加湿器に溜まった汚れは、定期的な掃除が必要です。汚れをそのまま放置すると、加湿器の性能が低下したり、「加湿器病」と呼ばれる健康被害につながる可能性があります。
しかし、「そもそも加湿器の掃除方法がわからない」と、お悩みの方も多いでしょう。
この記事では、加湿器のタイプや汚れの種類に応じた、掃除方法を紹介します。
加湿器が汚れる3つの原因
加湿器が汚れる主な原因は、以下の3つです。
- 細菌やカビ
- 水垢
- ほこり
加湿器は水を使用するため、タンクやトレイを湿った状態で放置すると細菌やカビが繁殖しやすくなります。繁殖した細菌やカビが水蒸気とともに拡散されると、咳や喉の痛みを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また、水道水に含まれるミネラルが固着してできる「水垢」は、タンクやフィルターに付着し、性能の低下や悪臭の原因になります。さらに、空気を吸い込む加湿器は、吸気口フィルターにほこりが溜まりやすく、放置するとカビの発生や加湿量低下につながるため注意しましょう。
加湿器の汚れを掃除しないとどうなる?
加湿器の汚れを掃除しないことで起こりうるリスクは、以下のとおりです。
- カビの温床になる
- 性能が低下する
- 健康被害につながる
最悪の場合、健康被害につながる可能性もあるため注意しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
カビの温床になる
加湿器のタンクやフィルターを掃除せずに放置すると、湿気によってカビや雑菌が繁殖し、加湿器内がカビの温床になります。
水道水に含まれる塩素は、水を入れた直後はカビや雑菌の繁殖を抑える働きがあります。しかし、24時間以上経つと塩素の効果が薄れるため、カビや雑菌が増えやすい状態です。
そのまま加湿器を使用すると、汚染された空気が水蒸気と共に部屋中に拡散されてしまいます。喉の痛みや咳、アレルギー症状が引き起こされることもあるため、喘息などの呼吸器系に問題がある方は特に注意が必要です。
性能が低下する
加湿器の掃除を怠ると、内部の汚れや水垢がフィルターやタンクに蓄積することで、加湿能力が低下します。水道水に含まれるミネラル分が固まってできる「水垢」は、放置するとフィルターの目詰まりを引き起こし、うまく吸水できなくなるためです。
また、湿度が上がりにくくなるだけでなく、運転音が大きくなることもあります。さらに、汚れが原因で故障や不具合を引き起こすケースもあり、最悪の場合、加湿器の買い替えが必要になることもあるため注意しましょう。
健康被害につながる
加湿器を掃除せずに使い続けると、繁殖した雑菌やカビが水蒸気と一緒に空気中に放出され、健康被害を引き起こす可能性があります。
注意が必要なのは「レジオネラ菌」や「加湿器病」と呼ばれるアレルギー性肺炎です。レジオネラ菌は20~50℃の水中で繁殖しやすく、感染すると発熱や咳、呼吸困難などの症状を引き起こします。
また、汚染された空気を吸い続けると、喘息や肺炎などの呼吸器系疾患が悪化するリスクも高まります。特に乳児や高齢者、免疫力の低い人は重症化する恐れがあるため、加湿器は定期的なお手入れが不可欠です。
加湿器を掃除するタイミングと頻度
加湿器を清潔に保つためには、タンクとフィルターの定期的な掃除が欠かせません。タンク内の水は毎日交換し、入れ替える際に少量の水で振り洗いをして、ヌメリや汚れを取り除きましょう。タンク内の水を放置すると雑菌やカビが繁殖しやすくなるため、新しい水に入れ替えることが基本です。
また、フィルターは週1回を目安に掃除します。フィルターにはほこりやミネラル分が溜まりやすく、目詰まりすると加湿能力が低下するため、水洗いや掃除機で丁寧にお手入れしましょう。汚れがひどい場合は、クエン酸水につけ置きするのも効果的です。
【タイプ別】加湿器の掃除方法4選
加湿器の掃除方法は、タイプによって異なります。
ここでは、4つのタイプそれぞれに応じた、加湿器の掃除方法を解説します。
自宅で使用している加湿器のタイプに応じて、適切な掃除方法を実践しましょう。
スチーム式
スチーム式加湿器はヒーターで水を加熱し、水蒸気として放出するため雑菌の繁殖は比較的抑えられますが、水垢が溜まりやすいのが特徴です。水道水に含まれるミネラル分が蒸発後にタンクや蒸気口に残り、水垢として固着してしまいます。
スチーム式加湿器に付着しやすい汚れを落とすには、クエン酸水を使ったつけ置き洗いが効果的です。ぬるま湯3Lに対してクエン酸20gを溶かし、タンクや蒸気口を30分程度つけ置きします。汚れがひどい場合は、1時間ほど置くと良いでしょう。
つけ置き後は、スポンジや歯ブラシで優しく擦り洗いをし、すすぎを丁寧に行います。最後に柔らかい布でしっかりと水分を拭き取り、乾燥させることで清潔な状態を保てます。
気化式
気化式加湿器は、水を含んだフィルターに風を当てて気化させるため、フィルターが常に湿った状態になり、カビや雑菌が繁殖しやすいのが特徴です。フィルターは2週間~1ヵ月に1回を目安に水洗いし、汚れがひどい場合はクエン酸水に1~2時間ほどつけ置き洗浄しましょう。
外側のフィルターにはほこりが溜まりやすいため、掃除機で吸い取るのがおすすめです。また、水の受け皿もカビや水垢がつきやすいので、スポンジなどでしっかりと擦り洗いしてください。掃除後、フィルターを日陰で完全に乾かすことが、カビ予防のポイントです。
超音波式
超音波式加湿器は、水を超音波で微細な霧状の粒子に変えて部屋を加湿するタイプです。水を加熱しないためカビや細菌が繁殖しやすく、手入れを怠るとそのまま空気中に放出されるリスクがあります。
タンクの水は毎日入れ替え、振り洗いで汚れを落としましょう。本体に残った水は捨て、スポンジや歯ブラシでぬめりを擦り取った後、柔らかい布で水分を拭き取ります。また、フィルターや水の受け皿が取り外せる場合は、クエン酸を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗浄をすると効果的です。
ハイブリッド式
ハイブリッド式加湿器は、気化式とスチーム式の技術を組み合わせたタイプです。抗菌仕様のものが多く、カビや細菌が繁殖しにくいのが特徴ですが、お手入れは欠かせません。
フィルターや水受け皿は2週間に1回を目安に、押し洗いや擦り洗いを行いましょう。汚れがひどい場合は、クエン酸を溶かしたぬるま湯に1~2時間つけ置き洗浄をすると効果的です。
掃除後はしっかりとすすぎ、すべてのパーツを乾燥させてから再組み立てすることで、加湿器を清潔に保てます。
【汚れ別】加湿器の掃除方法3選
最後に「水垢」「カビ」「頑固な汚れ」、3種類の汚れに応じた適切な掃除方法を解説します。
汚れの種類に応じて、適切な掃除をする際の参考にご覧ください。
水垢
加湿器にこびりつく水垢は、クエン酸水で落とせます。
まず、水2Lに対してクエン酸大さじ1を溶かし、つけ置き用のクエン酸水を作りましょう。取り外したタンクやフィルター、水受け皿などのパーツをクエン酸水に1~2時間ほど浸します。
汚れが浮いてきたら、スポンジや歯ブラシを使って優しく擦り洗いし、しっかり水で洗い流します。最後にタオルで水分を拭き取り、日陰で完全に乾燥させてから加湿器に戻せば完了です。
カビ
カビ掃除には、クエン酸水または重曹水でのつけ置き洗浄が効果的です。
まず、水1Lに対してクエン酸大さじ1、もしくは重曹50gを混ぜて洗浄水を作り、カビがついたパーツを1〜2時間つけ置きします。つけ置き後はスポンジや歯ブラシで擦り、しっかり水で洗い流してください。
最後にタオルで拭き取り、日陰で乾燥させましょう。
頑固な汚れ
加湿器にこびりついた頑固な汚れは、重曹水やクエン酸水を使ってつけ置き洗いを行うのが効果的です。
重曹水は、ぬるま湯1Lに重曹50gを溶かして使用します。クエン酸水の場合は、ぬるま湯3Lにクエン酸20gを溶かしましょう。汚れたタンクやフィルターを30分~1時間つけ置きし、その後柔らかいスポンジや歯ブラシで優しく擦り落とします。
最後にしっかりと水で洗い流し、タオルで水分を拭き取った後、日陰で完全に乾燥させてください。
まとめ
加湿器を清潔に保つためには、汚れの原因を理解し、適切な頻度と方法で掃除を行うことが大切です。タンクの水は毎日交換し、フィルターは定期的に手入れしましょう。
また、加湿器を掃除する際はタイプや汚れに応じて、クエン酸や重曹を活用した掃除が効果的です。日頃からこまめに掃除をして加湿器の性能を維持しつつ、健康リスクを防ぎましょう。
なお、頑固な汚れによって掃除ができない場合は、買い替えがおすすめです。〈2nd STREET セカンドストリート〉では、加湿器の買い替えもできます。各種メーカーの加湿器をリーズナブルな価格で販売しているので、お近くの店舗やオンラインストアからチェックしてください。