MONCLER
ダウンジャケットの最高峰。
1952 | MONESTIER-DE-CLERMONT,FRANCE | Rene Ramillon / Andre Vincent
レネ・ラミヨンとアンドレ・ヴァンサンが、フランス・グルノーブル郊外で1952年に創立したMONCLER。当初は登山用のテントやシュラフなどの製造を手がけていたが、優れたダウンウェアの開発のため、ヒマラヤ登頂にも成功したフランス人アルピニスト、リオネル・テレイをアドバイザーに迎えて、研究・開発を繰り返すことでその機能性に磨きをかけてゆく。その一方で、世界のトップアルピニストたちにダウンウエアを提供、冬季オリンピックの公式スポンサーとなることで知名度も上げることとなる。
MONCLERの進化は機能的なものにとどまらず、1980年になるとシャンタル・トーマスとのコラボレーションにより、ファッション的にも洗練されたものになってゆく。遊び心を効かせたステッチ、サテンやファーを使ったトリミング、そして体の線に沿った美しいフォルム。機能的かつシンプルでありながら、エレガンスを感じさせるダウンジャケットは、登山家だけでなくファッショニスタたちも魅了することになる。
2000年代にはJUNYA WATANABE COMME des GARÇONSとのコラボレーションを発表。さらにトム・ブラウンの指揮の下で生まれたモード性の強いMONCLER GAMME BLEUや、ジャンバティスタ・ ヴァリを起用したエレガントなMONCLER GAMME ROUGEが誕生。ラグジュアリーなダウンブランドの地位を確固としたものにするも、2018年の春夏コレクションで惜しまれつつこの2ラインは終了した。
そして2018年2月には、8人の世界的デザイナーなどを起用し、新しい解釈のダウンを生み出すプロジェクトMONCLER GENIUSを始動。VALENTINOのピエールパオロ・ピッチョーリやPalm Angelsのフランチェスコ・ラガッツィなどとともに、日本からもComme Des Garçons Noir Kei Ninomiyaを手がける二宮 敬や、Fragment designの藤原ヒロシなどが参加している。
もちろんファッション性だけでなく、現在に至るまでその品質を保つ努力を怠ることはない。MONCLERのダウンは、AFNOR(フランス規格協会)が最高品質ダウンであることを証明するキャトルフロコン(4Flocons)マークを取得したホワイトグースの産毛を使用、職人が各パーツごとに最適な量をグラム単位で計測しながら、確かな縫製技術で仕立て上げられてゆく。MONCLERならではの軽くて包み込まれるような着心地は、その技術の結晶なのだ。