A.P.C.

アー・ペー・セー
HISTORY

ベーシックを貫くフランス発のニュースタンダード。
2011  |A.P.C.| Jean Touitou

フランス生まれの〈A.P.C. アー・ぺー・セー〉。音で聞いても、字面でも見ても実にシンプルなブランド名である。ロゴの入ったキャンバス地のトートバックを街で見かけることもあるだろう。A.P.Cとは「Atelier de Production et de Creation(生産と創造の工房)」という言葉の頭文字をとったもの。シンプルに並べた頭文字に、深い想いが込められていると同時に、あくまで自分たちが生み出すプロダクトの品質を重視し、あえてデザイナー名とクリエーションが結び付かないようにする意図も込められているという。

A.P.C.を創設したのは、チュニジア出身のデザイナーであるジャン・トゥイトゥ。1986年のことであった。フレンチベーシックを基本としており、当初はメンズブランドとして始まったが、1988年にはレディースラインもスタート。

A.P.C.のプロダクトは、きわめてミニマルで高品質なものが多い。中でもパリッと糊の効いたデニムアイテムは、ブランドを代表するアイコン的な定番製品である。オーセンティックなジーンズのデザインを踏襲しながらも、ディテールや素材には独自のこだわりが光る。特に要となる生地は、ジャン・トゥイトゥ自らが選び抜いたという日本製の14.5オンス無加工リジットデニム。旧式の織機で織られ、赤耳(セルビッチ)を有したこのデニム生地は、ブランド創生期から現在にいたるまで使い続けられている。履きこむことで見事なエイジングを刻み、その色落ちと風合いの良さからリピーターも非常に多い。裾に向けて次第に細さを増すテーパードシルエットが特徴のモデル「Petit New Standard プチニュースタンダード」は、どんなスタイルにもマッチする汎用性の高さから特に人気が高い。まさにジーンズの新しき標準となったのだ。同じ生地を使用したデニムジャケットのファンも多く、セットアップでの着用も実に様になる。なおA.P.C.が提案する公式の「デニムの洗い方」は非常にユニークに表現されており、A.P.C.のおちゃめな洒落っ気とデニムへのこだわりが垣間見える。

A.P.C.はブレない。誕生以来ベーシックを貫いている。ある意味、流行という時代の潮流に抗っているかのようなその姿勢は、硬派ですらある。ゆえに生み出すプロダクトがいくらミニマルなデザインだとしても、そこには哲学が宿っており身につける者を引き立てくれるのだ。

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