昨今、電気料金の高騰が続いていることで、電子レンジの電気代について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。電子レンジの電気代は、計算式に当てはめることで簡単に算出できます。
今回は、電子レンジの電気代を計算する方法や、使用分数および使用期間に応じた電気代の比較を紹介します。さらに、ほかの家電との電気代の比較や、電子レンジの電気代を節約するコツ、正しく使うための注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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電子レンジの電気代はいくら?計算する方法
ここでは、電子レンジの電気代の計算方法を、2つのステップに分けて紹介します。
ステップ1.消費電力を確認する
まずは、電子レンジの消費電力を確認しましょう。消費電力とは、家電の動作に必要な電力のことで「W(ワット)」の単位で表されます。
ただし、電子レンジで食品を温める際に表示される「500W」や「600W」は、消費電力ではありません。これらの値は「定格高周波出力」のことで、食品を温める際に必要なエネルギーの強さを示しています。
電気代の算出に用いる消費電力は、「定格高周波出力」の1.5~2倍が一般的です。例えば、定格高周波出力が500Wのとき、必要な消費電力量は1,000Wとなります。
メーカーのカタログなどに「年間消費電力量」が記載されている場合は、それをもとに算出することでより正確な電気代を導き出せます。
ステップ2.計算式に当てはめる
電気代の計算式は、以下の通りです。
- 消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)=電気代
※電気料金の目安単価は、2024年11月時点で31円/kWh(税込)です。
例えば、消費電力1,000Wで12分使用した場合、電気代は以下のように計算できます。
(1)消費電力1,000WをkWに変換する:1,000W÷1,000=1kW
(2)使用時間12分を時間(h)に変換する:12分÷60=0.2h
(3)計算式に当てはめる:1kW×0.2h×31円/kWh=6.2円
電子レンジの電気代を知りたいときは、このように算出しましょう。
【200~1,000W】電子レンジの電気代を比較
次に、電子レンジの使用分数および使用期間ごとの電気代の目安をそれぞれ紹介します。
使用分数ごとの電気代
電子レンジの使用分数ごとの電気代の目安です。
定格高周波出力 | 1分 | 2分 | 5分 | 7分 | 10分 |
200W | 0.21円 | 0.41円 | 1.03円 | 1.45円 | 2.07円 |
500W | 0.52円 | 1.03円 | 2.58円 | 3.62円 | 5.17円 |
600W | 0.62円 | 1.24円 | 3.10円 | 4.34円 | 6.20円 |
750W | 0.78円 | 1.55円 | 3.88円 | 5.43円 | 7.75円 |
800W | 0.83円 | 1.65円 | 4.13円 | 5.79円 | 8.27円 |
900W | 0.93円 | 1.86円 | 4.65円 | 6.51円 | 9.30円 |
1,000W | 1.03円 | 2.07円 | 5.17円 | 7.23円 | 10.33円 |
※計算に用いる消費電力は、定格高周波出力の2倍と定義
上表の通り、使用分数が長いほど電子レンジの電気代は高くなります。
1ヵ月・1年あたりの電気代
電子レンジの使用期間ごとの電気代の目安です。一日10分使用した場合、電気代が1ヵ月・1年でどのくらい掛かるかを見ていきましょう。
定格高周波出力 | 1ヵ月 | 1年 |
200W | 62.0円 | 754.3円 |
500W | 155.0円 | 1,885.8円 |
600W | 186.0円 | 2,263.0円 |
750W | 232.5円 | 2,828.8円 |
800W | 248.0円 | 3,017.3円 |
900W | 279.0円 | 3,394.5円 |
1,000W | 310.0円 | 3,771.7円 |
※計算に用いる消費電力は、定格高周波出力の2倍と定義
定格高周波出力が1,000Wの電子レンジを毎日10分使用しても、年間の電気代は約3,771.7円です。
ほかの家電と比べて電子レンジの電気代は安い?高い?
電子レンジの電気代は、ほかの家電と比べて安いのか、高いのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、炊飯器やオーブンといった家電との電気代を比較します。
炊飯器との比較
炊飯器でご飯を保温するときの電気代と、電子レンジでご飯を温めるときの電気代を比較します。
炊飯器の保温時の消費電力が16.5Wの場合、1時間保温したときの電気代は約0.51円、3時間では約1.53円です。
一方、消費電力1,000W(=定格高周波出力500W)の電子レンジで3分間ご飯を温めたときの電気代は、1.55円です。
炊飯器を保温状態で3時間以上放置する場合は、電子レンジのほうが電気代を安く抑えられる可能性があります。また、電子レンジなら、食べたいタイミングでご飯を温められるのもポイントです。
オーブンとの比較
近年は、オーブンと電子レンジのどちらでも温められる冷凍ピザなどが販売されています。ここでは、冷凍ピザを温める場合の電気代を比較してみましょう。
消費電力1,200Wのオーブンで6分間ピザを焼いた場合、電気代は3.72円です。一方、消費電力1,000Wの電子レンジで3分間ピザを温めた場合、電気代は1.55円です。
なお、ピザの加熱時間は、食品の大きさやオーブンの種類などによって変わります。
電気ケトルとの比較
電気ケトルと電子レンジでお湯を沸かすときの電気代を比較します。
1分間でお湯を沸かせる電気ケトルの場合、消費電力1,300Wとすると、1回あたりの電気代は約0.67円です。
一方、消費電力1,000Wの電子レンジで、2分間マグカップでお湯を沸かしたときの電気代は約1.03円になります。
カップ1杯のお湯を沸かす場合は、電気ケトルのほうが電気代を抑えやすいといえるでしょう。
トースターとの比較
電子レンジにグリル機能が加えられた「オーブンレンジ」も、調理家電として人気が高まっています。ここでは、トースターとオーブンレンジで食パンをトーストするときの電気代を紹介します。
消費電力1,300Wのトースターを、3分使ったときの電気代は約2.02円です。一方、消費電力1,400Wのオーブンレンジを、5分使ったときの電気代は約3.62円となります。
オーブンレンジは庫内を温めるまでに時間を要する分、電気代も少し高くなります。
電子レンジの電気代を節約するコツ7選
続いて、電子レンジの電気代を節約するために知っておきたいコツを7つ紹介します。
庫内をきれいな状態に保つ
庫内が汚れていると食材の温めに時間が掛かるため、きれいな状態に保つことが重要です。
そもそも電子レンジは、マイクロ波という電磁波で食材の水分を振動させ、その摩擦熱によって温める仕組みです。庫内に汚れがあると伝わる電磁波が減少し、食材を温める効率が下がってしまいます。
また、庫内の汚れは火災などのリスクもあるので注意が必要です。掃除する際は、固く絞った濡れ布巾などで汚れを拭き取りましょう。
食材を適切な位置に置く
電子レンジは、タイプによって食材を置く位置が変わります。ターンテーブル式の場合は、効率良く温めるには食材をテーブルの外側に置くのがおすすめです。一方、フラット式の場合は、中央に食材を置くとしっかり温められます。
冷凍品を事前に解凍しておく
冷凍している食材を温める際は、事前に解凍しておくと電子レンジの使用時間を減らせて節約になります。冷蔵庫の中に入れてゆっくりと自然解凍することで、食材のドリップなどが出づらいといったメリットもあります。
食材同士を離しておく
複数の食材を同時に温める場合は、それぞれの食材を離して配置しましょう。食材同士が接触していると熱伝導率が下がり、温めるのに時間が掛かってしまいます。
また、温めたい食材をいっぺんに詰め込みすぎることも避けたほうがよいでしょう。
食材が大きいまま使用しない
肉や魚などを解凍する際は、大きい状態のままだと余計に時間が掛かります。冷凍する前に食材を小分けにしておくと、解凍時に電気代の節約になります。
古い電子レンジを買い替える
近年は、省エネ設計のモデルも販売されています。具体的には、待機時の消費電力をゼロに抑えたモデルや、複数の加熱方式を組み合わせて調理時間を短縮できるモデルなどが挙げられます。
所有している電子レンジが古い場合は、新しいモデルに買い替えると電気代の節約につながるでしょう。
電気会社・料金プランを見直す
電力会社や料金プランを見直すことによって、電気代を節約できるケースがあります。例えば、電力会社によっては、時間帯ごとに電気料金が変わるプランを提供しています。
夜の時間帯の電気料金が安い場合は、なるべく夜間に電子レンジを使うことで電気代を抑えられるでしょう。
電子レンジを正しく使うための注意点
電子レンジを正しく使うために、以下の注意点を押さえておきましょう。
- 突沸(とっぷつ)現象に注意する
- 適切な加熱時間を守る
- 食材・容器が電子レンジで使用できるかを確認する
突沸現象とは、沸点を超えても沸騰を起こさなかった液体が、振動などのショックをきっかけに急に激しく沸騰する現象のことです。
起きやすい液体には、水・牛乳・味噌汁などが挙げられます。突沸現象を予防するため、電子レンジで温める際は加熱時間を短くしてこまめに様子を見ましょう。加熱しすぎたときは、1~2分ほど放置してから取り出してください。
また、水分が少ないものや少量のものを加熱しすぎると、発火の原因にもなり得るため、適切な加熱時間を守ることが大切です。
ほかにも、食材・容器を温めるにあたって、電子レンジでの使用が可能かも確認しましょう。例えば、プラスチック容器を使う場合は、「電子レンジ使用可」もしくは耐熱温度が140度以上と表示されていれば使用できます。
ただし、砂糖や油分の多い料理の場合は、温めるとプラスチック容器が溶ける可能性があるので使用は避けましょう。
まとめ
電子レンジは使用時間や使い方によって、ほかの家電よりも電気代を抑えることができます。また、電気代を節約するには、庫内をきれいな状態に保ち、適切に使用することが大切です。古い電子レンジを使用している場合は、新しいモデルへの買い替えもおすすめです。
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