空気清浄機は部屋の空気をきれいにし、いやなにおいを取ってくれる便利な家電製品です。一日中つけっぱなしにしておきたいと思う方も多いでしょうが、電気代が気になることはありませんか?
今回は、空気清浄機をつけっぱなしにした場合の電気代の計算方法や、モード別の電気代を解説します。また電気代を安くする方法や空気清浄機をより効率的に使う方法も合わせてご紹介しますので、ぜひお役立てください。
空気清浄機の電気代は高い?安い?計算方法をご紹介

空気清浄機を使用する際には、電気代が高いのか安いのか分からない、24時間つけっぱなしで良いのかなど不安に感じるかもしれません。特にペットのいる家庭では、一日中つけておきたいこともあるでしょう。
そこでまずは、空気清浄機の基本的な仕組みと共に、電気代の計算方法や電気代は何によって変化するのかを見ていきましょう。
空気清浄機とは?仕組みのご紹介
空気清浄機とは、室内の空気中に浮遊するほこりやハウスダスト、花粉などを除去するために設置される電化製品です。
ファンを回して空気を吸い込むファン式、静電気を起こしてほこりなどを吸着する電気集じん式、イオンを放出することで空気をきれいにするイオン式などがあります。
製品ごとの消費電力に着目!計算方法
空気清浄機は、電気の力を利用して稼働させるため、電気代がかかります。電気代は、製品ごとの消費電力によって変わってきます。
計算方法は、次の計算式で算出します。
空気清浄機の1時間あたりの電気代(円)=消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)
消費電力は、製品の仕様やスペックに記載されています。1kWhあたりの電気料金単価は、利用している電力会社によって異なりますので、確認しましょう。
例えば、消費電力10Wの空気清浄機で、1kWhあたりの電気料金単価が31円/kWhだったとすると、1時間あたりの電気代の計算式は次のようになります。
0.01kW(10W)×31円/kWh=0.31円
1時間あたり0.31円とかかり、8時間で2.48円、24時間で7.44円かかります。
運転モードによって電気代は変わる
現在、市販されている空気清浄機のほとんどは複数の運転モードが用意されています。例えば「強モード」「中モード」「弱モード」の3つに分かれており、空気の汚れの程度に応じて切り替えて使用します。
これらの運転モードはそれぞれ消費電力が異なるため、電気代も変わってきます。モードごとの消費電力は仕様やスペックの箇所に表示されていますので、確認しましょう。
空気清浄機のモード別の電気代は?24時間つけっぱなしでもOK?

空気清浄機の運転モード別の電気代を、実際の製品をもとに算出してみましょう。主要メーカーの製品例を取り上げ、紹介します。
標準(中)モード
標準モードは、強くもなく弱くもないモードのことで、「中モード」と表記されることもあります。4つのメーカーの機種で確認してみましょう。1kWhあたりの電気料金単価は31円/kWhであるとします。
〈SHARP シャープ〉FP-T120
適用床面積 ~53畳
中モード 14W
0.014kW(14W)×31円/kWh=0.434円
1時間:0.434円
8時間:3.472円
24時間:10.416円
〈IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ〉AAP-S30B-W
適用床面積 ~16畳
中モード 18W(50Hz)
0.018kW(18W)×31円/kWh=0.558円
1時間:0.558円
8時間:4.464円
24時間:13.392円
〈DAIKIN ダイキン〉MC555A
適用床面積 25畳
標準モード 15W
0.015kW(15W)×31円/kWh=0.465円
1時間:0.465円
8時間:3.72円
24時間:11.16円
〈Panasonic パナソニック〉ナノイーX搭載 加湿空気清浄機 F-VXW90
適用床面積 40畳
中モード 11W
0.011kW(11W)×31円/kWh=0.341円
1時間:0.341円
8時間:2.728円
24時間:8.184円
強モード
続いて、最も強いモードである強モードやターボモードの電気代を見ていきましょう。
〈SHARP シャープ〉FP-T120
強モード 73W
0.073kW(73W)×31円/kWh=2.263円
1時間:2.263円
8時間:18.104円
24時間:54.312円
〈IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ〉AAP-S30B-W
強モード 44W(50Hz)
0.044kW(44W)×31円/kWh=1.364円
1時間:1.364円
8時間:10.912円
24時間:32.736円
〈DAIKIN ダイキン〉MC555A
ターボモード 46W
0.046kW(46W)×31円/kWh=1.426円
1時間:1.426円
8時間:11.408円
24時間:34.224円
〈Panasonic パナソニック〉ナノイーX搭載 加湿空気清浄機 F-VXW90
強モード 88W
0.088kW(88W)×31円/kWh=2.728円
1時間:2.728円
8時間:21.824円
24時間:65.472円
弱(静音・エコ・省エネ)モード
そして最も弱いモードである弱モードや静音モード、省エネモードなどと呼ばれるモードの電気代を見ていきましょう。
〈SHARP シャープ〉FP-T120
静音モード 4.7(4.4)W(カッコ内はモニターランプ切時)
0.0047kW(4.7W)×31円/kWh=0.1457円
1時間:0.1457円
8時間:1.1656円
24時間:3.4968円
〈IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ〉AAP-S30B-W
弱モード 6W(50Hz)
0.006kW(6W)×31円/kWhは=0.186円
1時間:0.186円
8時間:1.488円
24時間:4.464円
〈DAIKIN ダイキン〉MC555A
しずかモード 6W
0.006kW(6W)×31円/kWh=0.186円
1時間:0.186円
8時間:1.488円
24時間:4.464円
弱モード 9W
0.009kW(9W)×31円/kWh=0.279円
1時間:0.279円
8時間:2.232円
24時間:6.696円
〈Panasonic パナソニック〉ナノイーX搭載 加湿空気清浄機 F-VXW90
静音モード 5.5W
0.0055kW(W)×31円/kWh=0.1705円
1時間:0.1705円
8時間:1.364円
24時間:4.092円
モードを選べば24時間つけっぱなしでもOK
上記の計算結果から、24時間つけっぱなしだと標準モードはおよそ10円前後、強モードはおよそ30~70円前後、弱モードはおよそ3~7円前後の電気代がかかります。
弱(静音・エコ・省エネ)モードであればそれほど電気代を気にせずに済むでしょう。
また、一日中24時間つけっぱなしのほうがコストパフォーマンスが良い場合もあります。なぜなら、イオン式などは一定時間、空気清浄に時間がかかるため、清浄中に頻繁に電源をオンオフしてしまうと効果が十分に得られない可能性もあるためです。
空気をきれいにする、においを取る効果を最大限に出すことを考える場合、24時間など一定時間つけっぱなしのほうが良いこともあります。目的に合わせて検討しましょう。
空気清浄機の電気代を安くするには?

花粉シーズンや、ペットのにおいが気になるときなどに、空気清浄機を長時間つけていると、電気代が高いと感じることもあるのではないでしょうか。またこれから利用する際に、できるだけ安くしたいとお考えの方もいるでしょう。そこで、空気清浄機の電気代を安くする方法をご紹介します。
弱(静音・エコ・省エネ)モードを利用する
先にご紹介した通り、弱(静音・エコ・省エネ)モードの電気代は8時間つけっぱなしでも2円程度、24時間つけっぱなしでも3~7円前後と、比較的電気代を抑えることができます。もし長時間つけっぱなしにしたい場合は、弱(静音・エコ・省エネ)モードにして運転すると良いでしょう。
部屋の広さに応じた製品を選ぶ
空気清浄機には、適用床面積(適用畳数)が設けられています。適用床面積とは、日本電機工業会で定められた規格「JEM1467」によると、30分で清浄できる部屋の広さとされています。
例えば、先にご紹介したアイリスオーヤマの「AAP-S30B-W」は適用床面積が「~16畳」でした。これは16畳の広さを30分で清浄できる製品であることを示します。
この製品を24畳の部屋で使用すると、清浄できるまでに45分かかり、16畳の部屋で使用する場合よりも長時間稼働させる必要があります。。そのため、電気代が多くかかってしまいます。
一般的に、適用床面積は、部屋の広さの2~3倍のものを選ぶと効率が良いといわれています。例えばこの機種であれば6~8畳の部屋が適しています。部屋の環境にもよりますが、置く部屋の2~3倍となる適用床面積の製品を選ぶことで、電気代も抑えられるでしょう。
フィルターをこまめに清掃する
空気清浄機のフィルターは、使用していると汚れが詰まってきます。汚れが詰まったまま使用すると、清浄能力が落ちてしまうため、清浄できるまでの時間が長くかかり、電気代も増してしまいます。フィルターはこまめな清掃を心がけましょう。
電力会社・プランを見直す
1kWhあたりの電気代は、電力会社や契約プランによって異なります。もし電気代が高いと感じている場合は、プラン変更や他の電力会社を検討するのも一案です。
空気清浄機をより効率的に使うには?

空気清浄機の電気代を考える際には、できるだけ効率的に使うことも意識しておきましょう。次のような方法で部屋の空気の清浄効率を上げることができます。
扇風機やサーキュレーター、エアコンを併用する
空気清浄機の吸い込み口に効率よく空気が集まるように、部屋の空気全体を循環させるのをおすすめします。扇風機やサーキュレーター、エアコンが使えます。
部屋の中央に配置する
空気清浄機を部屋の隅ではなく、できるだけ中央に配置しましょう。空気が循環した中で稼働させることが理想ですので、空気が滞りにくい場所であれば問題ありません。吸い込み口と吹き出し口をふさがないため、効率良く稼働させられます。壁に近づけすぎないようにするのがポイントです。またドアや窓付近は外気の影響が及ぶため、できるだけ離すほうが良いでしょう。
フィルターを定期的に清掃する
先にもお伝えしましたが、フィルター汚れは空気清浄機の効率を落としてしまいます。製品によってお手入れの頻度の目安が異なりますが、多くの場合、2週間から1ヵ月に1回程度とされています。
一般的な空気清浄機には、プレフィルター、集じんフィルター、脱臭フィルターという3種類のフィルターが備わっていますので、それぞれのお手入れ頻度を確認して清掃しましょう。
まとめ
空気清浄機の電気代の計算方法や目安、できるだけ安く使用する方法や効率的に使用する方法をご紹介しました。
空気清浄機の1時間あたりの電気代は「消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」の計算式で算出できます。弱(静音・エコ・省エネ)モードであれば24時間つけっぱなしでもそれほど電気代は気にしないで済むでしょう。
その他、空気清浄機の電気代を安くするには、部屋の広さに応じた製品を選ぶ、フィルターをこまめに清掃する、電力会社・プランを見直すといった方法があります。
効率的に使うために、扇風機やサーキュレーター、エアコンを併用することや、部屋の中央に配置すること、フィルターを定期的に清掃することもおすすめです。
今後、空気清浄機を利用、購入する際の参考にされてください。
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