家庭内で音楽やホームシアター、ゲームを楽しむ際にこだわりたいものの一つがスピーカーです。音響を決める重要な役割を担っているのに加えて、種類を選ぶことで、より理想的な音環境を作ることができます。
最近ではテレワークが浸透しており、自宅で一人で音楽や映像作品、ゲームなどを楽しむ機会も増えているのではないでしょうか。そんなときに役立つのが指向性スピーカーです。
この記事では、指向性スピーカーに興味があり、調べている方向けに、指向性スピーカーの原理や特徴、家庭用の指向性スピーカーの特徴・選び方を解説します。またおすすめの家庭用指向性スピーカーの商品をご紹介しますので、ぜひ参考にされてください。
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指向性スピーカーとは?原理を解説
自宅で家族が周りで生活している中で、周囲に音が漏れない形で音楽や音声を聴きたいということもあるのではないでしょうか。そのようなときに利用されているのが、指向性スピーカーです。指向性スピーカーとはどのようなものなのか、その原理から解説します。
指向性とは
スピーカーには、「指向性」があります。
指向性とは、左右上下のどの方向に強く音を届けることができるかを表します。指向性が高いスピーカーもあれば、指向性の低いスピーカーもあります。
指向性が高いスピーカーは指向角(指向角度)が広く、数値が高くなります。指向角とは、スピーカーの真下の音と比較して、音の大きさが6dB(デシベル)小さくなる場所までの角度を表します。
また指向性は音の周波数によっても異なります。音は高い周波数になればなるほど高音になり、低い周波数になればなるほど低音になります。周波数が高いほど波長が短いため、高音ほど指向角が狭くなります。周波数が低いほど波長が長いため、指向角が広くなります。
つまり、低音ほどスピーカーの背面まで音は広がりやすく、高音ほど直進してスピーカーの目の前のほうによりとどまりやすくなります。
指向性スピーカーとは
スピーカーの中には、「指向性スピーカー」と呼ばれるものがあります。その意味と原理を確認しておきましょう。
指向性スピーカーとは、指向性が限定されたスピーカーの総称で、一般的なスピーカーと比較し、特定のエリアにしぼって音を届けられるスピーカーです。
例えば、指向角が狭いスピーカーは音が拡散しにくいことから、音漏れしないスピーカーとして取り扱われています。
さまざまに指向性を持たせることで多様な用途が生まれます。
例えば、イベントで屋外やホールのステージを利用する場合、指向角が広いスピーカーを利用することで、より広範囲に音を届けることができます。
一方、駅構内などの雑音の多い場所では、構内放送の音声を確実に届けるために、指向角が狭いスピーカーが使われることがあります。
またテレワーク中に周囲にWeb会議の音漏れを防ぐ目的で指向角の狭いスピーカーが使われることもあります。
市販のスピーカー製品は、一般的に指向角が測定された上で製品に表示されています。例えばスピーカーに一定の電気入力を加えながら、スピーカーの周囲360°の円周上の音圧レベルをマイクで測定する方法があります。中心の軸を基準にして、6dB音圧が小さくなったときの開き角が指向角となります。
超指向性スピーカーとは
指向性スピーカーの中には、超指向性スピーカーと呼ばれるものもあります。
超指向性スピーカーとは、特に指向角が狭いスピーカーの総称です。非常に指向角が狭くなると、周囲にはほとんど音が拡散せず直進します。よって、より狭い範囲にのみ音を届けたい場合に向いています。
超音波スピーカーやパラメトリックスピーカーとも呼ばれています。
超指向性スピーカーがそれほどまでに狭い範囲に指向角を狭めることができるのは、超音波の力を借りているためです。
超音波は指向性が高く、直進する性質を持っていることから、音をより狭い範囲に届けられます。さらに、アレイ構造という連続的に超音波の素子を並べた構造をとっていることで、より特定範囲に音を届けられるのです。
超指向性スピーカーは、エスカレーターやデジタルサイネージの音声案内や、テレワーク中のWeb会議やビデオ視聴など特定のエリア内の人にだけ音を聞かせたい場面で利用されています。
家庭用の指向性スピーカーの特徴やテレビやパソコン向けの選び方を解説
指向性スピーカーは、家庭での活用が進んでいることもあり、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。そこで、指向性スピーカーの特徴や選び方を解説します。
家庭での指向性スピーカーの活用シーン
家庭では、どのような用途で指向性スピーカーが活用されているのでしょうか。活用シーンを見ていきましょう。
・自宅で周囲を気にせず、自分だけにテレビや音楽の音を届けたい
家族や友人などと一緒に暮らしている人は、自宅の中で周囲にうるさくならないよう、自分だけテレビや音楽の音を聴きたいときもあるでしょう。ヘッドホンを利用することもできますが、日常音が聞こえにくくなり、耳を圧迫することから長時間の使用を避けたい人もいます。自宅に防音スペースを設けるのは現実的ではないことも多いでしょう。
そのようなときに指向角の狭い指向性スピーカーを利用して音を流すことで、ある程度、音漏れを防ぐことができます。
・テレワークで機密性を保ってWeb会議をしたい
コロナ禍により一気にテレワークが浸透しましたが、自宅で家族が周囲にいる中で、Web会議を行うときに機密性が保たれないことがあります。コンプライアンスなどの関係で実施がむずかしいといったケースも少なくありません。そうしたときに、指向角の狭いスピーカーを利用することで音漏れを減らし、機密性が保たれた状態でのテレワークが実現できる可能性があります。ただし、音漏れの度合いは環境やスピーカーによって異なるため、導入する際には、適切な選定が求められます。
家庭での指向性スピーカーの選び方
家庭では、どのような点に気をつけて指向性スピーカーを選ぶのが良いのでしょうか。基本的な選定ポイントをご紹介します。
・設置場所やスペックが用途に合っているか
指向性スピーカーは、家庭用から業務用までさまざまであり、指向角や大きさも異なります。設置場所やスペックをよく確認した上で、用途に合っているかをよく確認しましょう。
・高音質かどうか
高音質であるかどうかは、指向性スピーカーを選ぶ最大のポイントともいえます。いくら指向性が理想的でも、音質が低い製品を選んでしまうと使い勝手が悪くなります。その製品が音質にどれほどこだわっているのかをよく確認しましょう。
・音の届く距離を調整できるか
指向性スピーカーの中には、音の届く距離を調整できるものもあります。より遠くまで届けたいといったニーズがある場合は、調整できるかどうかをよく確認しましょう。
指向性スピーカーの家庭用おすすめスピーカー
家庭用の指向性スピーカーとしておすすめの商品を3つご紹介します。あくまで一例となりますので、選定の際のヒントにしてみてください。
〈SRAY エスレイ〉「指向性Bluetoothスピーカー CF-S100」
超小型の指向性のスピーカーで、家庭用から業務用まで幅広く利用されています。3つのスピーカーモードが搭載されており、限定的に音を届けられる指向性モード、より範囲を広げたハイブリッドモード、一般的なスピーカーとして使える通常スピーカーモードを切り替えて利用できます。
160gと軽量なので家庭内での持ち運びも楽にできます。3.5mmステレオケーブル、Bluetoothによる入力のほか、micro SDカードによる再生も可能です。
家庭向けの使い方として、周囲の環境音を聞きながら、自分にだけ音を届かせたいテレワーク中のWeb会議時の利用に推奨されています。
〈HSS JAPAN エイチエスエスジャパン〉「FS-Mini 小型超指向性スピーカー」
小型の超指向性スピーカーです。スピーカーは左右2つに分かれており、隣に置いても左右の音が混ざらず、またスピーカーを少しずらしただけで音が消えるほどの超指向性を持ちます。
指向性の角度は約15度であり、スピーカーから2~3m程度の位置であれば真正面からしか音は聞こえません。
スピーカー外寸は 170x70x40mm、スピーカー質量は317gと家庭でも利用しやすい仕様です。
〈Clarielle mini クラリエルミニ 〉「AIO-2GEN JDソリューション」
特定のエリアにだけ利用できる超指向性スピーカーです。指向性が狭く限られた範囲で音を聴かせたいシーンに有効です。アンプ一体型であることから、設置後、すぐに音を出せるのを特徴とします。
またスピーカーの角度の変更ができたり、天井への取り付けも可能であることから、業務用としての利用が想定されていますが、家庭内でのテレワーク用途にも利用できます。
まとめ
指向性スピーカーの原理や特徴、家庭用指向性スピーカーの選び方、おすすめの製品をご紹介しました。
指向性スピーカーは利用用途が幅広いのが特徴です。家庭においても有効活用したい方は、ぜひ最適な製品を選定しましょう。
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