暖房器具は、寒い季節を快適に過ごすうえで欠かせないアイテムです。しかし、暖房器具には、ストーブやエアコン、こたつなどさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
そこで今回は、暖房器具の種類について特徴を含めて解説します。併せて、暖房器具の選び方も紹介するので、寒いシーズンに向けて新たな暖房器具の購入を検討中の人はぜひ参考にしてみてください。
暖房器具の種類の一覧表
以下は、15種類の暖房器具の一覧をまとめた表です。
暖房器具 | 特徴 |
エアコン | 広範囲を安全かつ、手軽に暖められる |
オイルヒーター | 室内を乾燥させにくく、静音性が高い |
パネルヒーター | コンパクトサイズなので、狭い部屋でも使いやすい |
ハロゲンヒーター | 狭い範囲や体の一部を暖めることに適している |
カーボンヒーター | 熱効率が高く、室内をすぐに暖められる |
シーズヒーター | 遠赤外線で体の芯まで暖められる |
セラミックファンヒーター | 灯油やガスを使用しないため、臭いが気にならない |
石油ファンヒーター | 石油を燃やして温風を出すため、暖かい空気を循環させられる |
ガスファンヒーター | ガス栓と接続して使用するため、燃料補給が不要 |
石油ストーブ | 暖房能力が高く電源も不要であるため、屋外でも使用可能 |
ガスストーブ | 熱効率が高く、広い空間を暖めるのに適している |
電気カーペット | 足元を暖めるのに適している |
こたつ | テーブル型の暖房器具で電気代を抑えられる |
電気毛布・電気あんか | 就寝時に体や足元を暖められる |
その他(カイロ・湯たんぽなど) | 電気が不要で手軽に暖められる |
暖房器具の種類と特徴
次に、前章で紹介した15種類の暖房器具について、それぞれ詳しく解説します。
エアコン
エアコンは、室内全体を均一に暖めるのに適した暖房器具です。リモコン一つで温風が出るほか、火傷や火事のリスクが低いため、年齢を問わず気軽に利用できます。
また、機種によっては、加湿機能や空気清浄機能、人感センサーなどが備わっています。このような機能を駆使すれば、より生活しやすい快適な空間となるでしょう。さらに、エアコンには暖房だけでなく、冷房や除湿機能が備わったタイプが多いため、季節に関係なく一年中活躍します。
ただし、本体価格はほかの暖房器具と比べて高く、設置する際は工事費が必要です。そのため、初期コストが高くなりやすいといえます。
オイルヒーター
オイルヒーターは、内部に密封された熱伝導率の高いオイルを電気で温め、本体に備わったパネル内で輻射熱を発生させて空間を暖める暖房器具です。体の芯から温まりやすく、温度ムラも少ないため、部屋全体に暖かい空気が行き渡ります。
また、静音性が高いので、寝室で利用するのにおすすめです。
ただし、速暖性は低いため、すぐに室内を暖めたい場合はオイルを使わない「オイルレスヒーター」が適しています。
パネルヒーター
パネルヒーターは、薄型のパネル内に埋め込まれたヒーターの輻射熱で、部屋全体を暖める暖房器具です。オイルヒーターと同じく、燃料が不要であるため、臭いが発生しません。
本体サイズは、オイルヒーターよりもスリムで軽量であり、狭いスペースを暖めるのに適しています。デザイン性が高いアイテムも多いため、インテリアに合わせて選びやすい点も魅力といえるでしょう。
ただし、熱効率がそれほど高くないため、部屋全体をすぐに暖めたい場合には適していません。室内をすぐに暖めたい場合は、ほかの暖房器具と併用する必要があります。
ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを使用した暖房器具で、電源を入れた直後から加熱が始まります。そのため、起床後や帰宅時など、冷えた空間をすぐに暖められる点が魅力です。
本体サイズはコンパクトな形状であるため、持ち運びがしやすく、場所を選ばず使用できます。また、本体価格もほかの暖房器具に比べるとリーズナブルであり、数千円で購入できるタイプもあります。
ただし、広い空間を暖めるには不向きといえます。狭い空間や体の一部を暖めたい場合におすすめです。
カーボンヒーター
カーボンヒーターは、電気を流して温めた炭素繊維を活用して空間を暖める暖房器具です。ハロゲンヒーターより熱効率が高く速暖性に優れています。さらに、遠赤外線を利用しているため、体の芯から温まりやすい点も魅力といえるでしょう。
本体価格は、ハロゲンヒーターよりも高めですが、電気代はハロゲンヒーターの半分程度に抑えられます。ただし、暖房能力が低いため、部屋全体を暖めたい場合には不向きといえるでしょう。トイレや脱衣所などの狭い空間を暖めたい場合に適しています。
シーズヒーター
シーズヒーターは、金属パイプ(シース)で発熱体のニクロム線を覆ったヒーターを電気で温めるタイプの暖房器具です。遠赤外線の放出量が多く暖房能力が高いため、ほかの電気ストーブよりも効率的に暖められます。
ただし、熱源が温まるまでに時間がかかるので、すぐに部屋全体を暖めたい場合は不向きといえるでしょう。また、本体価格はカーボンヒーターやハロゲンヒーターよりも高めです。
セラミックファンヒーター(電気ファンヒーター)
セラミックファンヒーターは、セラミックで覆われた電熱線を電気で温めて、放射された熱をファンで送り出す仕組みの暖房器具です。コンパクトで軽量なタイプが多く持ち運びしやすいため、コンセントがあれば使用できます。
ただし、出力が弱いため広い部屋全体を暖めるのには向いていません。トイレや脱衣所など、狭い場所を短時間暖める場合に適しています。
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは、灯油を燃焼させたエネルギーで温風を発生させる暖房器具であり、部屋全体を暖めるのに適しています。点火スピードが早いモデルもあり、寒い朝や帰宅時に冷えた部屋をすぐに暖めたい場合に活躍するでしょう。エアコンと比べると、室内が乾燥しにくく、電気代もリーズナブルです。
ただし、給油をする手間がかかるほか、ファンを回すため電源が必要です。また、燃焼の過程で室内の空気が悪くなるため、定期的な換気が必要になります。
ガスファンヒーター
ガスファンヒーターは、ガスを燃焼させて温風を発生させます。暖房効率が高く、広い部屋を暖める際にもおすすめです。また、ガス栓につなぐだけで使用できるため、石油ファンヒーターのように燃料を補給する手間がかかりません。ほかの暖房器具に比べると、コンパクトな製品が多く、狭いスペースに設置したい人に向いています。
ただし、設置場所にガス栓がない場合は工事が必要です。また、電気も使用するので、ガス代に加えて電気代もかかります。
石油ストーブ
石油ストーブは、灯油を燃やして発生した熱で空間を暖める暖房器具で、「反射式」と「対流式」の2種類があります。「反射式」は、輻射熱を活用するタイプであり、本体正面を暖める点が特徴です。一方で、「対流式」は、熱した空気の対流を活用して暖かい空気を循環させます。部屋全体を暖めるには、暖房能力が高い対流式のほうが適しています。
また、石油ストーブは燃料に灯油を用いるので、電気は必要ありません。そのため、電源がない場所や屋外で使用する際にもおすすめです。ただし、石油ファンヒーターと同様に、給油をする手間がかかります。
ガスストーブ
ガスストーブは、ガスを燃焼させて空気を暖めます。「ガス式」と「ガスボンベ式」の2種類があり、ガスボンベをセットするタイプであれば、場所を選ばず使用可能です。
熱した空気と冷たい空気との温度差で対流を起こして空間を暖める仕組みになっており、熱効率が高いので広い部屋を暖めたい場合に適しています。また、温風が発生しないため、ホコリやハウスダストが舞いにくい点も魅力です。
ただし、ガス栓につなぐタイプは、ガス管がない場所では使用できません。
電気カーペット(ホットカーペット)
電気カーペットは、電熱線が織り込まれた敷物であり、ホットカーペットともいわれます。電熱線を電気で発熱させることでカーペットの表面が温まる仕組みで、足元の冷えが気になる際におすすめです。燃料を使用しないため、小さいお子様がいる家庭でも安心して使用できます。
ただし、部屋全体を暖めるのには適していません。また、使い方によっては低温火傷の可能性があるため、注意が必要です。
こたつ
こたつは、日本で古くから活用されている暖房器具の一つです。暖房器具のなかでは消費電力が少ないため、電気代を抑えたい人や省エネタイプの暖房を探している人に向いています。
ただし、こたつの外の空気を暖めることはできません。また、こたつをつけたまま寝てしまうと、脱水症状を引き起こす可能性があります。
電気毛布・電気あんか
電気毛布や電気あんかは、就寝時に布団を温める際に活躍する暖房器具です。電気毛布は、電気カーペットと同じ仕組みで、毛布に電熱線が織り込まれています。一方で、電気あんかは湯たんぽのような形状で、足元を暖めるのにおすすめです。
コンセントにつなぐだけで使用できるので、気軽に暖を取りやすいアイテムといえるでしょう。
ただし、長時間使用し続けると低温火傷を引き起こす可能性があります。そのため、使用する際は、就寝前だけ布団を温めたり、タイマーを活用したりするなどの工夫が必要です。
その他
カイロや湯たんぽ、床暖房なども広義に捉えれば暖房器具の一種です。カイロや湯たんぽは電気を使用しないため、電気代などのコストを抑えたい人に向いています。
一方で、床暖房は、床下に配置された熱源を活用して部屋を暖める設備です。温風が出ないため、ホコリやハウスダストが舞う心配がありません。ただし、初期費用が高いため、家計の状況に合わせて検討する必要があります。
【目的別】暖房器具の選び方
次に、暖房器具を選ぶ際のポイントを3つ解説します。
使う場所に合わせて選ぶ
暖房器具は、アイテムによって暖房能力が異なります。たとえば、広い部屋全体を暖める場合は、エアコンや石油ストーブ、ガスストーブ、オイルヒーターなどのアイテムを選ぶようにしましょう。
一方で、トイレを暖める際は、すぐに温風が出るセラミックファンヒーターが適しています。そのほか、起床時や帰宅時、お風呂上がりなど、限られた場所で体の一部を素早く暖めたい場合は、カーボンヒーターやハロゲンヒーターなどが向いています。
電気代や省エネ性能で選ぶ
暖房器具の多くは、電気を使用して熱源を暖めます。そのため、電気代が気になる人も多いでしょう。
電気代を抑えるには、こたつや電気カーペットなど消費電力が少ない暖房器具がおすすめです。また、近年では省エネ性能が高いエアコンや、石油ファンヒーターも多く登場しています。たとえば、人感センサーがついたタイプであれば、人がいなくなると自動的に停止するため、電気代の節約が可能です。また、設定温度に合わせて出力を調整する機能も省エネにつながります。
暖房器具の電気代については、以下の記事でも詳しく解説しているため、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
安全性の高さで選ぶ
小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭では、安全性の高さも検討材料である人は多いでしょう。特に、火を使用する暖房器具は、火事や火傷の可能性があるため、使用する際は十分な注意が必要です。安全性の高さが不安であれば、オイルヒーターやパネルヒーター、エアコンなど、燃料を使わないタイプの暖房器具を選ぶことをおすすめします。
なお、石油ファンヒーターを使用する場合は、「チャイルドロック」や転倒時に消火する「転倒オフ機能」「自動消火装置」などが備わっている製品を選びましょう。また、子どもやペットが触れられない場所に設置したり、ストーブガードを使用したりして、事故が発生しないための工夫を行うことで、安全性をより高められます。
まとめ
エアコンや石油ファンヒーター、オイルヒーターなど、暖房器具にはさまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、使用する状況に合わせて選ぶことが大切です。
また、暖房器具を選ぶうえで「電気代」も意識すべきポイントです。近年は、省エネ機能が充実したアイテムも多いため、複数の機種を比較したうえで検討するようにしましょう。
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