DUVETICA
志高きダウンジャケット専業のファッションブランド。
2002 | MOGLIANO VENETO, ITALY| GIAMPIERO VAGLIANO
「高品質なダウンジャケットを身に纏いたい」。そう思ったならば、必ず選択肢に入れておくべきブランドある。それがイタリアのダウンウェア専業のファッションブランド〈DUVETICA デュベティカ〉だ。
独特な響きのブランド名、これは「Down ダウン=羽毛」のフランス語である 「Duvet デュベ」とイタリア語で「倫理・道徳」を表す「Etica エティカ」を繋ぎ生まれたもの。ヨーロッパでは1950年代初頭からフランスを中心に始まったというダウンジャケットの一般化。デュベティカは、そんなダウンジャケットの源流への敬意の表れとしてブランド名の頭にフランス語 「Duvet」を冠したのだ。また「モノづくりをする人々とその環境に対する尊重」、加えて「素材の価値を損なわない製品をユーザーへ届ける努力と誠実さ」、この名にはそんなブランドの志も込められているという。
デュベティカの始まりは2002年、イタリア・ベニス郊外モリアーノ・ベネト。創業者のジャンピエロ・バリアーノは、ハイエンドなダウンジャケットの代表格として確固たる世界的地位を築いた〈MONCLER モンクレール〉の社長を務めた人物。モンクレールを退社後、2002年に独立しダウンジャケット専業のファッションブランドとしてデュベティカを創業した。
ダウンジャケット専業と謳うだけあり、品質へのこだわりは並々ならぬもの。使用するダウンは最高級のフォアグラ用として自然の中でのびのびと飼育されたグレイグースの希少な胸の産毛のみ。もちろんその他の素材選びから製造工程にいたるまでこだわり抜き、そのストイックな姿勢はブランド名に込めた志の高さゆえ。
だが、ダウンジャケットではその良し悪しを図る指針とされ、明記されることが一般的なダウンの持つ反発力を数値化した「フィルパワー」の表示をデュベティカでは一切行わない。最高品質を追求する一方で、あくまでダウンジャケットに特化した「ファッションブランド」であるということへのこだわりの表れだという。
実はこのデュベティカ、創業の翌2003年から製品販売を開始したが、2005年までは日本のみでの展開だったという。異文化を柔軟に受け入れ、それまでの伝統と見事に融合し独自の審美眼を育んだ日本。デュベティカにとって、自分たちのこだわりが生み出したファションとしての最高のダウンジャケットの真価を問うには、日本が最高のマーケットだったのだろうか。
日本で見事その真価を発揮したデュベティカは、いまやその品質とデザイン性の高さでアウトドアブランドとは一線を画したダウンジャケット専業のファッションブランドとして絶大な支持を得ている。