヒーターとは

ガスファンヒーターとは、ガスを燃焼させて発生させた熱を、ファンで部屋に送り出す暖房器具のことです。スイッチを入れると、本体から温風が吹き出します。
ガスファンヒーターには、大きく分けて都市ガス用とプロパンガス用があります。購入する際は、自宅で契約しているガスに合った製品を選びましょう。また、ガス栓につないで使用するため、暖めたい部屋にガス栓がない場合は、別途設置工事が必要です。
ガスファンヒーターのような「ヒーター」と「ストーブ」の違いを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ガスファンヒーターのガス代・電気代は高い?

ガスファンヒーターを使用すると、ガス代と電気代がかかります。
ここでは、都市ガス用のガスファンヒーターで消費電力13W(0.013kW)の場合を例に、ガス代と電気代の目安を以下にまとめています。
利用時間(期間) | ガス代 | 電気代 |
1時間 | 約12~50円 | 約0.4円 |
1日(8時間) | 約96~400円 | 約3.2円 |
1ヵ月(30日) | 約2,880~1万2,000円 | 約96円 |
※電気代の目安単価は31円/kWh(税込)
※1時間当たりの電気代は「消費電力(kW)×電気代の目安単価(円/kWh)」で算出
ただし実際には、外気温度や設定温度、部屋の広さなど、使用環境によって料金は変動します。また、プロパンガス用を使用した場合は、都市ガス用よりもガス代が高い傾向です。
上表の金額を見て、ガスファンヒーターのランニングコストが高いと感じた方もいるでしょう。しかし、ほかの暖房器具と比べて特別に高いわけではありません。
以下で、エアコンや電気ヒーター、石油ファンヒーターのランニングコストと、ガスファンヒーターを比較してみましょう。
ガスファンヒーターとエアコンの比較
エアコンの消費電力が625W(0.625kW)の場合、電気代は以下の通りです。
利用時間(期間) | エアコン | ガスファンヒーター | |
電気代 | ガス代 | 電気代 | |
1時間 | 約19.4円 | 約12~50円 | 約0.4円 |
1日(8時間) | 約155.2円 | 約96~400円 | 約3.2円 |
1ヵ月(30日) | 約4,656円 | 約2,880~1万2,000円 | 約96円 |
今回の試算では、エアコンとガスファンヒーターのランニングコストは同等か、ガスファンヒーターのほうが高くなる可能性があります。
なお、エアコンは稼働中の消費電力の変動が大きいため、電気代に差が出やすい点に注意しましょう。
ガスファンヒーターと電気ヒーターの比較
電気ヒーターとは、セラミックヒーターやパネルヒーターなど、電気を熱源とする暖房器具を指します。消費電力が1200W(1.2kW)の電気ヒーターの場合、電気代の目安は以下の通りです。
利用時間(期間) | 電気ヒーター | ガスファンヒーター | |
電気代 | ガス代 | 電気代 | |
1時間 | 約37.2円 | 約12~50円 | 約0.4円 |
1日(8時間) | 約297.6円 | 約96~400円 | 約3.2円 |
1ヵ月(30日) | 約8,928円 | 約2,880~1万2,000円 | 約96円 |
単純には比較できませんが、ガスファンヒーターのガス代が一番安い1時間当たり約12円だった場合、電気ヒーターのランニングコストは約3倍の試算です。
電気ヒーターは、足もとなどの特定の場所や、狭い空間を暖めるのに向いています。スポット暖房として使う分には、消費電力を抑えやすいでしょう。
ガスファンヒーターと石油ファンヒーターの比較
石油ファンヒーターは、灯油を燃焼させて発生させた熱を使う暖房器具で、灯油代と電気代がかかります。消費電力13W(0.013kW)で、1時間当たり0.36リットルの灯油を消費すると仮定した場合、灯油代と電気代の目安は以下の通りです。
利用時間(期間) | 石油ファンヒーター | ガスファンヒーター | ||
灯油代 | 電気代 | ガス代 | 電気代 | |
1時間 | 約42円 | 約0.4円 | 約12~50円 | 約0.4円 |
1日(8時間) | 約336円 | 約3.2円 | 約96~400円 | 約3.2円 |
1ヵ月(30日) | 約1万80円 | 約96円 | 約2,880~1万2,000円 | 約96円 |
石油ファンヒーターの場合、原油価格が高騰していると灯油の値段が高くなり、ランニングコストも上昇します。
(※灯油代の目安単価は約117円/リットル(税込)、2024(令和6)年6月19日公表値)
ガスファンヒーターを使うメリット

さまざまな暖房器具がある中で、ガスファンヒーターが選ばれるのにはどのような理由があるのでしょうか。ここでは、ガスファンヒーターを使うメリットを紹介します。
部屋をすぐに暖められる
ガスファンヒーターは、ほかの暖房器具と比べて、部屋全体を素早く暖められるのがメリットです。スイッチをオンにしてから、5秒程度で温風が出てきます。
加えて、搭載されているファンの力により、暖かい空気を広い範囲へ行き渡らせることができます。とくに、寒い冬や冷え込みが厳しい朝などには重宝するでしょう。
部屋が乾燥しにくい
加湿機能のない暖房器具を使用すると、空気中の水分量は増えずに部屋の温度だけが上がるため、相対的に湿度が下がります。
ガスファンヒーターでは、ガスを燃焼する際に水蒸気が発生します。室温が上がっても、水蒸気により一定の湿度が保たれるため、部屋が乾燥しにくいのが特徴です。
乾燥しやすい冬に、部屋を暖めながら加湿の役割も兼ねられるのが魅力です。
燃料補給の手間がかからない
ガスファンヒーターの準備は、ガスコードをつなぐだけで完了です。石油ファンヒーターと異なり、燃料を購入・補給する手間がかからず、「使いたいときに燃料がなくなりそう」といった心配もありません。
また、燃料タンクがない分、コンパクトで扱いやすい製品が多いのも特徴です。灯油のような独特な臭いもないため、臭いに敏感な方でも使用しやすいでしょう。
ガスファンヒーターは危ない?使用時のデメリット

ガスファンヒーターには、購入前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。以下で詳しく見てみましょう。
こまめに換気しなければならない
換気をせずにガスファンヒーターを使用し続けると、排気ガスが充満して一酸化炭素中毒の原因になります。ガスには特有の臭いがなく気付きにくいため要注意です。
ガスファンヒーターを安全に使用するためには、30分~1時間に1回、数分間の換気をする必要があります。中でも高気密住宅の場合は、こまめな換気をとくに意識しなければなりません。
火災や火傷の危険性がある
ガスを燃料としているので、ガスファンヒーターの使い方によっては、火事や火傷につながる恐れがあります。具体的に以下のような行為はNGです。
- ガスファンヒーターのそばで洗濯物を乾かす
- スプレー缶をガスファンヒーターの周囲に置く
- 温風に長時間当たり続ける
ただし、これらはガスファンヒーター以外の暖房器具でも注意すべき内容です。正しい使い方を守れば、過度に心配する必要はありません。
フィルター掃除が必要になる
ガスファンヒーターのフィルターには、ほこりや汚れが付着します。ガスファンヒーターを清潔かつ正常に稼働させるためには、掃除機などでの定期的なフィルター掃除が必要です。
ガス代を節約しながらガスファンヒーターを活用しよう!ポイント4選

ここでは、ガスファンヒーターのガス代を節約する4つの方法を解説します。
1.設定温度を見直す
まずは、ガスファンヒーターの設定温度を確認しましょう。目安となるのが、設定温度20度です。
経済産業省「省エネポータルサイト」では、外気温度6度で、設定温度を20~21度にした場合、年間(ひと冬)で約1,320円の節約になる(※)と試算しています。
(※一日当たり9時間の使用を想定)
2.運転時間を短縮する
経済産業省「省エネポータルサイト」では、設定温度20度で、運転時間を一日1時間短縮すると、年間(ひと冬)で約2,150円の節約になるとしています。
ガスファンヒーターは必要なときにだけ運転させるのはもちろん、外出・就寝する15~30分前に運転を止めると効果的です。また、タイマー機能が付いているガスファンヒーターなら、決めた時間に自動でスイッチを切れるうえ、消し忘れ予防にもなって安全です。
3.部屋の隅に置く
ガスファンヒーターは、窓を背にして壁際に設置するのが効果的です。ガスファンヒーターが部屋の中央寄りになると、温まった空気が窓からの冷気で冷えてしまい、暖房効率が悪くなります。
また、断熱効果のあるカーテンを活用するのもよいでしょう。ただし、カーテンと窓を開けたうえでの換気は忘れないようにしてください。
4.エコモードを活用する
ガスファンヒーターの中には、エコモード(エコ運転機能)が搭載されているものもあります。具体的には、室温が設定温度に達すると自動で設定温度を下げ、暖めすぎを防ぐ機能です。
運転のオン・オフの切り替えも、室温と設定温度のバランスを見て自動で行なってくれるため、ガス代の節約につながるでしょう。
ガスファンヒーターの選び方

ガスファンヒーターを購入する際に最低限チェックしたい項目は、大きく分けて3つあります。ここでは、ガスファンヒーターの選び方を紹介します。
ガスの種類
先述の通り、ガスファンヒーターには都市ガス用とプロパンガス用があります。自宅で契約しているガスの種類と合っていないものを使用すると、異常燃焼の原因となるため注意が必要です。
なお、オール電化住宅の場合などは、新たにガスの契約やガス栓の設置工事が必要なケースもあるでしょう。
対応畳数
効率的に部屋を暖めるためには、部屋の広さとガスファンヒーターの対応畳数を合わせることが大切です。
本体価格が高いからといって対応畳数が小さいものを選んでしまうと、部屋を暖めるためにパワーが必要となり、結果的にランニングコストが割高になってしまいます。
機能・安全性
最近のガスファンヒーターは性能が高く、以下のようにさまざまな機能が搭載されています。
- タイマー機能
- エコモード
- 不完全燃焼防止装置
- 転倒時ガス遮断装置
- 空気清浄機能
- 人感センサー機能
- ボタンロック機能
- 自動消火機能
とくに小さなお子さんやお年寄りの方がいる家庭では、安全性の高い製品を選ぶのがおすすめです。
まとめ
都市ガス用のガスファンヒーターの場合、ガス代は1時間当たり約12~50円です。設定温度や運転時間に注意し、エコモードを活用することで、低燃費な使い方ができるでしょう。
ただし、プロパンガスを使用する場合は、都市ガスよりもガス代が高くなる可能性があります。オール電化住宅では、ガスの契約とガス栓の設置が必要になるでしょう。また、こまめに換気をしないと危険なことなど、デメリットにも注意が必要です。
このような点が気になる方は、設置が簡単な電気ファンヒーターや石油ファンヒーターの検討をおすすめします。
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