Lewis Leathers
クラシカルな英国レザーウェア。
1892 | LONDON,UK | David Isaacs
1892年に創業し、イギリスの中でも古い歴史を持つライダースウェアブランドのひとつ、〈Lewis Leathers ルイスレザー〉。
その創業当初はD LEWIS LTDという店名のテーラー業を営んでいたが、パイロットやドライバー、バイカーのための防寒着が評判になり、1926年にはモーターサイクル専門ウェアの製作を開始。第二次世界大戦中は、RAF(イギリス空軍)にフライトジャケットを納入することで、その規模を大きくするとともに、機能性の高い服作りを進めてゆく。
ちなみに現在もLewis Leathersのロゴタグに刺繍されている「AVAKIT」は「AVIATION=航空」と「KIT=装備」を組み合わせた造語。このタグやファスナーが時代ごとに違うのも、マニアには有名な話だ。
1940年代からはオーダーメイドのレーシングジャケットも手がけはじめ、ピーク時にはイギリスにはLewis Leathersを着ていないバイクレーサーはいないと言われるほどに。そのこともあり、のちにロッカーズと呼ばれることになるバイク乗りたちに支持されるとともに、英国の不良=Lewis Leathersのイメージが定着することになる。
写真は4本のアジャスターと5つのジップポケットがアクセントになった人気モデル、ライトニング。このほか定番人気のダブルライダースとして、よりシンプルなサイクロンや、ジップポケットの配置が特徴的なバックルベルト付きのブロンクスなどがある。
使用しているレザーは、軽く柔らかな着心地のシープスキン(羊革)や、独特の艶でシワによるエイジングを楽しめるホースハイド(馬革)、分厚く耐久性の高いカウハイド(牛革)などがあり、カラーバリエーションが豊富なのも魅力。定番のブラックのほか、独特の雰囲気を持つブルーやターコイズなどもLewis Leathersらしい色として人気だ。
ちなみにイメージと違い意外ではあるが、元ビートルズのジョン・レノンはライトニングを、ポール・マッカートニーはブロンクスを愛用していたという。そのほかにもクラッシュのジョー・ストラマーやガンズ&ローゼズのスラッシュなど、多くのミュージシャンが愛用していたこともあり、バイク乗りからもファッション好きからも支持されるブランドとして知られていた。
しかしながら、90年代ごろからそのデザインから「Lewis Leathersらしさ」が消え始めてしまったことでファンが離れてしまい、一時はブランド存続の危機にあったという。
だが、Lewis Leathersの熱狂的なコレクターでもあったデレック・ハリスがオーナーに就任すると、原点に立ち返り人気モデルを復刻させるとともに、COMME des GARCONSやUNDERCOVER、HYSTERIC GLAMOURなどともコラボを実施。まさに「一生モノ」という言葉がふさわしいブランドとして完全復活を果たしている。
(→〈Lewis Leathers ルイスレザー〉に関する特集記事は、こちら)