ストーブは、寒い季節を快適に過ごすうえで必要な暖房器具です。しかし、保管していたストーブを出してみると、ほこりや汚れが付着していた経験がある人も多いでしょう。ストーブの掃除をおろそかにすると、燃焼効率が悪くなったり故障につながったりしてしまいます。
そこで今回は、ストーブを自分で掃除する方法や業者に依頼して行う分解掃除について解説します。
ストーブの掃除方法
ストーブにはさまざまな種類があり、それぞれ掃除方法が異なります。以下では、石油ストーブ・石油ファンヒーター・FF式石油暖房機・電気ストーブの掃除方法についてみていきましょう。
石油ストーブ
石油ストーブとは、灯油を燃やして発生した熱で空間を暖める暖房器具です。コロナやトヨトミなどさまざまなメーカーが製造しています。
石油ストーブには、反射板からの輻射熱を活用する「反射型」と空気の対流を活用する「対流式」の2種類があります。いずれも使用する際に電気が不要であるため、災害時や屋外でも活躍するアイテムです。
反射型の石油ストーブは、熱源の奥に設置された反射板に汚れが付着しやすく、放置すると燃焼効率が下がります。掃除の仕方は簡単で、柔らかい布で反射板を拭くだけです。シーズン中も、月に1~2回程度の拭き掃除で燃焼効率が上がります。
また、反射型、対流型ともに、中央の燃焼筒に汚れがあると火事の原因になるため注意が必要です。掃除を行う際は、古い歯ブラシや乾いた布などを使って、煤(すす)やタールを取り除きましょう。
シーズンを終えたら、灯油タンクを空にした状態で点火し、火が自然に消えるまで燃やし続ける「から焼き」をします。このやり方により、芯内部の不純物を除去することが可能です。
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは、灯油を燃やして発生した熱を送風ファンによって部屋全体に送る暖房器具です。暖房能力が高く速暖性があるため、広い空間を暖めるのに適しています。
石油ファンヒーターでゴミやほこりが溜まりやすい部分として、温風空気取入口と燃焼空気取入口に設置されたフィルターが挙げられます。目詰まりが起きると異常燃焼や故障につながるため、掃除機を使って定期的に掃除を行いましょう。
また、油受け皿には灯油に混入したゴミを除去する給油フィルターが備わっており、目詰まりが起きると灯油の供給に影響します。シーズンに1回程度、給油フィルターをきれいな灯油で洗い流し、汚れを取り除きましょう。
FF式石油暖房機
FF式石油暖房機は「FFストーブ」ともよばれており、燃焼に必要な空気を室外から取り込んで、燃焼ガスを強制的に室外へ廃棄する仕組みです。そのため、室内の空気が汚れにくく換気の手間がかかりません。また、結露が少ないので、寒さが厳しい地域で多く使用されています。
FF式石油暖房器具の基本的な掃除の仕方は、1週間に1回程度、対流フィルターや温風吹き出し口のほこりを掃除機で吸い取るだけです。オイルフィルターの汚れが気になるときは、新しい灯油で洗い流してください。これらの作業は自分で行えますが、汚れた箇所や状態によっては専門業者に依頼することをおすすめします。
電気ストーブ
電気ストーブは、燃料を使わず電力のみで熱を発生させる暖房器具です。ピンポイントで暖めるのに適しており、トイレや脱衣所などの狭い空間で活躍します。
電気ストーブの内部には、反射板とヒーターのガラス管が備わっており、いずれも汚れやすい箇所です。反射板は住居用洗剤を含ませた柔らかい布で汚れを除去してから乾拭きを行ってください。ヒーターのガラス管は、台所用中性洗剤を20倍程度に薄めた洗浄液を使用し、固く絞ってから拭き取ります。手が届かない部分は、掃除機を使ってほこりを吸い取りましょう。
また、電気プラグの先端にほこりがついていると、火災につながる可能性があります。そのため、ほこりを取り除いてから使用することが大切です。
シーズン終了後のストーブの保管方法
暖房器具が活躍するシーズンが終わった後は、ストーブを丁寧に保管して翌年に備えましょう。ここでは、ストーブの保管方法を種類別に解説します。
石油ストーブ
石油ストーブを保管する際は、必ず給油タンクや固定タンク内の灯油が残っていないか確認する必要があります。灯油を翌年に持ち越すと劣化してしまい、故障や事故につながる可能性があります。そのため、保管する前に使い切るか、ポリタンクに移してガソリンスタンドやホームセンターなどに引き取ってもらいましょう。
また、長期間使用しない場合は電池を抜き取ることも大切です。電池をセットした状態で保管すると、液漏れが発生し、火災を引き起こす可能性があります。
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは、オイルフィルターやエアフィルターを掃除してから保管しましょう。
エアフィルターは、本体から外して掃除機やブラシで汚れを除去します。また、空気取入口に付着した汚れも併せて掃除しましょう。
オイルフィルターが汚れている場合は、付着したゴミや水を拭き取ってから新しい灯油で洗い流します。しつこい汚れには、歯ブラシを活用してこすり洗いを行いましょう。水を使うと灯油がろ過しなくなるため、必ず新しい灯油で洗ってください。
また、石油ストーブと同様に、給油タンクや固定タンク内の灯油が残らないように注意しましょう。
FF式石油暖房機
FF式石油暖房機の保管方法は、石油ファンヒーターと基本的に同じです。ほこりが残っていると燃焼効率が下がるため、丁寧に取り除きましょう。また、灯油は使い切るか、抜き取る必要があります。
本体は、据え付けた状態で保管するケースが一般的です。長時間使用しない場合は、電源プラグを抜いておきましょう。
電気ストーブ
電気ストーブも、その他の暖房器具と同様に、ほこりを取り除いてから保管します。柔らかい布で乾拭きするだけできれいになりますが、しつこい汚れの場合は薄めた洗剤を含ませて拭いた後に乾拭きをするとよいでしょう。
電気ストーブに限らず、ストーブを保管する際は高温多湿になりにくい場所を選ぶことが大切です。また、購入時に入っていた箱や保管用のカバーを活用すると、保管中のほこりや傷を避けられます。
石油ストーブの分解掃除
普段から丁寧に掃除を行っていても、長年使用しているストーブの内部には汚れや煤(すす)が溜まっています。そのまま使用すると、故障や燃焼不良につながるため、定期的に分解掃除を行うことが大切です。
分解掃除は、専門知識が求められる作業であり、素人では対応できません。プロのストーブ掃除業者に依頼して、自分では掃除しきれない場所の汚れを除去してもらいましょう。分解掃除を行うと、燃焼効率や安全性が高まります。
分解掃除にかかる料金は、ストーブの種類や業者によって異なります。そのため、見積もりをとったうえで、費用と作業が見合っているか判断するようにしましょう。
まとめ
ストーブは、寒い季節に欠かせない暖房器具であり、快適に使用するには定期的な掃除が大切です。掃除の仕方は、ストーブの種類によって異なります。この記事で紹介した内容を参考に定期的に掃除を行いましょう。
また、見た目がきれいでも煙や異臭がする場合は、分解掃除が必要となる可能性があります。専門知識を持ったストーブ掃除業者に依頼して、隅々まできれいにしてもらいましょう。掃除をしても燃焼効率が上がらない場合は、買い替えを検討することをおすすめします。
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