冷蔵庫に付着している霜をそのまま放置してしまうと、霜が大きくなることで食材の収納スペースが減ったり、冷蔵庫が開かなくなったりするおそれがあります。そのため、定期的に除去する必要があります。
ただ、「冷蔵庫の霜を取る必要性はわかるけど、具体的な対処法を知らない」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、冷蔵庫に霜ができる原因や、正しい霜取りのやり方を解説します。霜取りをする際のNG行為や、日頃から霜を予防する方法も紹介しています。
冷蔵庫に霜ができる原因
冷蔵庫内に霜が生じる主な原因は「結露」で、庫内の温度差から発生した水滴(結露)が凍ることで霜となります。結露が発生する要因には、以下4つの要素が影響しています。
- ドアに隙間ができている
- 冷風出口が詰まっている
- ドアパッキンの劣化
- 冷却機能の低下
ドアにビニール袋や食品が挟まっていると、ドアが閉まらず外気が入り込みやすくなるため、庫内が結露しやすい状態となります。
また、冷風の出口がホコリやゴミで詰まっていると、庫内全体が十分に冷えなくなります。ドアパッキンの劣化も、冷気が漏れて庫内の湿度が不安定になるため、霜ができやすくなる原因です。
長年使用している冷蔵庫も、冷却性能が低下して庫内を十分に冷やせなくなるため、霜が発生しやすくなります。
冷蔵庫の霜を放置するとどうなるの?
冷蔵庫の霜を放置すると、不具合・不都合の原因となる可能性があります。
- 収納スペースが狭くなる
- 電気代が高くなる
- 冷蔵庫が開かなくなる
庫内の壁や棚に張り付いた霜が大きくなると、食品を収納するスペースが狭くなります。さらに、霜が冷風出口を塞ぐことで庫内が冷えなくなり、冷蔵庫が必要以上に稼働して電気代が高くなる可能性も否定できません。
最悪の場合、厚く積もった霜によってドアの開閉部分が凍りついてしまいます。無理に開けようとすると故障のリスクにつながります。このようなトラブルを避けるためにも、定期的な霜取りが必要です。
【厚さ別】冷蔵庫の霜取り方法3選!
霜取りを行う際は、冷蔵庫の故障を避けるためにも、霜の厚さに応じた適切な方法を選ぶことが重要です。ここでは、冷蔵庫の霜の取り方を3つ紹介します。
【薄い場合】ぬるま湯で温めたタオルで拭き取る
霜が薄い場合は、40℃ほどのぬるま湯で濡らしたタオルを使用し、以下の手順通りに取りましょう。
<手順>
- 40℃程度のぬるま湯で濡らしたタオルを準備する
- タオルを霜に押し当てて溶かすように拭き取る
- 霜が溶けてできた水滴を乾いたタオルで拭き取る
薄い霜であれば、ぬるま湯で濡らしたタオルを押し当てる程度で溶けます。タオルで霜を溶かす際は、固く絞った状態で拭き取ると余計な水分が庫内に残らず、新たな霜の発生を防止できます。
霜が溶けてできた水滴を放置すると、新しい霜ができる原因になるため、溶かし終えたら乾いたタオルで拭き取るようにしましょう。
【厚い場合①】冷蔵庫の電源を抜いて自然解凍する
霜が厚い場合は、霜を自然に溶かす方法がおすすめです。
<手順>
- 冷蔵庫内の食材を取り出して庫内を空にする
- 取り出した食材はクーラーボックスに移動する
- 冷蔵庫の電源を切る
- 冷蔵庫の扉を開けて霜が溶けるのを待つ
- 霜が溶けてできた水滴をタオルで拭き取る
- 冷蔵庫の電源を入れて食材を戻す
冷蔵庫の電源を切り、霜を自然に解凍する際には、食材をクーラーボックスに移しておきましょう。また、溶けた霜の水滴が床に広がらないよう、冷凍庫の周りにタオルや吸水シートを敷いておくと安心です。
霜の厚さや気温により溶けるまでの時間は異なりますが、夏場で8〜10時間、冬場では12時間以上かかるため、作業時間を事前に確保しておきましょう。
霜が溶けた後にできる水滴は、乾いたタオルでしっかりと拭いてください。最後に庫内が完全に乾いていることを確認してから電源を入れ、食材を元に戻しましょう。
【厚い場合②】ヘラで霜を剥がし取る
分厚い霜が自然と溶けるまでの時間が長いと感じる場合は、シリコンやゴム製のヘラを使用する方法がおすすめです。
<手順>
- 冷蔵庫内の食材を取り出して庫内を空にする
- 取り出した食材はクーラーボックスに移動する
- 冷蔵庫の電源を切る
- シリコンまたはゴム製のヘラで霜を剥がし取る
- 霜が溶けてできた水滴などをタオルで拭き取る
- 冷蔵庫の電源を入れて食材を戻す
冷蔵庫の電源を切って、霜を自然に溶かしながらヘラで剥がし取ります。霜が厚い部分は少しずつ力を入れて剥がし、庫内が傷つかないよう注意しましょう。なお、使用するヘラは、柔らかい素材のシリコンやゴム製のものを使用することをおすすめします。
冷蔵庫の霜取りでやってはいけない4つの行為
冷蔵庫の霜は、ぬるま湯で濡らしたタオルや霜の自然解凍、ヘラで剥がし取るなどの方法で除去できます。ただ、やり方を間違えると冷蔵庫が故障するおそれもあるため、注意が必要です。
ここでは、冷蔵庫の霜取りでやってはいけない4つの行為を解説します。
ドライヤーの熱風で溶かす
霜を早く溶かしたいからといって、ドライヤーの熱風を当てるのは避けましょう。熱が一点に集中すると、冷蔵庫が変形したり故障したりするおそれがあります。
修理が必要になると費用もかさむため、ドライヤーは使用せず、自然解凍を選ぶのが無難です。なお、霜を早く溶かしたい場合は、作業は暖かい日中に行うか、室温を上げるなどの工夫をすると良いでしょう。
熱湯をかけて溶かす
分厚い霜を早く溶かそうとして熱湯をかけると、急激な温度変化により、冷蔵庫の変形や故障の原因となります。
また、熱湯による蒸気や水滴が庫内に残ることで、再び霜が発生しやすい環境になるため適していません。火傷の危険もあるため、ぬるま湯で温めたタオルを使って溶かしましょう。
アイスピックなどの硬く先端が尖った道具で剥がし取る
アイスピックやドライバーなど、先端が鋭く硬い道具で霜を削るのは避けましょう。
硬い道具を使用すると、庫内に傷が付くだけでなく、冷却器やパイプが破損すると、冷媒ガスが漏れるおそれもあります。
また、霜取り中の損傷や故障は保証の対象外となり、高額な修理費を請求されるケースも考えられます。霜を取り除く際は、シリコンやゴム製の柔らかいヘラを使用しましょう。
霜取りスプレーを使用する
冷蔵庫の霜取りに、車の窓ガラス用霜取りスプレーを使うのは避けましょう。これらのスプレーには、人体に影響を与える成分が含まれているためです。
主成分がアルコール(エタノールやイソプロパノールなど)ではあるものの、冷蔵庫内で使用すると食材に付着し、健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
安全に霜を除去するためにも、スプレーではなく自然解凍や柔らかいヘラの使用をおすすめします。
冷蔵庫の霜を日頃から予防する方法
冷蔵庫内に霜が溜まると、冷却効率が低下して電気代が上がるだけでなく、食品の保存環境も悪くなります。霜による冷蔵庫の故障や、霜取り作業の手間を減らすためには、日頃からの予防が大切です。
最後に、霜が発生しないようにするための予防方法を5つ紹介します。
食材を詰め込みすぎない
冷蔵庫に食材を詰め込みすぎると、霜が発生しやすくなる原因となります。食材が多すぎると冷気が行き渡らず、庫内の温度にムラが生じ、結露が発生しやすくなるためです。
さらに、奥の食材を取り出す際に手間取ると庫内の温度が上がり、霜ができやすくなります。
詰め込みすぎによってドアが閉まりきらず、外気が入り込んで霜が増える原因にもなるため、収納スペースに余裕を持たせて食材を保存しましょう。
冷蔵庫内の食材を一目で見えるように整理しておくと、スムーズな出し入れが可能になるため、結果霜ができにくくなります。
熱い食品は冷ましてから冷蔵庫に入れる
熱い食品をそのまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が急激に上昇し、結露が発生して霜の原因になります。
冷蔵庫内の温度変化を防ぐためにも、食品は必ず粗熱(あらねつ)を取ってから入れましょう。水分の蒸発を抑えることで、冷蔵庫内の湿度も適切に保たれるため、霜の発生を予防できます。
食品の水分が蒸発するのを防ぐ方法として、ラップやジップロックなどで密封してから保存するのがおすすめです。
冷蔵庫を開ける頻度を減らす
冷蔵庫の開け閉めをできるだけ控えるのも、霜の予防対策として重要です。ドアを頻繁に開閉すると温かい空気が入り、霜の要因である結露が発生しやすくなります。
どの食材を取り出すかを事前に想定しておくと、ドアを開ける時間や回数を最小限に抑えられます。庫内の温度を一定に保つためにも、必要なものだけを取り出すように心がけてください。
また、ドアの開閉時には、しっかりと閉まっているか確認する習慣をつけ、冷気の漏れを防ぎましょう。
霜防止シートを貼る
冷蔵庫内に霜防止シートを貼っておくと、霜がついてもシートを剥がすだけで除去できるため、掃除の手間が軽減されます。霜防止シートは、冷蔵庫内でも霜ができやすい天井や側面に貼るのがおすすめです。
定期的にシートを交換することで、冷蔵庫内の清潔さを保てます。
ただし、冷却口や通気口にシートを貼ると、冷却機能が妨げられて故障の原因となります。必ず説明書に記載された指示に従い、適切な場所に貼りましょう。
自動霜取り付きの冷蔵庫に買い替える
霜取りの手間を減らしたい方には、自動霜取り機能付きの冷蔵庫へ買い替えがおすすめです。自動霜取り機能とは、庫内の温度を一時的に上げる仕組みで、霜ができるのを防ぎます。
「ファン式」や「間冷式」の冷蔵庫は冷却器が外部にあり、ファンで冷気を間接的に送り込む必要がないため、霜がほとんど発生しません。霜が頻繁にできて困っている方は、冷蔵庫の買い替えを検討してみるのも一つの方法です。
まとめ
今回は、冷蔵庫に霜ができる原因や、正しい霜取りのやり方を解説しました。
冷蔵庫内にできた霜を放置していると、冷却機能の低下により電気代が増加したり、最悪の場合はドアを開閉できなくなるおそれがあります。本記事で紹介した方法を参考に、霜を除去しましょう。
霜が原因で冷蔵庫が故障した場合は、買い替えがおすすめです。〈2nd STREET セカンドストリート〉では、各種メーカーの冷蔵庫をリーズナブルな価格で販売しています。お近くの店舗やオンラインストアで、お気に入りの冷蔵庫を見つけてみてください。