食材を焼く家電といえば、トースターやオーブンを思い浮かべる人が多いでしょう。「焼く」という機能に関しては共通する調理家電ですが、火の入り方や適した料理が異なります。それぞれを有効活用するには、違いを把握することが大切です。
本記事では、トースターとオーブンの違いや選ぶ際のポイントを解説します。違いを理解したうえで料理を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
トースターとオーブンの違い

トースターやオーブンの購入を検討している場合は、それぞれの違いを把握したうえで検討することが大切です。
まずは、トースターとオーブンの違いや種類について解説します。
トースターの特徴
トースターは、パンに焼き色をつける「トースト」を目的に作られた調理家電です。基本的には、上下に備わった電熱線を熱源として、食品の表面をカリッと焼き上げます。中心部に熱を通すというよりも、表面に焼き目をつけるのに長けている点がトースターの大きな特徴です。
短時間で香ばしく焼き上げられるため、食パンやピザの表面に焼き色をつけたり、冷めてしまった揚げ物をカリッと焼き直したりするのに適しています。
トースターの種類
トースターは、主に「ポップアップトースター」と「オーブントースター」に分類されます。ポップアップトースターとは、縦に食パンを挿入して、焼けるとパンが跳ね上がって出てくるタイプの調理家電です。トーストに特化しており、他の食材の調理には適していません。
一方で、オーブントースターは、箱型になっており食材を横に入れて焼き上げるタイプの調理家電です。庫内はほどよいスペースになっているため、食パン以外の食品も焼くことが可能です。また、温度や時間を調整できる多機能なタイプもあります。
一昔前までは、ポップアップトースターが主流でしたが、近年ではオーブントースターが多くみられるようになりました。
トースターの種類については、以下の記事も参考にしてみてください。
オーブンの特徴
オーブンは、赤外線による熱の流れを利用し、食材の内側までしっかりと熱を通す調理器具です。庫内が広いため、大量の料理やサイズの大きな食材の調理にも適しています。
また、熱を均一に加えられる点も特徴であり、ローストチキンやグリル野菜、煮込み料理などを作ることも可能です。多くの製品に事前に庫内の温度を上げる予熱機能が備わっており、クッキーやケーキなどのお菓子作りでも活躍します。
オーブンの種類
オーブンには、「ガスオーブン」と「電気オーブン」の2種類があります。ガスオーブンを使用する際は、ガス栓につなぐ必要があるため、キッチンに据え付けるビルドインタイプが一般的です。火力の強さが特徴であり、短期間で焼き上げる必要がある場合に役立ちます。また、加熱する際に水蒸気が発生することから、料理が乾燥しにくい点もメリットです。
電気オーブンは、電気を使用して食品を温めるため、コンセントがあればどこでも設置できます。なお、電気オーブンには電子レンジ機能とオーブン機能を兼ね揃えたタイプや、スチーム機能が備わったタイプなどがあります。それぞれ特徴が異なるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
そのほか、グリル機能を搭載したオーブンレンジもあります。オーブン機能とグリル機能はよく似ていますが、グリルは上下のヒーターで表面を炙ります。一方で、オーブンは庫内全体を温めた熱で包み込む調理方法であり、食品を中まで熱を通す必要がある料理はオーブンが適しているでしょう。
トースターをオーブンとして代用できる?

トースターとオーブンはどちらか一つあれば十分だと考える方も多いでしょう。しかし、構造や加熱方法が違うため、完全な代用は困難です。
たとえば、トースターは食材の中心部までじっくりと熱を通す仕組みになっていません。そのため、ローストビーフやローストチキンなど厚みのある食材を加熱するのは向いていないでしょう。
オーブンは長時間高い温度を保てますが、トースターは短時間で焼き目や焦げ目をつける際に適しています。トースターの代わりにオーブンを使用する場合は、事前に電子レンジで加熱してから調理するとよいでしょう。
一方で、トースターの代わりにオーブンを使ってトーストやピザを焼く場合は、温度や時間を調整しながら調理する必要があります。このように調理方法を工夫すると、ある程度の代用は可能です。
トースターとオーブンを使った料理やお菓子

トースターやオーブンの違いを理解したうえで活用すると、さまざまな料理やお菓子を作ることが可能です。ここでは、トースターとオーブンそれぞれに適した料理やお菓子を紹介します。
トースターを使った料理やお菓子
トースターは、もともと食パンを焼くために作られた調理家電なので、トーストに最適です。また、フレンチトーストやグラタンパン、ピザトーストなど、食パンを生かしたレシピも、トースターの活用により表面に焼き色がつき美味しく仕上がります。
さらに、トースターは短時間で焦げ目や焼き目をつける際に役立ちます。たとえば、グラタンや焼きおにぎりなどは、トースターを使うと香ばしさをつけられるでしょう。
そのほか、冷めて柔らかくなってしまった天ぷらやフライを温め直す際もトースターがおすすめです。表面がカリッと焼き上がるため、サクサクした食感を取り戻せます。
オーブンを使った料理やお菓子
食材の内部まで熱を通す必要がある料理には、オーブンが適しています。たとえば、ローストチキンやローストビーフなどの肉料理は、オーブンの低温でじっくり焼き上げることで、旨味を食材に閉じ込められます。本格的な仕上がりになるため、記念日やパーティ料理などを作る際に役立つでしょう。
また、オーブンは、庫内全体を熱する仕組みであり、食材にムラなく熱が伝わります。こうした特徴を生かして、ケーキやクッキー、スコーンなどの調理にもおすすめです。
どちらでも使える料理やお菓子
トースターとオーブンのどちらも使える料理やお菓子もあります。たとえば、チーズに焼き色をつけるピザは、どちらでも調理可能な料理です。
また、クッキーも同様にトースターとオーブンの両方で作れます。ただし、トースターを使用する場合、生地に厚みがあると内部まで火が通りません。そのため、生地を薄めにしてから、焦げ防止にアルミホイルをかけて焼くようにしましょう。
厚みのある食材は、オーブンで調理をして内部に火を通したあと、トースターで焼き色をつける方法もおすすめです。表面がカリッとした食感になり、より美味しく仕上がります。
トースターとオーブンを選ぶ際のポイント

トースターとオーブンを選ぶ際は、搭載されている機能やサイズなどを考慮して検討することが大切です。ここでは、それぞれの選び方のポイントをみていきましょう。
トースターの選び方のポイント
トースターは、製品によって温度や焼き時間を設定する「温度調整機能」が搭載されているタイプがあります。こうしたモデルを選ぶと、パンだけでなく、ピザや冷凍食品の加熱も可能です。
たとえば、〈BALMUDA バルミューダ〉のトースターは、スチームテクノロジーを活用した機能が備わっています。パンの美味しさを存分に楽しめる点が魅力であり、グラタンやお菓子作りにも役立ちます。
また、キッチンのスペースに合ったサイズのトースターを選ぶことも重要です。一人暮らしで、シンプルなトースターを求めている場合は、本体が小さめであるポップアップトースターのほうが適しています。
一方で、家族で暮らしている場合は、一度に複数枚のパンが焼けるタイプのトースターがおすすめです。ただし、大きいモデルは設置スペースを確保する必要があるため、事前に測ってから検討するようにしましょう。
なお、トースターは日常的に使う調理家電であり、使用するうちにパンくずや油で汚れが溜まります。清潔な状態を保つためにも、定期的なメンテナンスが欠かせないでしょう。なお、パーツが取り外せて内部の掃除がしやすいタイプを選ぶと、メンテナンスが楽になります。
トースターの掃除については、以下の記事も参考にしてみてください。
オーブンの選び方のポイント
オーブンは、モデルによって搭載されている機能が異なります。そのため、どのような料理を作りたいかイメージしたうえで、適した機能が備わっているモデルを選ぶことが大切です。
たとえば、食材の油分をカットしたい場合は、スチーム機能が備わったスチームオーブンが適しています。お菓子やパンを頻繁に作る方は、ムラなく焼けるコンベクションオーブンがおすすめです。
最近では、スマートフォンと連携して予熱や調理終了時間を教えてくれるタイプも販売されています。家事の時間短縮を望む場合に活躍するでしょう。
また、トースターに比べるとオーブンのサイズは大きいため、事前に設置箇所のサイズを慎重に確認する必要があります。家族の人数や作る料理を考慮しつつ、庫内のサイズも確認しておきましょう。
まとめ
トースターとオーブンは、いずれも焼くことに特化した調理器具です。しかし、焼き方や機能には大きな違いがあるため、以下のように使い分けるとよいでしょう。
・トースター:表面に焼き目をつける
・オーブン:食材の内部まで温める
新たにトースターやオーブンを購入する際は、サイズや機能を考慮して、料理に適したタイプを選びましょう。できるだけリーズナブルな価格で購入したい方は、リユース品を検討するのもおすすめです。
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