古着はなぜ人気なのか?セカストで古着の魅力を学ぶ。
みなさんは”古着”と聞いてどんなイメージを持っていますか。
ここ近年、ファッション業界では第2次古着ブームと言われ”古着”が再注目されています。また、各ファッション誌や各メディアでの古着特集や人気の俳優やモデル、アーティストなどのさまざまな著名人が私服で古着を着用するなど、業界に留まらず、とくに若者を中心に古着への関心・注目度が高まってきています。
とはいうものの、そもそもなぜ”今”古着が人気なのか。第2次古着ブームと言われる理由や第1次古着ブームはいつ?など…身近になりつつある古着の魅力をセカンドストリート阿佐ヶ谷店の前田大佳さん(※)に聞いてみました!
リユースショップである〈2nd STREET セカンドストリート〉ではもちろん、古着を取り扱っています。さまざまなブランドやジャンルのアイテムを展開していますので、お気に入りの古着を見つけられること間違いなし!
(※)2024年8月時点
前田 大佳(マエダ タイガ)
1993年1月20日生まれ。長崎出身。外国語大学を卒業後、セカンドストリート長崎浜町店にPAとして入社。
その後福岡西新店で経験し、上京後新宿2号店勤務。2022年に社員になり下北沢店・原宿店、新宿2店で勤務したのち、現在の阿佐ヶ谷店に着任。2024年9月にグランドオープンするセカンドストリートスペイン坂店へ異動予定。
今さら聞けない「古着」の定義
ヴィンテージ古着やユーズド古着とは?
-前田さん、今日は古着の魅力についていろいろ教えてください!
前田 はい!よろしくお願いします!
-そもそも、どのようなものを「古着」というのでしょうか?文字の意味としては「着て古くなった衣服」ですが…。
前田 そうですね、そういった意味もありますがファッション用語としての「古着」は、大まかに分類することができます。定義を知っておくと、服選びの幅が広がったり自分の着たい服を見つけやすくなりおしゃれがもっと楽しくなりますよ。
-分類することができるんですね!ぜひ教えてください!
前田 それでは代表的な4つの古着の種類についてご説明します。
まず1つ目は「ユーズド古着」です。
ユーズド古着は、一般的にイメージする古着の種類だと思います。リユースショップやリサイクルショップ、フリーマーケット、フリマアプリなどで販売されている古着のことを差します。セカンドストリートで販売されている古着のほとんどがこのユーズド古着で、ブランド品から近年発売されたファストファッションまで幅広く含まれ、古着の中でもリーズナブルな価格で購入できるのも魅力です。
-皆さんがイメージする一番身近な古着がユーズド古着ってことですね。最新トレンドのユーズド古着を安く購入できるのは魅力的ですね!
前田 そうなんです!最近はフリマアプリで手軽に出品、購入できるのもあってユーズド古着の人気は高まっていると思います。なかでも近年発売された比較的新しいもので、かつ人気ブランドの古着を「ブランド古着」とも言います。
-「ユーズド古着」はファストファッションのアイテムもあったり、ブランド古着もあったり幅広いですね!
前田 2つ目は「インポート古着」です。
インポート古着はアメリカやヨーロッパなどの海外から輸入した古着のことです。バイヤーが1点1点厳選・買い付けした古着で、主に古着屋で販売されています。個性的なアイテムやファッション性の高いアイテム、人気ブランドの種類豊富なユーズドアイテムがリーズナブルに購入できるのも魅力です。また、アメカジやミリタリースタイルを楽しめるアイテムも豊富にあります。
-セカストとはまた違った、バイヤーの買い付け次第でお店ごとに雰囲気が変わりそうですね。
前田 インポート古着を取り扱う古着屋は大量に古着を輸入したり、一点ずつこだわって選んだりと仕入れ方法は店舗によって異なります。商品をセレクトして展開していることや輸入コストも踏まえると、ユーズド古着と比べると値段は高めに感じるかもしれません。
3つ目は「ヴィンテージ古着」です。
ヴィンテージ古着とは、古着の中でもとくに価値が高く希少なアイテムを意味します。長い年月を経ても魅力的な姿を保った高品質な古着で、運命の一着に出会えれば一生ものになること間違いなしです。ヴィンテージ古着を語るうえで欠かせない、ブランドの歴史やバックグラウンドを知れば知るほど、そのディープな世界に魅了されるコレクターも多いです。ヴィンテージ古着は、セカストでも古着屋で手に入れることができます。
歴史的に価値の高いアイテムがゆえ、ほかの古着よりも値段は高価になりますが、それ以上に愛着が生まれ一生モノになると思います!
-たしかに希少で高価だからこそ、手に入れたときの嬉しさはひとしおですね。
前田 最後4つ目は「デッドストック古着」です。
デッドストック古着とは、「売れ残り品」を意味し、当時の洋服や靴などが新品状態で保存されていたもののことを意味します。長年在庫として保管されていた新品なので、一般的な古着とは大きく異なります。
-「売れ残り品」なんですね。売れ残りなのになぜ人気なのでしょうか?
前田 年代物のアイテムがきれいな状態で購入することができたり、ブランドものが現行の商品より安く購入できることもデッドストックの良いところです。
発売当時のブランドタグが付いたままになっていて、その時代を感じるデザインが反映されているのも面白いところ。中古品とは違い自分で着古して風合の変化が楽しめるのも、デッドストック古着の魅力です。
デットストックを探している人はオンラインストアをチェック!
-デットストックは当時の良さが色褪せず残っているアイテムなんですね!同じ古着でも特徴がこんなにも違っていてびっくりしました。
前田 今回は種類の説明でしたが古着の世界はかなり深いです。知れば知るほど面白くて、その魅力にどんどんハマっていくことは間違いなしです!
古着の魅力ってなんだろう?
Z世代に人気の理由は。
-前田さんにさまざまな古着の種類を教えていただきました。
近年、若者を中心に古着ブームが来ていると聞いたのですが、なぜこんなのも古着が人気なのでしょうか?
前田 そうですね。もともと第1次古着ブームと言われている1990年代は、日本では古着ブームの全盛期として社会現象にもなり、多くの若者がヴィンテージアイテムに夢中になったそうです。〈Levis リーバイス〉の「501」や〈NIKE ナイキ〉の「Air Max(エアマックス)」シリーズ、〈CASIO カシオ〉の「G-SHOCK(ジーショック)」など、現在も定番のアイテムが人気を博したのもこの時期なんですよ。
古着初心者でもこの名を知らない人はいない定番アイテム!
-どのアイテムも見たことがあります!昔から変わらない人気のアイテムなんですね!
前田 そうなんです。さらにはアメカジスタイルやジーンズなどのヴィンテージ古着が当時は人気で、ファッションに取り入れる芸能人も多かったことから一大ブームとなったようです。当時は古着といえばユーズド古着ではなくヴィンテージ古着だったと思います。
-当時はヴィンテージ古着が人気だったんですね。今だと気軽に買うことができる価格ではなさそうなイメージですが…。
前田 もちろんアイテムにはよりますが、なかでもリーバイスの「501XX」などのデッドストックが高額で取引されるようになったそうです。
-ヴィンテージ古着って想像を超える高額なものもありますよね…。Z世代の人たちも高額なヴィンテージ古着を選んでいるんですか?
前田 もちろんZ世代の方でもヴィンテージ古着が好きな方もいるので今でも根強い人気がありますが、現在はユーズド古着も取り入れた以前とは違う視点で古着を好む人も多いかもしれません。
-そうなんですね。このZ世代を中心とした第2次古着ブーム、どのような理由で古着ファッションを楽しんでい人たちがいるのでしょうか?
前田 若者たちに支持される理由はさまざまですが、Z世代は自己表現を重視する傾向があるので、周りと被らない個性的なコーディネートがとことん楽しめる古着ファッションはとても魅力なのではないでしょうか。
-古着が持つ独特の雰囲気を身に纏うということは、個性を身に着けて周りとの差別化を図ることができるんですね。古着だと新品を購入するより値段も安いので手が出しやすいのも魅力的ですよね。
前田 ヴィンテージ古着やインポート古着は少し値段が高いものもありますが、ユーズド古着はおしゃれで個性的なファッションがリーズナブルに楽しめますし、新品だと高価でなかなか手が届かないブランドの洋服や靴、バッグなども、新品とは違いリーズナブルに手に入れることができます。
-Z世代で流行っているファッショントレンドの「Y2Kファッション」も個性を大切にしていますよね。ファッションはただ単にオシャレを楽しむというものなのではなく、自分の価値観を具現化するものになっていますね。
前田 流行に左右されず、自分らしい着こなしを楽しめるところが古着の魅力です。アイテムのチョイスや組み合わせにルールはありません。自分が着たいものは正解です。古着は自分らしいファッションを常に追求することができます。
インパクトのあるデザインや、現代ファッションにはないデザインなど種類も豊富なので、既成概念にとらわれず、自分の感性を存分に生かした着こなしが楽しめますよ。
リユースだからこそ過去の名品が手に入る!
時代を経ても変わらない永遠の定番コムデギャルソン
-さまざまな古着の種類を教えていただきましたが、前田さんはどのような古着がお好きでしょうか?
前田 私はユーズド古着の中でもブランド古着が多いですね。〈COMME des GARCONS コムデギャルソン〉、〈YOHJI YAMAMOTO ヨウジヤマモト〉やヴィンテージストリートブランド、裏原系のブランドが好きです。
-今日着ているアイテムもご紹介いただいたブランドのアイテムですか?
前田 そうです!今日着ているアイテムはコムデギャルソンのアイテムです。
このセットアップは〈COMME des GARCONS HOMME PLUS コムデギャルソンオムプラス〉の2006年SSモデルの「ローリングストーンズ Rip & Tongue 3Bテーラードジャケット」です。
ローリングストーンズ Rip & Tongue 3Bテーラードジャケット
-2006年モデルということはこちらも古着になりますよね?当時買うことができなかったアイテムを手に入れることができるのも古着の良さですね!
前田 そうなんです。特にコムデギャルソンは、シーズンが過ぎて何年か経った後に当時よりも二次市場の価格が上がることがあります。当時購入することができなかっただけでなく、その時は購入を見送ったとしても、近年古着として見かけたときに「あの時買っていればよかったな」や「あれ?あの時はそこまで思わなかったけど、こんなにかっこ良かった?」などと、時代やトレンドに左右されず、手に入れたくなるのは、独自の進化で世界に影響を与え続けるコムデギャルソンならではかなと思っています。2006年春夏コレクションもその代表的シーズンです。
-なるほど…。前田さんが考えるコムデギャルソンの魅力って何でしょうか?
前田 コムデギャルソンはライン、デザイナー、シーズンによって全て魅力が異なり、デザインが凝ったものから落ち着いたデザインのものまで幅広くあります。
今日ジャケットの中に着ているコムデギャルソンオムプリュスのシャツは田中オム(1990年~2003年秋冬シーズン)と呼ばれるアイテムのデザインで、通常のコムデギャルソンオムプリュスとは異なりシンプルなデザインが多いですが、少し変わったギミックがあり、派手な服が好みじゃない人でも着ることができます。固定観念に囚われない自由な発想に反映されたデザインに魅了されています。
田中オム(1990年~2003年秋冬シーズン)のシンプルながらも斬新なデザイン
-コムデギャルソンに魅了されているんですね!今日はほかにもコレクションをお持ちいただいているんですよね?見せていただいてもよろしいでしょうか?
前田 もちろんです!唯一無二のコレクションをご紹介いたします!
全て個性が爆発していて、どれもお気に入りのアイテムです!これらのコレクションを着ていたときに、街でスナップ写真を撮ってもらったり、道で声をかけてもらったこともあります。大阪のコムデギャルソンのお店に行った際、ニューヨークのコムデギャルソンの路面店のスタッフとお互い着ていた服で話が盛り上がり友達になりました(笑)
数多くのコムデギャルソンのコレクションがずらりと並ぶ
青山店限定 Comme des Garcons×〈Lewis Leathers ルイスレザー〉
左:コート 2018SS 高橋真琴 × Comme des Garcons
右:トップス、ワンピース 2015SS Junya Watanabe
-すごいですね!スナップ写真だけでなく、友達ができるなんて…!コムデギャルソンの服を通じて多くの人との繋がりができているんですね!
前田 そうですね。古着の魅力は個性が出せることだと自分は思っています。着ているアイテムやコーディネートによって「私はこういう人だ!」と一目で分かる名刺のような感覚で、ファッションもひとつのコミュニケーションツールになっています。
このゴブランのパッチワークのセットアップはコムデギャルソン、ヨウジヤマモト好きで集まるファッションショーでモデルとして歩かせていただいた際、このセットアップを着用しました。
この時もコムデギャルソンを通じ、国籍関わらず多くの人と繋がることが出来ました。今後イギリス旅行に行く予定なのですが、その時もイギリス人のアーカイブコレクターと会うつもりです。
-海外まで交友関係が広がっているんですね!そのお話もぜひお聞きしたいです(笑)
今日は古着の種類や魅力、たくさんのコレクションをご紹介いただきありがとうございました!
セカストで自分のお気に入りの古着を見つけたいと思います!
前田 ありがとうございました!
さいごに
一概に古着といっても、実は色んな古着の種類があり、つくづく古着は奥深い…。
ヴィンテージ古着の希少価値に注目された1990年代の第1次古着ブームとは違い、現在の第2次古着ブームではヴィンテージ古着への関心は変わらずに希少性だけではなく、リーズナブルかつ簡単に自分の個性を表現できて周りとの差別化を図るアイテムとして若い世代を中心に広まっています。
セカンドストリートでは、新品ではちょっと手が届かないような商品もリユース価格で購入することができるうえ、あの時買えば良かったと後悔していた昔のアイテムも、巡り巡って手に取ることができる場所です。
「希少なヴィンテージ古着が手に入る」「安く手軽におしゃれを楽しみたい」「個性を表現できるアイテムを手に入れたい」など古着を手にする理由は人それぞれです。
古着との出会いは一期一会です。セカストでお気に入りの古着を見つけてみませんか?
阿佐ヶ谷店近隣店舗紹介
セカンドストリート 高円寺店(約1.1km)
セカンドストリート 高円寺2号店(約1.1km)
セカンドストリート 豊玉店(約3.6km)
セカンドストリート 井荻店(約3.7km)
セカンドストリート 江古田店(約4.8km)
【取材店舗】セカンドストリート阿佐ヶ谷店
・住所:東京都杉並区阿佐谷南1丁目48番13号 横川ビル2号館1F B1F
・営業時間:10:00〜21:00(※営業時間は、WEBサイトをご確認ください。)
・駐車場台数:0台
・店舗タイプ:ユーズドセレクト