BROOKS BROTHERS
アメリカントラッドを体現する。
1818 | NEWYORK,USA | Henry Sands Brooks
「最高品質の商品だけをつくり、取り扱うこと。またその価値を商品に求め、理解できる顧客とのみ取引すること」という哲学のもと、全ての商品を自社で製造・販売している〈BROOKS BROTHERS ブルックスブラザーズ〉。
1818年に創業し、アメリカで現存するアパレル会社として最古の歴史を誇る同社の200年余りの歴史は、ヘンリー・サンズ・ブルックスが、ニューヨークのビルを1万5250ドルで落札し、H.&D.H.ブルックス社を創業したことに始まる。
全米がゴールドラッシュに沸いていた1849年には、アメリカで初めて既製服としてのスーツの製造販売を開始。オーダーメイドが一般的だった当時、これは画期的なことだった。
1850年には、リボンで吊るされた子羊をモチーフとした、ゴールデンフリースのマークを商標として採用。それと同時に、ヘンリーの息子であるダニエル、ジョン、エリシャ、エドワードらが、社名をブルックスブラザーズと改める。
1865年、エイブラハム・リンカーンが二度目の大統領就任式を行なう。その際に着用していたのは、ブルックスブラザーズのフロックコートだった。その裏地には鷲とともに「One Country, One Destiny=ひとつの国、ひとつの運命」という言葉を巧みにデザインした刺繍が施されていたという。同社によれば、J.F.ケネディからバラク・オバマ、そしてドナルド・トランプに至るまで、歴代45人のアメリカ大統領中、40人がブルックスブラザーズを着用していたというから驚きだ。
さらに名優スティーブ・マックイーンやフレッド・アステア、ポップアーティストのアンディ・ウォーホルなど各界の洒落者たちに愛されたブルックスブラザーズ。同社を象徴するアイテムといえば、ヘンリーの孫であるジョン・E・ブルックスが1896年に生み出した、ボタンダウンシャツだろう。同社では、ポロ競技のユニフォームにヒントを得てデザインされたこの襟型を「ポロカラー」と呼んでいる。
また、スコットランド発祥のハリスツイードにシェットランドセーター、アーガイル柄や、インドがルーツとされるマドラスチェックやシアサッカー生地など、世界中から良質かつ上品なアイテムをアメリカに紹介したことも、ブルックスブラザーズの大きな功績といえよう。
1979年には満を持して海外にも店舗を出店。その海外1号店とは、現在も青山のランドマーク的建物である、ブルックスブラザーズ旗艦店。これは、同社が日本を重要なマーケットとして考えていることの証しだろう。
2007年にはトム・ブラウンをデザイナーに迎え、伝統的なアイテムにトレンドのエッセンスを効かせた〈BlackFleece by BROOKS BROTHERS ブラックフリース バイ ブルックスブラザーズ〉をスタート。さらに2014年にはクラシカルなアイテムを現代的にアップデートした〈BROOKS BROTHERS RedFleece ブルックスブラザーズ レッドフリース〉を開始。200年の歴史に裏打ちされたその哲学はブレることなく、アメリカンクラシックなアイテムを展開し続けている。