GORE-TEX

ゴアテックス
HISTORY

それは、過酷な環境に挑んだ歴史。
1958 | DELAWARE, USA | Wilbert L.& Genevieve Gore

1958年、アメリカ最大手の化学系複合企業デュポン社に勤めていたビル&ヴィーブ・ゴア夫妻が、自宅の地下室でW. L. Gore & Associatesを設立したのがはじまり。研究開発を行っていた合成ポリマーPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の可能性を信じての独立で、当初はPTFE絶縁ケーブルとケーブル部品のメーカーとして成長。販売網を世界へと拡大し、高品質なケーブルはNASAのアポロ計画にも搭載された。

転機が訪れたのは1969年。創業者夫妻の息子であったボブ・ゴアが新素材ePTFEを開発。これはPTFEを延伸加工(expanded)したもので、これにより多彩な領域での応用が可能になった。

1976年、アメリカのアウトドアブランド、アーリーウィンタースから、GORE-TEX ファブリクスを使った初のレインウエアが発売される。かつてない防水透湿性は評判を呼び、その後さまざまなアウトドアブランドがこぞってGORE-TEX ファブリクスを採用することとなる。

1979年には、ダナーが世界で初めてGORE-TEX ファブリクスを靴に採用。また、GORE-SEAM® テープが導入され、防水性が向上する。

そして1991年、品質を保証するギャランティプログラム「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY®」プロミスの導入を開始。信頼性とともにブランドとしての価値も高まり、いまやGORE-TEX プロダクトの名は防水透湿技術の代名詞的存在となっている。

また、ePTFEを応用したゴアの先進技術は医療や自動車の燃料電池などにも応用されている。特に1976年より医療の現場で採用され始めた人工血管技術は業界で大きなシェアを獲得しており、医療技術の進歩に貢献している。

以下に、代表的なプロダクトテクノロジーやプロダクトクラスをまとめる。
(一部詳細は前編記事へ)

1991年【GORE® WINDSTOPPER®プロダクトテクノロジー】
GORE® WINDSTOPPER®メンブレンを採用し、優れた防風性と高い透湿性を備えたプロダクト。寒さや風の中でも快適な着心地を実現する。

1998年【GORE-TEX PACLITE® プロダクトテクノロジー】
より軽量でコンパクトな収納を可能にするテクノロジー。防水透湿性のあるGORE-TEX メンブレンを表生地に張り合わせ、裏地をなくした2層構造になっている。春夏のハイキングなど、天候の変化に応じて着脱するウエアとして多用されている。

2003年【GORE-TEX XCR®】
表生地に強靱な素材を採用し、耐久性を強化したテクノロジー。登山やスキー、バイクなどに向けたウエアやグローブ、ブーツなどを展開した。

2013年 【GORE-TEX® Pro プロダクト】
耐久性に優れた生地と専用のメンブレンを使用。高度な防水透湿性を実現しつつ、最高レベルの堅牢性を備えた製品群。豪雨や雪、氷など、非常に過酷なコンディション下でのアウトドアシーンに耐えうる、プロアスリートやガイド向け。

2014年【GORE-TEX SURROUND® プロダクトテクノロジー】
防水耐久性はそのままに、靴全体で高い透湿性を実現。360°全方向で湿気を逃がす独特の構造が特徴。足をいつでもドライで快適に保つ。

2014年【GORE-TEX® Active プロダクト】
防水性を備えながら、なによりも透湿性の高さを追求した製品群。主に3層構造を採用し、非常に軽量で透湿性に優れている。トレランなど、激しい有酸素運動に適している。

2016年【GORE-TEX® SHAKEDRY™ プロダクトテクノロジー】
通常、表生地、GORE-TEX メンブレン、裏生地の3層構造のところ、表生地を取り払い2層構造を採用。これにより、防水透湿性を備えながら圧倒的な軽さを実現した。表生地が水分を含んで重くなることもない。ランニングやサイクリング用として展開している。

2017年【GORE® Invisible Fit テクノロジー】
新たなフットウエア用の防水透湿テクノロジー。従来はファブリクスを靴下状に成形したGORE-TEX ブーティを搭載する方式だったが、GORE-TEX ファブリクスをアッパー素材に圧着して一体化することで、軽さ、柔軟性、快適さを向上させた。ランニング用に最適。

2018年【GORE-TEX INFINIUM™ プロダクト】
防水性よりも、快適性とパフォーマンスが優先される多様なシーンに適した製品群。

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