FASHION
FOCUS on Supreme

「Box Logo ボックスロゴ」だけじゃない!ストリート絶対王者〈Supreme シュプリーム〉の歴代ロゴを考察する。

1994年、ニューヨークで生まれて以来、ストリートに根ざした世界観でスケーターから世界的セレブまでを魅了し続けているSupreme。

同ブランドはLOUIS VUITTONやCOMME des GARÇONSなどのブランドとコラボしたアイテムのみならず、レギュラーアイテムでも価格が高騰することでも知られているが、その中でもどのアイテムが人気なのかは、ファンなら誰しもが知りたいところではないだろうか。

今回は、Supremeの歴代ロゴに着目して、そのルーツなどを探りつつ、その人気の度合いを探ってみようと思う。

〈Supreme シュプリーム〉の象徴とも言える”Box Logo ボックスロゴ”

★★★★★
Supremeというブランドを知らなくても「見たことはある」という人も多いであろう、この”Box Logo ボックスロゴ”。 この赤い”Box Logo”のステッカーを、Kate Moss(ケイト・モス)のモノクロ写真を使った〈Calvin Klein カルバン・クライン〉のポスターに貼ることによりブランドの名を広めた、というのはファンの間では有名な話だ。 実はこのロゴマーク、消費社会を批判し続ける現代芸術家、Barbara Kruger(バーバラ・クルーガー)の作品群が元ネタとされる。気になる方は、「Barbara Kruger 」で検索すれば、彼女の作品やTシャツを見ることができるはずだ。

モノトーンの写真に赤地に白抜きのメッセージを載せたグラフィック、そして同じFutura Bold Obliqueと思われるフォントを使っているという類似性は、単なる偶然とは思えない。 その真相はさておき、この批判や訴訟を恐れないSupremeの姿勢を表していると言える”Box Logo”が、今後も同ブランドを象徴するロゴであり続けるのは間違いないだろう。

定番人気の”Arc Logo アーチロゴ”はバリエーションも豊富

★★★☆☆
“Box Logo”に次ぐSupremeを代表するロゴといえば、Supremeがその存在を確固たるものとした、2000年初頭のストリートブームの際に人気を博した”Arc Logo アーチロゴ”だろう。Arc(アーチ)=「弧」の意味で、その名の通り弧を描いたロゴマークが、アメカジの王道アイテムであるカレッジTシャツのような雰囲気を醸し出している。

特にジップパーカーなどスウェットアイテムによく見られ、マルチカラーやフォント違いなどバリエーションも豊富。既に伝説と化している、Louis VuittonとのコラボレーションにおいてもこのArc logoは用いられた。シンプルでありながらバリエーションもつけやすいため、今後も定番的に人気が続くモチーフだろう。

躍動感が感じられる”Motion Logo モーションロゴ”

★★★★☆
“Motion Logo モーションロゴ”も少し前からあるモチーフだが、近年復刻されて若いファンにも浸透してきた。Tシャツ、フーディー、キャップ、スニーカーなどベーシックなアイテムからスケートデッキ、スタジャンなどのスペシャルなアイテムまで用いられている。

ちなみに、このロゴは別名”Goodfellas Logo グッドフェローズロゴ”とも呼ばれており、Martin Scorsese(マーティン・スコセッシ)監督の1990年の映画『GoodFellas グッドフェローズ』のモーションタイトルを元ネタとしているという説も。未来的な雰囲気を醸し出すとともに、この「Supremeを知っている人にしか読めない」感もマニア心をくすぐるロゴマークと言えるだろう。

アラビア語で書かれた”Arabic Logo アラビックロゴ”

★★★☆☆
そして”Motion Logo”よりもさらに上を行く「知らないと全くわからない」のが、この”Arabic Logo アラビックロゴ”。 このアラビア文字は、英語で言うGlory(栄光)やAlmighty(万能)、praise(賞賛)という意味のようで、つまりSupreme(=至高)を意訳したものと思われる。

その存在を知らなければSupremeとは気付かないであろうロゴだが、その謎を呼ぶ雰囲気でSupremeファンには人気のあるモチーフ。こちらもモーションロゴ同様に最近復刻されている。

洗練された印象の”Classic Logo クラシックロゴ”

★★☆☆☆
近年数多くリリースされているのが、この上品な印象の”Classic Logo クラシックロゴ”。こちらのロゴは、パリのブランドである〈Courrèges クレージュ〉のロゴマークに似ているという説も。

たしかに、「Helvetica Neue ヘルベチカ・ノイエ」と思われるフォントだけでなく、Supr[è]meとグレイヴアクセントを付した部分など、意識していてもおかしくない。 この細めのフォントにカモフラージュを施したバージョンは、街に溢れるカモフラロゴと一線を隠した、新鮮な仕上がりとなっている。

ベーシックさが魅力の”SCRIPT Logo スクリプトロゴ”

★☆☆☆☆
ぱっと見ではSupremeとわかりづらく、あまりにも普通すぎるからだろうか、ディープなファンからの人気はイマイチなのがこの”SCRIPT Logo スクリプトロゴ”。プレミア価格が当たり前となっているSupremeの中では、比較的手に入れやすいアイテムが多い。

とはいえ、ベーシックだからこそ合わせやすいアイテムであることは確か。Supreme初心者がまず手に入れるにはいいアイテムと言えるかもしれない。

 

究極にシンプルで潔い”S-Logo Sロゴ”

★★★☆☆
最後に紹介するのは、ブランドの頭文字をとった”S-Logo Sロゴ”。シンプルな刺繍のほか、反射材を使った袋文字のもの、パイル地を用いたものなど、様々なバリエーションが存在している。 リリース当初は”S-Logo”というだけであらゆるアイテムが定価以上の取引がされていたが、現在でもデニム生地やシーズンカラーの”S-Logo”キャップは高値で取引されているという。

フロント部分の「S」は「Futura Bold Oblique フーツラボールドオブリーク」が用いられ、バックにはArc Logoのように弧を描いた刺繍が施されている。ブランドを象徴するディテールが盛り込まれた、ファンにはたまらないアイテムと言えるだろう。

これまでSupremeのロゴマークを見てきたが、物議を醸したもの、いわくのつきのものの方が、比較的プレミア化しやすいという傾向がありそうだ。

今後も『knowbrand magazine』では、Supremeをはじめ、様々なブランドやアイテムについて考察を加えて行く予定。
気になる方は是非チェックしてみてほしい。

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