古着動画クリエイター ハルキと「Snex 2023」潜入レポ “超巨大スニーカーガチャ”に挑戦した結果……まさかの!?
同イベントの魅力は、出店企業がそれぞれのアイデアとスニーカー愛で作り上げる独自のコンテンツにある。ここに「2nd STREETセカンドストリート」も待望の初参戦を果たした。既にイベント自体は大盛況の内に幕を下ろしたが、読者諸氏の中にも残念ながら現地参戦が叶わなかった人も多いはず。そこで今回は、Z世代を中心とした古着ファンから支持を集めるYouTubeチャンネル『ハルキの古着』のハルキさんをナビゲーターに迎え、開催初日の様子をリポートする。
※本記事内における各モデルの呼称は、2nd STREET独自のものに準拠。
プロフィール
ハルキ ●登録者数115万 人を超える2人組人気動画クリエイター「北の打ち師達」のメンバー。古着好きが高じて、2021年からは古着をテーマにした個人チャンネル「ハルキの古着」をスタートさせ、古着界隈からも注目を集めている。同チャンネル内では、セカンドスリートを訪れての買い物企画も好評を博している。
Instagram:@haluktuc
X:@GaBanZiRu
YouTube:「ハルキの古着」
2nd STREETがスニーカーの祭典に初参戦
本気で挑む2日間のリミテッドショップ
取材班が会場となるパシフィコ横浜に到着したのが、朝9時。この時点で建物付近には、開場を今か今かと待つスニーカーヘッズの姿がちらほら。一様にレアスニーカーで足元を固め、どこか浮足だった様子。このイベントに対する意気込みと期待の大きさが見て取れる。そして10時になると入場口前に、一般入場の30分前にエントリー可能なエグゼクティブチケットを手にした強者たちの列が形成される。和気藹々のように見えて、実は既に始まっているレアモデルの争奪戦、そして徐々に上がっていくボルテージ。
我々は、ひと足先に入場して、セカンドストリートのブースを偵察することに。スニーカーシーンで名を馳せる出店企業が、それぞれのアイデアとスニーカー愛で作り上げる独自のコンテンツでイベントを盛り上げる中、同ブースでは全国約800店舗から厳選した2000年代初頭~最新のリユーススニーカーの販売を実施するというから、真っ向勝負のストロングスタイル。当然、セレクトだけでなくコンディションにもこだわっているため、どれも新品同然。要は、セカンドストリートが本気で挑む2日間限りのリミテッドショップがパシフィコ横浜に姿を現したというワケなのだが、本イベントにおける最大の目玉は別にある。
それが、開催前からSNSで注目を集めていた「超巨大スニーカーガチャ」である。ダンジョンで冒険者達から宝物を守護するドラゴンの如く、ブースの入り口にそびえ立ち、全高2.4mの圧倒的存在感。さらにその上にはナイキのシューズBOXをオマージュしたオブジェが鎮座すると、その高さは約3m。数多のお宝スニーカーを守る様は、まさにモンスター。
気になる内容は、1回5,000円で近年のスニーカーシーンを大いに盛り上げた〈NIKE ナイキ〉の名作モデル50足+αが当たるというもの。一人につき最大2回まで回すことが可能で、内訳はS賞(1本)から始まり、A賞(3本)、B賞(5本)、C賞(15本)、D賞(26本)、E賞(100本)、F賞(150本)の合計300本限定で、ハズレなしの大判振る舞いだ。詳しくは前回の記事をご覧頂きたい。
ヘッズ騒然の
超巨大スニーカーガチャに挑戦!
当たったのは、まさかの……!?
さて、時計の針は10時半を回り、アーリーエントリーの人々も続々と入場し始めてきた。巨大なガチャの威容に驚愕しつつもテンションが爆上がりのハルキさんに早速、このモンスターに挑んでいただこうではないか。超巨大ガチャを前に気合十分!まずは意気込みを聞いてみた。
ハルキ:「ラストワン賞(1本)まであるんですね。一人最大2回までしか挑戦できないとなると、最後を誰が引くのか、これは争奪戦になりそう。数が減るごとにソワソワしてきちゃったりして(笑)。個人的に気になるところだと「DUNK ダンク」や「AIR JORDAN1 エア ジョーダン1」など、王道バッシュでモノトーン配色のものですかね。あとはこれも気になります」
というワケでお目当てはコチラの3足。
C賞の「AIR JORDAN 1 HI 85 “Black White” エア ジョーダン1 ハイ 85“ブラック ホワイト”」、D賞の「× SUPREME SB DUNK HIGH By Any Means “White Black” ×シュプリーム SB ダンク ハイ バイ エニーミーンズ“ホワイト ブラック”」と「×STUSSY AIR FORCE 1 MID “Black and Light Bone” ×ステューシー エア フォース 1 ミッド“ブラック アンド ライトボーン”」。どれも汎用性が高く、自身の古着スタイルにも適応しやすい好チョイス。マニア垂涎・当選本数極少のS賞~B賞ではなく、当選確率の高いC~D賞に照準を合わせるあたり、本気度が伺える。
お目当てのモデルが判明したところで、スタッフに2回分の10,000円を渡し、ガチャを回すための専用コイン2枚と交換。これをマシンに投入することでガチャが可能となる。さぁ、コインを投入し、いよいよ勝負の瞬間。「緊張しますね」と、ハルキさんの顔にも緊張と期待が入り混じった表情が浮かぶ。
巨大ハンドルを両手で掴んでガチャリと回転させると、マシンからダチョウの卵もかくやという巨大なカプセルが排出される。恐る恐る開いて中に入っている紙を取り出すと……。結果はE賞! セカンドストリート全店で使用可能なプリベイトカード「Lueca ルエカ」5,000円分だ。先述のように、このガチャは1回5,000円なので、実質タダと考えれば結果オーライ。とはいえ、この結果では到底納得できないハルキさん。「もう1回いきます!」。そう、1人最大2回まで挑戦可能なのでチャンスはもう1回ある。リベンジなるか!?
乾坤一擲、気合いを込めて回すハンドル。出てきた2つめのカプセルの中に入っている紙を取り出すと……。結果はF賞!ハイプスニーカーは残念ながら手に入らなかったものの、その場で好きなスニーカーを選べるということでテンション上昇。思わず歓喜のガッツポーズが飛び出すハルキさん。「いやぁ、ワクワクしましたね。何が出るか分からないというドキドキ感もあって、めっちゃテンション上がりました。しかもハズレなしってところが嬉しいし、これは絶対にやるべきですね!
ガチャに展示に販売と、盛り上がるイベント
気になるハルキとスニーカーの話も
スニーカーヘッズの夢が詰まった超巨大スニーカーガチャに挑戦したハルキさん。獲得した景品は、E賞とF賞。全150本あるF賞では、セカンドストリートが厳選した5,000円相当の各種ブランドスニーカーの中から、好きな1足を選ぶこととなる。彼が悩みつつもチョイスしたのが、ナイキの「ACG AIR MOC 3.0 ACG エアモック3.0」だ。古着動画クリエイターということで、ローテクモデルを選ぶかと思いきや意外。なぜこれを選んだのか気になるところ。
ハルキ:「ここ最近、自分の中でエアモック熱が高まっていて、ちょうど探し始めていたタイミングだったこともあり、コレに決めました!今年28歳になったんですが、歳を重ねる内に、何となく自分の好きなモノや欲しいモノって決まってきちゃうじゃないですか。その点、ガチャは自分では普段選ぶことないモノとの偶然の出会いがあるのが良いですよね。それをきっかけにファッションの幅も広がったりすることもあるでしょうし」
入場ラッシュもすっかり落ち着き、会場内のブースはどこもヘッズの人だかり。もちろんセカンドストリートのブースも、ガチャ挑戦者達で大盛況。最大の目玉がガチャだが、見どころはそれのみにあらず。全国の店舗から厳選した2000年代初頭~最新のリユーススニーカーの販売も忘れてはいけない。せっかくなのでハルキさんにも、この渾身のラインアップを実際に手に取ってみていただくとしよう。
―セカンドストリートのブースをご覧頂いていますが、何か気になったモデルはありましたか?
ハルキ:「このアッパーがモコモコしたやつは可愛いですね。ダンクですか?」
―そうです。ナイキの「x Grateful Dead SB DUNK LOW PRO SB ×グレイトフル・デッド ダンク ロー プロ」というモデルで、グレイトフル・デッドというアメリカのロックバンドのマスコットキャラである、デッドベアがモチーフとなっています。
ハルキ:「へ~。ここにもダンクが沢山並んでいますが、ベースモデルは同じでも素材やカラーリング次第で表情が大きく変わるっていうのが楽しいですね。履くのはもちろんアート感覚で眺めているだけでもテンションが上がりますし、こういったハイプスニーカーにハマる人達の気持ちが分かりますね」
―今回のイベントでは、ナイキを取り扱う出店者が多かったのですが、ハルキさんが普段履いているのは、どんなスニーカーですか?
ハルキ:「よく履くのは〈VANS ヴァンズ〉や〈CONVERSE コンバース〉といった定番中の定番。さらに言うと、「OLD SKOOL オールドスクール」や「ALLSTAR オールスター」といった古着と相性の良いモデルが多いですね。なので、こういったいわゆるハイプスニーカーと呼ばれるモデルを実際に手に取って触れるのは、すごく新鮮で楽しいです」
そんなハルキさんの足元に視線を落とすと、そこにはナイキの「Dunk SB Low “Tokyo Blue Taxi”」が。撮影で訪れたショップでゲットしたお気に入りということで、彼のファンにはお馴染み。東京を走るタクシーの車体色からインスピレーションを得たという背景も含めて、なかなか通好みのチョイス。普段はオーセンティックなモデルを愛用しているというが、ハイプな逸足も見事に履きこなしているではないか。
―先ほど会場内をグルリと回って頂きましたが、新たな発見はありましたか?
ハルキ:「発見という意味では、先ほども話したように 同じエア ジョーダン1や同じダンクでも、こんなに色々なデザインがあるんだっていう驚きがありましたね。また、このイベントならではの気付きとしては、“会場内が全員、いいスニーカーを履いている”ってことも(笑)。この機会に最近のスニーカー事情をもっと知りたいと思いました」
―アイテムの背景やデザインの意味を知ることで面白みが増すという意味では、ハルキさんの好きな古着と一緒ですよね。
ハルキ:「ですね。デイリーユースしやすいモデルもあれば、何十万円もするようなプレミアムモデルがあるという点も一緒。売る側も買う側も、知識と熱意を持った人達が集まっている空間じゃないですか。すごく勉強になるし、お祭り気分でこの場にいること自体がすごく楽しいです」
―ガチャではE賞も当たりました。次回はこの5,000円分のルエカを使って、実際にセカンドストリートの店舗で、スニーカーをディグっていただきます。
ハルキ:「いやぁ、嬉しすぎますね。5,000円ですよね、金額的にヴァンズのオールドスクールで状態が良いモノがあったら買い直すのもアリかなって。シンプルがゆえに汎用性も高く、どんな格好にも合うので何足あっても困りませんからね」
―ことスニーカーに関して言うと、セカンドストリートのイメージってどうですか?
ハルキ:「やはり店舗があるエリアごとの違いっていうのはメチャクチャありますよね。今回のようなハイプスニーカーの場合は、客層が若くトレンドに敏感な原宿のような街のセカストが強いですし、古着屋が多く立ち並ぶ高円寺なんかだと、ローテクモデルが強いみたいな」
―となると、どの店舗になるかでお目当てが見つかるかどうかも変わってきそう。
ハルキ:「僕の動画でも、店舗スタッフの方や YouTubeで視聴者さんからのコメントでおすすめの店舗を教えてもらっていったりしているので、ちょっとリサーチしておこうかな。ちなみにルエカは5,000円分ですけど、足りない分をプラスするのは問題ないですよね?ちょっと今回の取材で興味が湧いてきちゃったので、5,000円を超えるようなハイプスニーカーを買っちゃう気がしています(笑)」
国内最大級のスニーカーの祭典「Snex/Sneaker Expo 2023 Yokohama」のレポートは、以上である。狂騒狂乱のハイプスニーカー・バブルは終焉を迎えたと捉える向きもあるが、現場の空気を肌で感じた身としては、熱狂的フォロワーたちの熱意は変わらず、スニーカーはファッションの1ジャンルから独立し、カルチャーとしての地位を完全に確立していると思い至った次第。
というわけで次回は、この『knowbrand magazine』から『talk about』へと舞台を移し、ガチャで獲得した E賞・ルエカ5,000円分を手にしたハルキさんと共に、セカンドストリート買い物ツアーを敢行する。人気古着動画クリエイターはどんなスニーカーを選ぶのか。お目当ての1足入手となるか。乞うご期待だ。