
セカストNo.1バイヤーの商材の学び方とは。
【問題1】
テレビのサイズを表す単位として「インチ」がありますが、近年は「50■型」のように表記されていることが多い。さて、■の中に入るアルファベット1文字とは?
【問題2】
椅子のように座り、側面を叩いて演奏するペルー発祥の打楽器とは?
皆さんは、こちらの問題の答えをご存知ですか?
私たちの身の回りは常にモノや情報で溢れていますが、自分の趣味や生活にとって不可欠なモノでもない限り、深い知識を身につけるのは難しいものです。しかし〈2nd STREET セカンドストリート〉には、ファッションはもちろん、家電やホビーなど様々なカテゴリー・ジャンルのモノやトレンドなどに対し、広く深い知識を持つ従業員が多く存在します。それが日本全国700以上の店舗で、日々お客様にお持ち頂いたお品物を買取させて頂いているバイヤーたち。私たちのリユースというビジネスにおいて、その根幹となる「買取」のプロフェッショナルである彼らは、まさしくその主役といえます。
そんなセカストのバイヤーの実力No.1を決める年に一度のコンテストが「キングオブバイヤー」。先ほどの問題は、今年1月に実施された「キングオブバイヤー」にて、実際に出題された問題です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で初のリモート開催となった第3回大会で、買取に携わる約1万名の頂点に立ったのが、セカンドストリート蕨店の高倉 幸一(タカクラ コウイチ)店長でした。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のため、2021年1月の第三回「キングオブバイヤー」は初のリモート開催となった。

2時間半にも及ぶ接戦を制し、セカンドストリートのバイヤー実力No.1の座に輝いた高倉店長。
冷静沈着。一言で表現するならば、そんな言葉が相応しい三代目キングオブバイヤーの高倉さん。入社6年目、弱冠27歳にして全バイヤーの頂点に立った彼は、落ち着いた雰囲気とは裏腹に貪欲に日々学び続ける熱い人物でした。そして商材知識の学び方は、まさにキングならではのものだったのです。

高倉 幸一(タカクラ コウイチ)
1993年生まれ。埼玉県出身。
学生時代からセカンドストリート鴻巣店でアルバイトを始め、2015年に新卒新入社員として入社。古川橋店、幸手店、蓮田椿山店で経験を積み、2019年に蕨店の店長として着任する。
2021年1月、セカストが年一度実施しているバイヤーの実力No.1を決めるコンテストで見事優勝し、三代目「キングオブバイヤー 」となった。2021年4月からは、セカンドストリート東川口店にて店長を務めている。
仕事のプロ・リユースのプロという自覚。

-高倉さんは「キングオブバイヤー」初出場で初優勝となりましたが、キングになったお気持ちを教えていただけますか?
高倉 出場が決まったときからずっと緊張していて、まさか自分が優勝できると思っていなかったので、とても驚きました。優勝後の周囲からの反響がすごくて、他店ヘルプに行ったときは、みんなから「キング」と呼ばれました。最近「高倉さん」と呼ばれることの方が少なくなっています(笑)。
出場が決まった時から同期や上司などから応援メールを沢山いただき、優勝後は普段関りの少ない方や他の部署の方も声をかけてくださったり、話のきっかけになっていて本当に優勝して良かったなと思います。
-ご自身の中でも何か変化はありましたか?
高倉 自信がつきましたね。「キングオブバイヤー」という称号を手に入れて、以前にも増して確信を持って買取に臨めるようになりました。ヘルプに行った先でも「せっかくだからキングに色々教わりなよ」と言ってもらえるようになり、教育面での自信にも繋がっています。
-ちなみに「キングオブバイヤー」への出場が決まってから当日まで、何か準備はされていたのですか?
高倉 かなり勉強しました(笑)。食器のブランドの歴史を勉強したり、一次市場の楽器専門店に行って店員さんとお話したり。キングオブバイヤーのためでもあるんですが、純粋に日々の査定・買取のためにもなると思って、いろんなところに足を運んで話を聞きましたね。
-ところで高倉さんは、2015年度の新卒社員ですが、入社のきっかけを教えていただけますか?
高倉 学生時代、洋服が好きでセカンドストリート鴻巣店でアルバイトとして働き始めたのがそもそものきっかけです。働くうちにリユースに携わることでいろんなモノに巡り会える楽しさを知って正社員になることを決意し、新卒採用試験を受けて入社したんです。

セカンドストリートには、大きく分けて3つの店舗タイプがあります。ひとつが高倉さんがアルバイト時代に勤務していた鴻巣店のような洋服・バッグ・靴などを専門に扱う「アパレルリユースショップ」。
さらに、よりファッション感度の高いユーザー向けに人気の高いアパレルブランドに特化し、 都市部に立地する「ユーズドセレクトショップ」。そして洋服をはじめ家具や家電・楽器・ホビーなどあらゆるアイテムを扱う「トータルリユース」ショップです。
高倉さんが新卒入社して配属されたのは、トータルリユースの店舗でした。
(→セカンドストリートの店舗タイプについての詳細は、こちら)
-正社員としての配属先はトータルリユースショップでしたが、なにか変化はありましたか?
高倉 配属先の店長に「仕事のプロ、リユースのプロとして自覚を持ってください」と言われて、はっきりと意識が変わりました。私はファッションが好きで入社しましたが、会社として家具や家電、楽器なども取り扱っているのだから、仕事として、プロとしてトータルリユースもしっかり勉強しようと思いました。
そこから不思議とどっぷりはまって、正直いまはいろんな商材に触れられるのでトータルリユースの方が好きですね。あとは「いろんな商材の知識がある自分がカッコいい」みたいなところもあるかもしれません(笑)。
好きなモノから知識を広げ、自分の買取を様々な視点で振り返り、次に繋げていく。

- 元々好きな洋服の知識は増やしやすかったと思いますが、それ以外の商材についてはどのように勉強されたのですか?
高倉 トータルリユースの店舗に配属されてから、自分自身の趣味が広がったんですよね。釣りやスノーボード、楽器など取り扱っている商材のメインどころはほぼやりました。モノを買うときってブランドやスペックなど色々調べるじゃないですか。そうしているうちに知識が高まっていきましたね。それでも苦手な分野は、詳しいアルバイトスタッフさんからも教わったりもしました。
私の勉強法はどちらかと言えば効率が悪いかもしれないです。趣味から知識を高めているので、時間もコストもかかりますから。でも私は机や本に向かって勉強していくようなやり方は得意ではないので、好きなモノから知識を広げていく、という感じですね。
-知識面の強化以外でも査定精度を高めるために意識していることはありますか?
高倉 自分が買取した商品が「いつ・どれくらいの期間で売れたのか」は、必ずチェックしています。とにかく自分の買取の結果を様々な視点で振り返り、次の買取に繋げる、これは今でも変わらず続けています。
ひとつひとつのお品物を丁寧に査定する。

-バイヤーとして働くうえで、どういうことを大切にしていますか?
高倉 とにかく、ひとつひとつのお品物を丁寧に査定することです。そのお品物をお客様が持っていたということは、何かしら価値があると思って買われたということだと思うので、ひとつひとつ素材や質感までできる限り調べるようにしています。
-日々の買取査定では早さも求められますが、スピードと丁寧さはどのようにバランスを保っているのですか?
高倉 正直、そこは慣れの部分も大きいと思います。今も特別早いというわけではないですが、入社当初はもっと遅かったので。とにかく日々の勉強と経験を積んでいくしかないと思います。場数を踏むと、査定の中で即断すべきモノと慎重に判断すべきモノの区別がつくようになるので、査定スピードも早くなるんです。

-では、お客様へ査定内容をご説明する際に、何か気を付けていることはありますか?
高倉 いかにお客様にご納得してお売り頂けるか、ですね。ご納得しないままお客様がお売りにならないように、しっかり説明をするように工夫しています。例えばショルダーバッグとクラッチバッグの査定であれば「ショルダーバッグは普段使いがしやすい分、人気もありお値段が付きやすいですが、クラッチバッグは使い勝手の面でショルダーバッグに比べて需要が少なく、お値段が付きにくくなっています」といったように、ご提示した査定額の根拠や理由を説明するようにしています。
-キングオブバイヤーとして、当面の目標はどんなものでしょうか?
高倉 店長になってまだ2年しか経っていないので、まずは着任したばかりのセカンドストリート東川口店でしっかりと実力を発揮することですね。その次の目標は、より大型のトータルリユースの店舗で働くことです。大型店舗はスタッフさんもたくさんいますので、自分の知識を波及してみんなを巻き込んでお店全体を向上させたいと思っています。また商材知識をいかしてセカンドストリート全体の売買価格を調整・指示できるような仕事もやってみたいですね。
最後に、高倉さんにこの質問を投げかけてみました。
ーあなたにとって、「リユース」とは?
新しい自分との出会い
高倉 リユース業界に入ってから、今まで自分が知らなかったモノに触れる機会が増えました。バイヤーになるまでは興味がなかったモノでも、実際に見て触れることで興味が湧き、知れば知るほど楽しくなり商材について深く調べるようになりました。興味が湧いて実際に自分で購入し使用することで、バイヤーとしての自分の価値を高めることもできますし、新しい趣味にも繋がり、新しい自分と出会うことができました。
リユースだからこそ出会える特別なモノがあることを知りました。いままでは出会うことがなかったモノに出会うのもリユースならではだと思います。きっとリユースがなければ、今の自分は存在しないと思っています。

セカンドストリートの全バイヤーの頂点に立った今もなお、ひたむきに日々買取精度の向上に努めている高倉さん。穏やかで落ち着きがあり、実直に仕事に向き合う姿がとても印象的でした。
そしてキングオブバイヤー高倉さんが教えてくれた、自分の趣味・好きなモノにして楽しみながら学んでしまうという商材の学び方、それは効率重視の丸暗記とは違い、自身で貪欲にモノと向き合い経験し身に着けていくという地道なものでした。しかしそれだけにその知識は血の通ったものであり、査定精度だけでなく、買取時のお客様へのご説明にもしっかりと活かされているのでしょう。
ところで冒頭の「キングオブバイヤー」で出題された2つの問題の正解は、以下の通りです。
【正解1】
「V」。「Visual Size」の略で、「V型」とは実際に画面が表示されている部分の大きさの事を言います。近年は「50V型」のように表記されていることが多くなっています。
【正解2】
「カホン」。主にアコースティックライブやストリートライブで使用される打楽楽器です。
全国に700店舗以上あるセカンドストリートには、広く深い商材知識を備えたバイヤーたちが買取った一点モノの数々が所狭しと並んでいます。高倉さんが語ったように、リユースだからこそ出会える特別なモノがあります。アナタの街のセカストにも、きっとアナタにとっての特別なモノがあるはずです。