自転車を購入するにあたり、防犯登録はどこで行なえるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
自転車の防犯登録は所有者の義務であり、盗難などを未然に防ぎ、適切に管理するために必要な手続きです。
今回は、自転車の防犯登録の概要を紹介し、自転車の防犯登録の手続き先や必要なもの、登録方法、注意点などを解説します。
なお、自転車の購入を検討している方は、ぜひ〈2ndSTREET セカンドストリート〉の店舗やオンラインストアをご利用ください。
自転車の防犯登録とは?登録しないとデメリットも

まずは、自転車の防犯登録が必要な理由と、登録しないとどうなるのかを見ていきましょう。
自転車の防犯登録は義務付けられている
1994年6月から、自転車の防犯登録は自転車法により、以下のように義務付けられています。
【第12条(自転車の利用者の責務)】
3 自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録(以下「防犯登録」という。)を受けなければならない。
引用:e-Gov法令検索「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」
上記の通り、自転車の利用者は防犯登録を行なうことが義務化されています。ただし、現在のところ、自転車を防犯登録しないことによる罰則はありません。
自転車の防犯登録をしない場合のデメリット
上記の通り、罰則はないものの、自転車を防犯登録しないことで以下のようなデメリットがあります。
- 盗難の被害に遭いやすい
- 盗難後、発見されても連絡がこない
- 盗難車と疑われる可能性がある
防犯登録をすると、防犯登録シール(登録番号標識)を自転車の視認しやすい部分に貼り付けて所有権を示せます。しかし、防犯登録シールが貼り付けられていないと、自転車の所有を客観的に証明しづらくなるため、盗難の被害に遭う可能性が高まるでしょう。
警察庁の資料によると、自転車の窃盗認知件数は、以下のように推移しています。
年次 | 認知件数 |
---|---|
2017年 | 20万5,381件 |
2018年 | 18万3,879件 |
2019年 | 16万8,703件 |
2020年 | 12万797件 |
2021年 | 10万6,585件 |
近年、自転車の窃盗の認知件数は減少傾向にあるとは言え、依然として盗難被害は毎年発生しています。
また、自転車を防犯登録していないと、自身に所有権があることを証明できないため、盗難届を出せないデメリットもあります。仮に、盗難された自転車が第三者に発見されても、防犯登録シールがないため連絡は来ません。
さらに、防犯登録シールがない自転車は、盗難車と疑われる可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。
自転車防犯登録の手続きはどこでする?

自転車の防犯登録は、主に以下で行なえます。
- 最寄りの交番・駐在所
- 警察署内の防犯協会
- 「自転車防犯登録所」である自転車販売店やホームセンター
地域によっては、防犯登録を行なえるのは自転車販売店のみで、警察署では防犯登録の抹消や住所変更のみを受け付けているケースもあります。
また、購入方法によっても、登録方法が異なるので注意しましょう。新品を実店舗で購入した場合はその店舗で登録でき、新品をインターネットで購入した場合は、最寄りの交番・駐在所や自転車防犯登録所で登録が可能です。
中古品を購入した場合にも、最寄りの自転車防犯登録所で新たに登録を行なえます。ただし、旧登録者の防犯登録を抹消する手続きが実施されていないと、中古自転車は防犯登録できないため注意しましょう。
自転車の防犯登録に必要なものと登録方法

次に、自転車の防犯登録をする際に必要なものと登録の流れを紹介します。
自転車防犯登録に必要なもの
自転車の防犯登録では、主に以下のものを用意する必要があります。
- 自転車本体
- 身分証明書類(免許証・保険証・学生証など)
- 購入を証明できる書類(納品書・保証書兼販売証明書・発送完了メールの控えなど)
- 登録料600~700円程度(※都道府県によって異なる)
新品の自転車を購入した場合は、店舗でそのまま防犯登録が可能なため、身分証明書類と登録料を準備しておけば問題ありません。
また、他人から自転車を譲り受けたときは、購入を証明できる書類の代わりに、以下の2点を用意します。
- 防犯登録抹消証明書
- 譲渡証明書
防犯登録抹消証明書は、前の所有者が自転車の防犯登録を抹消した際に発行される書類です。譲渡証明書は、自転車の所有権を動かすために必要な書類なので、自身で新たに防犯登録する前に、これらの書類を用意しておきましょう。
自転車防犯登録の方法
自転車を防犯登録するときのやり方は、以下の流れとなっています。
- 警察署や自転車防犯登録所へ防犯登録を依頼する
- 防犯登録カードへ住所・氏名・電話番号などを記入する
- 身分証明書類を提示する
- 防犯登録料を払う
- 防犯登録シールを貼る
- 「防犯登録カードの控え」をもらう
新品の自転車を購入する場合、防犯登録に掛かる時間は5~10分程度とされています。
防犯登録シールは、フレームに貼らなければならないとされています。見えやすい位置に貼ることで、防犯効果の向上が期待できるでしょう。
自転車の防犯登録とあわせてやっておくべきこと

自転車の防犯登録をする際に、あわせてやっておくべきことについて解説します。
防犯登録シールなどを写真に残す
自転車の防犯登録を行なったら、防犯登録シールや防犯登録カードの控えをスマートフォンなどで撮影しておくことをおすすめします。というのも、自転車の盗難届を出す際や自転車を他人へ譲る際は、これらに記載された登録番号などの情報が必要となるためです。
万が一、防犯登録カードの控えの保管場所を忘れてしまったとしても、写真や画像データとして残しておけば、盗難届の提出や譲渡のやり取りをスムーズに行なえるでしょう。
自転車保険に加入する
近年、自転車保険への加入を義務化している自治体や、努力義務としている自治体が増えています。たとえ自転車保険の加入を任意としている自治体に住んでいる場合であっても、事故を起こす可能性を考慮して加入しておくのがおすすめです。
自転車事故の賠償事例では、以下のように高額な損害賠償を請求されるケースもあります。
裁判所・年 | 事故の概要 | 賠償金額 |
---|---|---|
東京地方裁判所 2003年9月 | 男性が減速せずに交差点へ侵入し、横断歩道を歩行中の38歳女性が死亡。 | 6,779万円 |
東京地方裁判所 2005年9月 | 男子高校生が赤信号で横断歩道を走行し、衝突したオートバイの62歳男性が死亡。 | 4,043万円 |
横浜地方裁判所 2005年11月 | 夜間、女子高校生が携帯電話を操作しながら無灯火で自転車を運転し、衝突した57歳女性に重大な障害が残った。 | 5,000万円 |
大阪地方裁判所 2007年7月 | 15歳男性の運転する無灯火の自転車と正面衝突した62歳男性が死亡。 | 3,000万円 |
東京地方裁判所 2008年6月 | 男子高校生が自転車で車道を斜めに横断し、対向車線の自転車を運転する24歳男性と衝突。24歳男性に重大な障害が残った。 | 9,266万円 |
神戸地方裁判所 2013年7月 | 夜間、11歳の男子小学生が運転する自転車と62歳女性が正面衝突し、62歳女性が意識不明の重体になった。 | 9,521万円 |
出典:兵庫県「自転車事故による高額賠償事例」
出典:鶴ヶ島市「自転車事故における高額賠償判決の実例」
なお、保険商品によって違いはありますが、自転車保険の加入により以下のような補償が受けられます。
- 損害賠償責任に対する補償
- 弁護士費用の補償
- 被保険者の治療費に関する給付金
- 死亡保険金
- 車両盗難特約
- 示談交渉
- ロードサービス
上記のように、損害賠償責任や弁護士費用に対する補償があれば、思わぬ事故を起こしてしまった場合も対処しやすくなります。
防犯登録の抹消確認を!自転車をリユースショップ・リサイクルショップなどで売買する際の注意点

ここからは、自転車をリユースショップ・リサイクルショップなどで売買する際の注意点について解説します。
自転車を売る際の注意点
自転車を売る際、買取業者によっては防犯登録の抹消手続きを行なっておく必要があるため、事前に確認しておくことが大切です。なお、抹消手続きは自転車を購入した店舗や警察署などで行なえます。
また、自転車を売る際には、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類が必要です。未成年の場合は学生証のほか、保護者の承諾書が必要なケースもあります。
ただし、買取業者によっては未成年からの買い取りを行なっていないこともあるので注意しましょう。
中古自転車を購入する際の注意点
中古自転車の購入は、全国展開している大手のショップなど、信頼の置けるところを選ぶことが大切です。例えば、インターネット上のフリーマーケットサイトで購入すると、自転車の本体価格は安くても、配送料を高額に請求されるケースもあります。
また、中古自転車の防犯登録は、自身で行なわなければならない点にも注意が必要です。先述の通り、新品を実店舗で購入した場合は、その店舗での防犯登録が可能です。しかし、中古品を購入した場合は、自転車防犯登録所で手続きしなければなりません。
そのため購入時には、以前の防犯登録が抹消されており、以前の所有者の譲渡証明書がもらえることを確認しておきましょう。仮に、購入した中古自転車に譲渡証明書が添付されていない場合は、防犯登録できません。
販売者とのトラブルや余計なやり取りを減らすためにも、信頼性の高いショップで購入することが重要です。
まとめ
自転車の防犯登録は、所有者に義務付けられている手続きです。防犯登録シールを自転車に貼り付けるため、盗難を防止したり、盗難発生時の早期発見につながったりといったメリットが見込めます。また、中古自転車を購入する際は、譲渡証明書の受け取りなどが必要なので、信頼できるショップを選ぶことが重要です。
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なお、アウトドア専門店のリユースショップ「セカンドアウトドア」も運営しています。セカンドストリートとあわせて、ぜひご利用ください。