ミリタリージャケット

ミリタリージャケット
HISTORY

戦地の状況の変化にも、柔軟に対応。

フィールドジャケットとは、主に陸上戦に赴く軍人のために作られたジャケットと、その影響を受けて作られたファッションアイテムの総称。

ここでは、ミリタリーマニアが好むだけでなく、ファッションアイテムとしても人気を誇る米軍のフィールドジャケットの中から、代表的なアイテムをピックアップする。

モッズコートの愛称で知られる、M-51の正式名称は「PARKA SHALL M-1951」。その名から読み取れるように、このフード付きシェルは1951年にリリースされたもの。薄手のコットンナイロンもしくは厚手のコットンサテンで作られており、膝上丈にフィッシュテールと呼ばれる燕尾の後ろ裾やボディ一体型のフード、肩のエポーレットと2つのフラップポケットなどが特徴。ウエストはドローコードで絞ることが可能で、オプションとしてウールパイルの防寒ライナーとファーの防寒フードを取り付けることでさらに体温の調節が可能となっている。

上記と混同されやすいのが、通称M-51フィールドジャケット。正式名称が「FIELD JACKET M-1951」といい、同じく1951年に使用開始された。スタンダードカラーにジップアップとスナップで風を防ぐ前立て、フラップポケットにエポーレットなどが主な特徴。こちらもM-51パーカ同様、ドローコードでウエストを絞ったり、ライナーを着脱することにより防寒性を高めることができる。

1963年ごろには、ベトナム戦争に際して熱帯気候へ対応するために開発されたと思われる野戦服「COAT,MAN’S,COMBAT,TROPICAL」通称ジャングルファティーグが登場。時代によって細かいディテールは異なるが、薄手で軽量、さらにボディ素材には主に濡れても乾きやすいコットンポプリンが使用され、斜めに付けられた胸ポケットと腰のフラップポケット4つが大きな特徴となっている。

M-51フィールドジャケットの後継として1965年にリリースされたのが、「COAT,MAN’S,FIELD M-65」通称M-65フィールドジャケット。時に動きを妨げることになったフードは立ち襟に内蔵できるようになり、背面には機動性を向上させるアクションプリーツが加えられた。さらに袖口はいわゆるマジックテープで着脱が容易になるとともに、手を保護するための三角ストラップが加えられるなど、多くのディテールがアップデートされている。

同様にM-51パーカも「PARKA,MAN’S,M-65」として1965年にアップデート。ボディ一体型だったフードは着脱可能となり、エポーレットは廃止に。状況に応じてより機動性を高めることが可能になった。さらにナイロン地にポリエステル綿が詰められたライナーで軽量化に成功している。

そして1985年には、アメリカ軍が現在も採用する「Extended Cold Weather Clothing System(拡張式寒冷地被覆システム)」通称ECWCS(エクワックス)の第一世代として「PARKA,COLD/WET WEATHER」通称コールドウェザーパーカがリリースとなる。最大の特徴は、ボディに防水透湿性素材のGORE-TEXを使用していること。荒天時でも蒸れにくいのはもちろん、動きやすさを考慮された大型のフード、計算された配置のポケット、そして通気性を高め体温調節に大きな役割を果たす脇下のジップ式ベンチレーションなど、現代の傑作と言っていい仕上がりとなっている。

さらに詳しくフィールドジャケットについて知りたい方は、「Military wear Vol.02 究極の実用品。野戦用フィールドジャケットの魅力。」の記事もあるので、そちらも是非チェックしてみてほしい。

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