車に乗車する際は、万が一の交通事故から子どもを守るために、チャイルドシートの着用が法律で義務付けられています。チャイルドシートを使用していない場合、交通事故による致死率は、適切に使用している場合と比べて4.2倍に高まるとされています。
しかし、「チャイルドシートは、いつまで着用する必要があるのかわからない」と、お悩みの方も多いでしょう。
この記事では、チャイルドシートをいつまで着用する必要があるのかを紹介します。最後に、子どもの安全を守るチャイルドシートの選び方も紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
チャイルドシートはいつまで必要？法律で定められている規定とは
道路交通法では、6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務付けられています。しかし、安全性の観点からは6歳未満に限定せず、身長150cmに達するまでの使用が推奨されています。
身長が150cm未満の子どもがシートベルトを使用すると、ベルトが首や柔らかい腹部にかかることで、事故の際にケガを負うリスクがあるためです。一方、チャイルドシートであれば、子どもの体格に合った形でシートベルトを正しく装着できます。
特に、小学校高学年くらいの子どもでも体格が小さい場合には、ジュニアシートの使用が望ましいです。
6歳未満の子どもに義務付けられる理由
チャイルドシートが6歳未満の子どもに義務付けられているのは、子どもの体格が未発達であるためです。シートベルトは大人の体格に合わせて設計されており、小さな子どもがそのまま使用すると、安全性能を発揮できません。
特に、身長が140cm未満の子どもはシートベルトが首や腹部にかかり、事故の際に大ケガを負う危険があります。チャイルドシートを使用すると、適切な体勢でシートベルトを装着でき、事故時のリスクの軽減につながります。子どもの安全を守るためにも、チャイルドシートを忘れずに使用しましょう。
チャイルドシートを使用しないとどうなる？
チャイルドシートを使用しない場合、交通事故での致死率が適正使用時の4.2倍に増加すると報告されています。特に、大人用のシートベルトは子どもの体格に適していないため、未使用時には首や腹部に過度の負担がかかり、深刻な損傷を引き起こすリスクが高まります。
また、チャイルドシートを使用していても固定が不十分だったり、正しく着座させていなかったりすると、保護性能を発揮できないため注意しましょう。
チャイルドシートの未使用は警察に取り締まられる？
チャイルドシートを使用せずに6歳未満の子どもを乗せるのは、道路交通法に違反する行為です。運転者には「幼児用補助装置使用義務違反」として、交通違反点数が1点加算されます。
反則金は科されませんが、違反点数が累積すれば免許停止などの厳しい処分につながる可能性があるため注意しましょう。
また、ゴールド免許を所持している場合、次回の免許更新でブルー免許に変更されることもあります。罰則が軽いと感じるかもしれませんが、チャイルドシート未使用は子どもの安全を損なう危険行為です。警察の取り締まりを避けるためではなく、子どもの命を守るためにも必ずチャイルドシートを使用してください。
【年齢別】チャイルドシートの種類と適切な使用期間
子どもの年齢や体格に合わせて、さまざまなチャイルドシートが販売されています。
ここでは、子どもの年齢別に、適したチャイルドシートの種類と使用期間を解説します。
ベビーシート（新生児〜1歳頃）
ベビーシートは、新生児から1歳頃まで使用する乳児専用のチャイルドシートで、安全性を確保するため後ろ向きに取り付けるのが特徴です。乳児は頭が重く骨の発達が未熟なため、前向きに設置すると事故時に首や体に大きな衝撃がかかりやすくなります。
後ろ向きに設置することで背中全体で衝撃を分散し、ケガのリスクを軽減します。また、一部のベビーシートには横向きで寝かせられるベッド型もあり、呼吸を妨げない設計が特徴です。
チャイルドシート（1歳〜4歳頃）
1歳から4歳頃まで使用する幼児用チャイルドシートは、首が座り自分で座れるようになった子どもに適しています。体重9～18kgが目安で、通常は前向きに設置して使用します。
この時期の子どもは体の動きが活発になるため、シートベルトを正しく装着し、脱出防止や安全性を確保することが重要です。また、ヘッドレストやベルトの位置を定期的に調整して、子どもの成長に合わせた使用が推奨されています。
ジュニアシート（4歳〜10歳頃）
ジュニアシートは、4歳頃から身長約140cmに達するまでの子どもや、小学生を対象に設計されています。体重の目安は15～36kgで、座面を高くしてシートベルトを正しい位置に装着できるようにし、安全性を確保します。背もたれ付きのタイプは頭部を保護しやすいため、特に6歳未満の子どもにはおすすめです。
一方、座面のみのブースターシートは軽量で持ち運びがしやすく、車のリクライニング機能も活用できます。ジュニアシートは、子どもの体格や成長に合わせて適切なものを選び、安全で快適な乗車環境を整えましょう。
子どもの安全を守るチャイルドシートの選び方
最後に、子どもの安全を守るチャイルドシートの選び方を解説します。
新しくチャイルドシートを購入する際の、参考にしてください。
安全基準で選ぶ
チャイルドシートを選ぶ際は、安全基準を確認しましょう。現在、国際的に使用されている基準には従来の「R44」と最新の「R129」があります。R129では、安全性を強化するために後ろ向き使用期間の延長や側面衝突試験の追加、身長基準への変更が行われました。
また、衝突試験時の計測センサーが増えたことで、より精密な安全性評価が可能になっています。これからチャイルドシートを購入する場合は、最新基準であるR129対応の製品を選ぶと安心です。
年齢や体格にあったものを選ぶ
チャイルドシートは、子どもの年齢や体格に適したモデルを選ぶことが、安全性を確保するうえで欠かせません。製品ごとに対象となる身長や体重が設定されており、これらの条件を満たしていないと十分な保護機能を発揮できない場合があります。
例えば、新生児用・幼児用・学童用といったタイプごとに、推奨される使用期間や体格が異なるため、商品表示をしっかり確認しましょう。また、長期間使用できるロングユースタイプも便利ですが、成長に合わせた調整機能があるものを選ぶのがおすすめです。
快適性や機能性で選ぶ
チャイルドシートを選ぶ際は、快適性や機能性にも注目しましょう。通気性の高いメッシュ素材や吸水性、速乾性に優れたカバーが使用されているモデルは、特に夏場に子どもの服が蒸れにくく快適に過ごせます。
また、飲み物をこぼしたりお菓子を食べたりする機会が多い車内では、カバーを簡単に取り外して洗える仕様が便利です。シートのクッション性やヘッドレストの柔らかさも快適な乗り心地に影響するため、購入前に確認しておきましょう。
まとめ
チャイルドシートは、法律で6歳未満の子どもへの使用が義務付けられていますが、安全性を考慮すると、身長150cmに達するまでの使用が推奨されています。適切に使用することで、交通事故時のリスクを軽減できます。
また、子どもの年齢や体格に合ったシートを選ぶことも、安全性と快適性を確保するうえで重要です。安全基準や機能性を確認し、最適なチャイルドシートを選んで子どもの安全を守りましょう。
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