普段当たり前に使っているテレビにエラーが発生し、視聴できなくなることがあります。テレビが受信できないと、毎週楽しみにしていたドラマやバラエティを視聴できません。また、地震や天候不良などが発生しているタイミングでは、貴重な情報源であるテレビが映らなくなることで、不安に感じる人も多いでしょう。
テレビが受信できない理由は、示されるエラーコードによって異なるため、いざというときに備えて把握しておくことが大切です。今回は、エラーが発生する原因や対策方法について解説します。
テレビが受信できないときに表示されるエラーコード
テレビが受信できないときに多く出るエラーコードは、以下の4つです。
・E201
・E202
・E203
・0020
エラーコードは原因によって異なり、それに見合った対処法を施さなければなりません。ここでは、エラーコード別に、原因と対処法を解説します。
E201と表示される原因と対処法
エラーコード「E201」は、アンテナのレベルが落ちて地デジの電波を十分に受信できない場合に表示されます。
このエラーが表示された場合は、テレビのメニュー画面もしくは、設定画面を開いてアンテナレベルを確認しましょう。受信強度が落ちている状態であれば、端子と機器の配線に障害が発生している可能性があります。
エラーを改善させるには、ケーブルの接続箇所に緩みがないか点検してみましょう。アンテナの角度や方向にズレが生じていれば、調整によって対処可能です。万が一、ケーブルが劣化もしくは損傷したり、アンテナ本体が破損したりしている場合は、交換が求められます。
また、台風やゲリラ豪雨など、天候が悪いときも一時的にレベルが落ちます。この場合、天候が回復すると持ち直すケースがほとんどです。ただし、風雨によってアンテナが曲がったりケーブルが切れたりする可能性もあるので、天候回復後に細かく点検したほうがよいでしょう。
E202と表示される原因と対処法
エラーコード「E202」は、必要な電波が届いていない場合に表示されます。すべての放送局が映らないだけでなく、一部もしくはBS/CSチャンネルのいずれかが受信できないケースも少なくありません。
主な原因として挙げられるのが、アンテナ端子とプラグの緩みや接続不良です。特に、引越しや模様替えなどでテレビを動かした後に起こりやすいため、再度テレビをつける際は、端子からケーブルが外れていないか点検しましょう。F型プラグであれば緩みにくいですが、一般的な住宅ではS型(直線)が多く、注意が必要です。
また、落雷や暴風雨などによってエラーが出た場合は、アンテナが壊れている可能性があります。交換が必要になりますが、高所作業になるので専門業者に依頼したほうが賢明です。
E203と表示される原因と対処法
エラーコード「E203」は、放送局側が休止している場合に表示されます。新聞のテレビ欄や放送局の公式サイトなどを確認して、放送休止のアナウンスが出ていればテレビ本体が破損したり問題があったりするわけでありません。
ただし、放送は正常なのにもかかわらずエラーが発生する場合は、アンテナの方向が変わっていたり、配線が緩んでいたりするほか、テレビ本体のトラブルが原因となっていることも考えられます。配線を調整したりテレビを再度立ち上げたりすると持ち直すこともあるので、一度試してみましょう。
それでも持ち直さないのであれば、落雷や暴風雨などが原因で部品が故障している恐れがあるため、専門業者に交換を依頼しましょう。
0020と表示される原因と対処法
エラーコード「0020」は、受信電波のレベルが落ちて受信できない場合に表示されます。
テレビは、電波塔から送信される電波をアンテナが受け取ることで視聴できます。「0020」は、映像を映すのに必要な電波が届いていない状態であり、一時的に電波状況が悪くなっているケースも少なくありません。しかし、状態が持ち直さない場合は、端子からケーブルが外れている可能性も否定できないため、点検してみましょう。
なお、アパートやマンションなどの集合住宅では、1本のアンテナで複数の家庭へ電波を送信する「共聴アンテナ」が使用されていることがあります。この場合は、管理会社に連絡して修理業者を手配してもらいましょう。
その他のエラーコードの原因と対処法
「E100」や「E205」などのエラーコードが表示された場合も、テレビが受信できない状態になっています。
「E100」は、テレビを視聴するのに必要なB-CASカードが挿入されていないことを示すエラーコードです。挿入されていてもエラーが生じる場合は、一度電源プラグとB-CASカードを抜いてください。そして、カードの裏面にあるICチップを乾いた布で拭き、正しい向きでテレビに挿入します。再度、電源プラグを入れてテレビをつけると、通常通り映るケースがほとんどです。
「E205」は、視聴できない放送局を選局した際に表示されます。これまで受信していた場合は、有料放送の契約が期限切れになっている可能性が高いため、ケーブルテレビ会社に連絡しましょう。
テレビが受信できないときの主な原因
テレビが映らない原因は、多く存在します。改善するためには、原因にあった対処を施さなければなりません。ここでは、テレビが受信できない原因を4パターン解説します。
アンテナ関連
アンテナの方向がずれていると、電波を受信できなくなり強度が低下します。特に、外部に設置してあるアンテナは、強風や大雨などで傾いたりずれたりするほか、アンテナプラグが接続不良を起こしているケースが多いため注意しましょう。
また、ブースターの故障もテレビのトラブルにつながります。ブースターとは、信号を増幅するための装置です。受信電波が弱いときに、ブースターがあると安定した電波を送信できます。しかし、ブースターは10年程度で寿命を迎えるとされており、故障した場合は交換が必要です。
なお、アンテナやブースターの調整・修理は、屋根上での高所作業となります。また、アンテナの種類によって調整方法が異なるので、安全かつ確実に作業するためにも専門業者に依頼するようにしましょう。
テレビ本体
テレビ本体のトラブルによって、テレビが受信できないこともあります。たとえば、B-CASカードが未挿入だったり、コンセントが挿さっていなかったりして、テレビが映らないケースも少なくありません。
そのほか、入力端子の接続間違えも原因の1つです。特に、アンテナの差し込み口が2つあるF型端子が備わっているテレビは、地上波とBS/CSで端子が独立しており、反対につなぐと正しく受信できません。
なお、テレビ本体の故障が原因でテレビが視聴できない場合は、修理や買い替えを検討する必要があります。
外部要因
アンテナやテレビ本体は正常であるにもかかわらず、視聴できない場合は外部要因の疑いがあります。一般的に考えられる原因は、雷や大雨、台風などの天候による影響です。この場合は、天気が回復すると電波状況も持ち直します。
また、テレビの配置を変えた後に受信状況が悪くなった場合は、近くに電子機器が設置されていないか点検しましょう。電子機器があった場合は、一時的に電源を落として様子を見ると、受信状況が持ち直す可能性があります。
その他
有料放送を受信するには、ケーブルテレビ会社と契約する必要があります。BSチャンネルのなかには、無料で視聴できるものもありますが、CSチャンネルは基本的に契約しなければ受信できません。視聴する場合は、受信契約をしたB-CASカードをテレビに挿入しましょう。
また、契約しているはずなのに視聴できなくなったケースでは、契約切れになっている可能性があります。ケーブルテレビ会社との契約状況を確認したうえで、必要があれば契約更新をしましょう。
テレビが受信できないときの自分でできる対処法
テレビが受信できない原因によっては、自分で解決できる可能性があります。ここでは、自分でできる対処法を6パターン解説します。
テレビを再起動する
テレビが映らない場合に、もっとも簡単にできる対処法がテレビの再起動です。テレビは、パソコンやスマホと同じく、再起動によってトラブルが改善する可能性があります。
テレビを再起動する際は、リモコンでテレビの電源を切りましょう。次に、アンテナプラグを端子から抜きます。すべての端子を抜いたのち、1分程度待ってから再度アンテナプラグを挿しましょう。最後に電源を入れたら再起動完了です。
端子を抜いて1分程度待つ間に、エラーがリセットされることがあります。再度立ち上げても持ち直さなかった場合は、他の方法を試してみてください。
チャンネル設定を見直す
番組表は映るけれど、受信できない場合はチャンネル設定を見直してみましょう。チャンネルを再読み込みすると、症状が改善する可能性があります。また、テレビは地域によって受信可能な放送局が異なるため、引越しを行った場合はチャンネル設定が必要です。
一般的に、チャンネルの再読み込みは、テレビのリモコンでメニュー画面を開いて、チャンネル設定のなかから「再スキャン」の項目を選択して実行します。ただし、チャンネル設定の方法は、メーカーや機種によって異なるため、事前に取扱説明書を確認しましょう。
ケーブルの接続を確認する
ケーブルの接続が緩んでいる場合も、テレビの受信が不安定になります。特に、テレビの裏側や壁との間など、目につきにくい場所は接続が緩んでいることに気づかない可能性が高いです。テレビ本体だけでなく、アンテナやコンセントなどを含めて、すべての接続箇所が緩みなく差し込まれているか点検しましょう。
緩んでいる部分があれば差し込み直し、ケーブルが破損している場合は新品に交換してみてください。
B-CASカードを抜き差しする
テレビが受信できないときは、B-CASカードも忘れずにチェックしましょう。B-CASカードは、テレビの挿入口に正しい向きで挿入しなければなりません。また、しっかり奥まで差し込むことも重要なポイントです。
差し込みが甘かったために受信が不安定になった場合は、一度B-CASカードを抜き取り、再度差し込むことで状態が持ち直す可能性があります。ただし、B-CASカードにはICチップが備わっているため、傷をつけないように注意しましょう。
アンテナの受信レベルを調整する
特定の放送局が視聴できない場合は、エラーが表示される放送局のアンテナの受信レベルを点検してみましょう。受信レベルが「不足している」もしくは「まったくない」と表示されている場合は、再スキャンすると改善することがあります。一般的に、50以上のレベルがあると十分だといわれていますが、テレビのメーカーや製造年、機種によって基準値が異なります。取扱説明書を読んでから調整してみてください。
受信レベルが十分あるにもかかわらず受信できない場合は、故障している可能性が高いでしょう。
ブースターの電源が入っているかを確認する
テレビを視聴しているときに、突然受信できなくなった場合は、ブースターの電源が落ちているパターンも考えられます。まず、ブースターの電源ランプをチェックして、電源が入っていることを確認しましょう。ランプが消えていたら、電源が切れているのでスイッチを「ON」に入れる必要があります。
ブースターの種類によっては、屋外に設置するタイプも少なくありません。こうしたケースでは、高所に設定されている事例が多いため、専門業者に依頼して確認してもらったほうが安全です。また、ブースターの寿命は10年程度といわれており、電源を入れても動かない場合は、買い替えのタイミングです。
テレビが受信できない状態が改善しない場合の対処法
アンテナやケーブルの状態を確認したり、B-CASカードを再度差し込んだりしてみたけれどテレビが映らない場合は、その他の手段を検討する必要があります。ここでは、テレビが受信できない状態が持ち直さないときの対処法を3つ解説します。
専門業者に相談する
テレビ本体やケーブルに異常がなく、アンテナに問題がある場合は、アンテナ専門業者に相談しましょう。アンテナは、高所に設置されるケースが多いため、専門知識やスキルのない状態の作業は危険です。
また、アパートやマンションなどの集合住宅では、共聴アンテナを使用している事例があります。こうしたケースでは、自宅だけでなくアパートやマンション全体でトラブルが発生し、テレビが映らない状態になっている可能性が高く、どこに連絡するべきか悩む人も多いでしょう。まずは、管理会社や大家に相談したうえで、アンテナ専門業者に修理を依頼することをおすすめします。
メーカーに修理を依頼する
テレビ本体の故障が原因で、テレビが受信できない場合は、メーカーに修理を依頼する必要があります。一般的に、テレビを購入してから1年程度は保証期間が備わっているため、期間中であれば無料で修理をしてもらうことが可能です。
ただし、保証期間が過ぎている場合や故意に破損させた場合は、保証の適用外となります。保障を活用して修理を検討している人は、事前に適用されるかを確認してから依頼しましょう。修理料金が高くなる場合は、買い替えを検討するのもおすすめです。
買い替えを検討する
テレビの電源を入れても画面が映らない場合は、寿命を迎えた可能性があります。また、画面に線が入ったり、音声だけが出なかったりするトラブルも同様に寿命が近づいているサインといえるでしょう。こうしたケースでは、修理よりも買い替えを検討したほうが賢明です。
ただし、「今日買ったばかり」「買って間もない」といった場合や急に映らなくなった場合は、チャンネル設定ができていなかったり、アンテやケーブルなどの不具合だったりする可能性も高いでしょう。点検してみても状況が持ち直さないのであれば、初期不良が疑われるのでメーカーに問い合わせることをおすすめします。
まとめ
パソコンやスマートフォンが普及した現代においても、テレビはほとんどの家庭にあり私たちの生活を豊かにするアイテムの1つです。しかし、何らかの原因で突然受信できなくなるケースも少なくありません。
テレビが受信できない原因の多くは、アンテナやケーブルの不具合、寿命などが挙げられます。コンセントやケーブルが緩んでいたり、B-CASカードの差し込みが緩かったりした場合は、自分でも対処可能です。しかし、原因によっては専門業者に依頼しなければなりません。また、テレビの寿命であれば、買い替えが必要です。
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